革新者に潜む陥穽 自ら破壊者となれ

2006年9月30日

研究 書籍

t f B! P L
日経ビジネス2005.7.4号 掲題と同タイトルを掲題としています。
*日本企業の現状をクリステンセンへインタビューした記事より。

ソニーが革新的であったのは1970年代までだと言っている。その頃は盛田(故人)の「新製品に関する最終決定」が、製品開発の現場から離れなくてはならなくなった頃である。

また、その頃からMBAを受け入れ出したのも事実である。「革新的製品がなくなった」「ソニータイム」「デルのリコール」など、ソニーを評することは容易である。

 「石油ファンヒーター」「マネシタ」と言われる松下でもよい。日立や東芝もそうかもしれない。 いや、GMを飲み込んでしまう力のあるトヨタもそうかもしれない。

日本の企業(製造業)は「対応不能な既存企業」であっただろうか?ウォークマンの代名詞はipodになりつつあるが、アップルに対抗できたのはソニーであった。

「マネシタ」と揶揄されようが、どこに、二番手戦術をあれだけ有効に活用できる企業があるだろうか。自社の最高級グレード車の日本市場不振があれだけ騒がれる車メーカーがあるだろうか。 

生意気かもしれないが、私は日本の製造業の技術者であることに誇りを持っている。これほど、カイゼン体質な組織は、ある意味、強みかもしれない。 

既に、ソニーが受け入れた頃のMBAの技術的側面のknowledgeは劣化している。何より、上記の最良のケースを持っているからだ。

MBAの要素は学べるが、カイゼン体質は学ぶことができないであろう。そういった意味では、今後の必要なことは、クリステンセンの言葉を借りれば・・・。  

・・・10年、20年の大局観から「必要だ」と判断したら、自身を持って二兎でも三兎でも追う。破壊されること、破壊することを恐れずに前に進むしか、生き残る道はありません(本文より)。

 photo © Maco

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