イノベーションの収益化

2007年1月15日

研究

t f B! P L
日本の研究開発効率は低下している。これを計量した内容が掲載の書籍に見られるが、製品開発に携わっている者の実感としてもよく感じる。

効率が落ちるというよりは、利益を創出する期間が短いため、次々に商品化しなくてはならず、分母が大きくなっている感がする。 この変化は、イノベーションの課題が変化していることが挙げられ、 ①プロセス→プロダクト ②連続的→不連続 ③アーキテクチャが所与→その変化を含むイノベーション としている。  

この議論は非常に難しい。右だといえば、左だ、長いといえば、短い、など、分析の整合性において、自らの主張を裏付ける製品は多すぎるためである。簡単な話、クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』はよく売れているそうであるが、日本の企業には当てはまらないことのほうが多い。

松下、ソニーなど多くの企業が破壊的イノベーションに対応できている。ソニーは何かと語られるが、例えば、記録メディアとしては不連続な技術が連続しているにも関わらず、ウォークマンはテープ、MD、CD、半導体と非常に対応できている。半導体でも成功している(トップシェアを取れなかっただけで、利益が出てれば問題ないのである)

学者にも限界がある。企業の実情は学者にはわからない。開発経験がないのだから。 しかしまた、実務者の限界は、体系的に考察できないことである。学術経験がないのだから。 

こういった面で、コラボレーションであるビジネススクールの意義は非常に大きい。  

・・・右方上がりの成長から、先が読めない現代では、こういったどちらとも取れない(学者&実務者)場が必要ではないだろうか?


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