社会人MBA-技術者編

August 19, 2008

標準化とマニュアル化

標準化とマニュアル化・・・間違えると大変なことになる。(前置きが少し長いので、本題は次の写真あたりから始まっていますので、スクロールしてください)

1980年代、日本の成長は、その円高によるものと考えられることが多かった(GDPなどがドルベースで計算されるため)。しかしながら、単なる為替の影響ではないことから、主だった日本企業を中心に研究が始まった。

その代表的企業はトヨタであり、”カイゼン”は共通語となっている。

多くの学識者やそれに付随する企業経営者は、その工場を見て学習した。それらの知見がさらに普及し、カイゼンは広まっていったが、同じものを見て同じ結論があることはない、とは言うまでもない。これは、それぞれの立場や背景が異なるので避けられないことである。

合理的な者は、作業環境に無駄がなく、作業自体も合理的に配分されていることから、作業の合理化に眼がいくであろうし、伝統的な日本の製造業のトップは学習することすらなかったのかもしれない。なかには、『これはいい商売になる』と考えた者もいたかもしれない。

巷間、「トヨタはあれだけ管理方法を公開しているのに、日本の企業はどうしてあの企業ほど利益を創出できないのか」と言われることがある。一見、説得力のある意見だが、情報が公開されているのであれば、文中の「日本」はどこの国や地域であってもよいはずである。

逆に「日本からこれほど情報を公開しているのに、どうしてその企業や国、地域で、品質のレベルが上がらないのであろう?」「歴史の長い自動車産業において、近くにトヨタがありながら、日産、マツダはどうして外資の傘下になったのであろう?」

それは経営の問題かもしれないが、企業において、これまでと異なる生産方式を導入することも経営の中の意思決定である。

トヨタは「自動車」を長年生産している。その歴史の中で、オイルショックを機に編み出した生産方式が、現在まで続いている。時代が変われば、評価も変わるもので、今後は、一日に何度も輸送される生産方式の形態は、環境問題から非難される。

街の大手書店には、カイゼンやカンバン方式の書籍が山積みされている。

プラザ合意、バブル崩壊、超円高、株価最安値など、多くの試練を乗り越えて生き延びてきた企業は、おそらくは、見向きもしない。バリューチェーンを丸抱えする企業において、コストの削減は、研究開発、設計の段階で行なわれ、生産現場での削減すべき余剰コストは、ほとんどないからである。


さて、(訳のわからない)前置きが長くなったが、今日の記事にするのは、「標準化とマニュアル化」である。

日本の伝統的製造業では:

例えば、1時間の作業のうち、その作業が50分で終了したとする。多くの生産現場のオペレーターは、残りの10分を、次の準備をしたり、道具(治具)を研磨、切削などメンテナンスをしたり・・・と、
おぉラッキー、10分サボれる
とは考えない。

50分で終了することが常態化すれば、そのプロセスを作業手順に盛り込んで、50分の作業に修正する。

若手は、その作業を一人で出来なくとも、1.5人で行なうなど、作業を覚えていく。さらに、彼らが彼らなりの工夫をし50分で終わらせることができるのであれば、作業手順は変更される。

このように、内部の作業者がカイゼンを続けていくなかで作業手順を定めていくことが「標準化」であり、外国語でこれを表現するには難しい面がある。

やはり、これらをマニュアル化ととらえてしまうことは起こり、手法が優れていることに焦点があたるが、これは作業員が優れているのである。

長い眼で見れば、企業において、長年カイゼンを継続してくれる従業員は大きな財産である。

「余所モンが来ても、誰でもわかるように」するのはマニュアル化であり、似ていても、少なくとも研究対象になったトヨタの例とは非なるものである。こんな、ベテランや職人を冒涜するする作業はない。

最近は、このカイゼンを紹介するのに、漫画というわかりやすい表現で書籍化もされているが(下の参考文献)、標準化とマニュアル化については、とてもわかりやすく、マニュアル化を勧める従業員を叱咤している。

結局は、常にカイゼンしていく、というモチベーションを養成していくのであれば、トヨタ式に限ることではない。

標準化の悲劇は、生産現場に置いては、現代では、すでに開発、設計段階でコストが削減されているので、大きな(カイゼンに対するモチベーションを維持できるほどの)カイゼン結果が得られないことである。

マニュアル化の悲劇は、従業員から創造性を奪う(マニュアルにないことはしない)、に加えて、同僚を失ってしまう*ことである。
(*正社員でなくても良い作業と判断された場合)

・・・ただ、そういうカイゼンのモチベーションを維持し続ける、社員を熱狂させる、というのは難題です。

<参考文献>


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