技術軌道

2006年10月31日

研究

t f B! P L
企業戦略は、その企業の現時点でのポジションと将来利用可能な固有の機会の双方から強い強制を受けている。つまり、企業戦略は経路依存性を有しているということである。  

この性質は企業にとっては避けがたいことである。なぜなら: 
①技術的な知識そのものの制約 
②技術的知識を利用する企業のコンピタンスの制約 を受けるからである。 
②では、大幅な変化に伴うリスクの管理、学習能力の限界、組織的暗黙知などが挙げられる。たとえ、企業買収によって外部から知識がもたらされたとしても、実践の方法や認識の構造が異なるため、同化させるためには長い時間と多大なコストがかかってしまう。  

過去150年間の主要新技術の分析から見た制約では: 
①イノベーティブな企業の規模 大企業:化学、自動車、素材加工、航空、エレクトロニクス 小企業:機械、計測器、ソフトウェア 
②製品のタイプ 
価格志向:材料、大衆消費財 
性能志向:医薬品、機械 
③イノベーションのタイプ 
プロダクト志向:医薬品、機械 
プロセス志向:鉄鋼、自動車 
④イノベーションの源泉 サプライヤー:農産品、伝統工業品(繊維など) 顧客:計測器、機械、ソフトウェア 組織内:化学、電子機器、運輸、機械、計測器、ソフトウェア 基礎研究:医薬品 
⑤自社内でのイノベーションの発生場所 
研究開発部門:化学、電子機器 
生産管理部門:自動車、バルク素材 
設計部門:機械 情報システム部門:金融、流通などのサービス産業 のように要約される。

・・・技術的変化の源とその変化の方向は各産業セクターにより恒常的にことなるものである。


(参考)

 photo (c) Mori

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