マネジメントの流行

2006年10月10日

研究

t f B! P L
規模拡大、リストラ、構造改革、コア・コンピタンス、トータル・クオリティ・マネジメント・・・マネジメントには流行があるようであるが、複雑で変化する状況においては、マネジメントを成功に導くための簡単なレシピなど存在しない。 

サクセス・ストーリーを疑え! これは、サクセス・ストーリーを著した書籍や著者を言っているのではない。 

例えば: 
○ホンダの成功に関する説明 「特殊な市場セグメントに慎重にターゲットを定め、設備投資と生産方法の学習を通じたコスト削減」(ボストン・コンサルティング)、「予期しないシグナルに対応できる市場戦略の柔軟性と、高品質な製品設計」(リチャード・パスカル)  

○イノベーションの実現に寄与するリンケージ 大学の研究と企業の製品開発のリンケージ(製薬業界の場合)、さらに、重点分野がケミストリーからバイ-オへと大きく変化。 製品開発と製造とサプライチェーンのリンケージ(自動車業界の場合) 

さらに、IT技術が製品開発やSCMに深く関わるようになりつつある・・・  

など、要素を発見している主張に対しては、常にその主張のもとになっている証拠に立ち帰って正確に調べるべきである。

新たなマネジメントを導入しようとしている企業の者が調べれることができたなら、どの部分が当該企業にとって有用な要素なのかが把握しやすい。 これは、MBAに限らず、必要な研究姿勢である。理系の場合では、ペーパーに書かれていることを再現実験したりすることに相当するかもしれない。 


 ・・・流行っている服が似合うとは限らない。 


(参考)
イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』pp91-92, Box3.3 マネジメントにおける流行の移り変わり を参照。

 photo © Maco

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