「不確実性に克つ『科学的』思考」 ハーバード・ビジネス・レビュー

2009年8月28日

書籍

t f B! P L
つい最近のHarvard Business Review ((ハーバード・ビジネス・レビュー) 2009年 07月号)でタイトルの内容が特集されていた。

以前に2002年頃の同雑誌の内容について少し触れた(記事はこちら)。MBA時代の研究で同雑誌を参考にしたことは意外に少なかったが、ある企業の研究開発に関する内容で、論文中に参考文献としたことは懐かしい。以下はMBA時代に利用した論文検索の代表的なサイト。

○GoogleScholar(こちらは無料)
ScienceDirect
ProQuest
CiNii
JDreamPetit(科学技術振興機構)
JDreamⅡ(科学技術振興機構)
*GoogleScholar以外は有料、もしくは契約が必要な場合もありますのでご注意ください。通常は、大学などが契約しており、当該組織がライセンスを受けているのであれば使用できるようになっています。


さて、2009年7月号の特集は:
  • 「科学的実験」で仮説を検証する経営
  • 正しいリスクは競争優位の源泉
  • オプション・ゲーム:戦略選択の手法
  • 不確実性時代の戦略的思考
など、私の研究が研究開発プロジェクトの価値評価をどうするか、という研究だったので懐かしく、思わず購入してしまった!


上記のようなことは数学の素養がなくては運用が困難である場合もある。【あぁ理系はつぶしがきくよなぁ】としみじみ。。。

これは、個人的な見解であるが、基本的に理系の教育ありきでいいのでは?とも思う。マーケもゴリゴリの数学を使うし、経済学自体が数学が出来なくてはそれこそ計量できないし・・・「科学的」とはいっても、所詮は、仮説の検証、いわゆるトライ&エラーの実験を繰り返して知見を深めていく面が強いしで。。。

理系→文系、文系→理系では、社会人になってからは、文系→理系の習得は絶望的である(拘束時間的に)。


さて、不確実性って何なんだ!?といわれれば、「選ぶことができる選択肢が幾つかある」状態と答えている。それは、自社由来のオプションからかもしれないし、競合の動向から動機付けられるものかもしれない。

お金で測定するなら、金融工学の出番であるし、企業のアイデンティティによるのであれば、創業家(もしくはトップ)の出番である。

いずれにせよ、新製品、サービスを提供するに当たり、「科学的」アプローチの積み重ねが、当該企業の知見を深め、その蓄積は、イノベーションのマネジメントにおいて最も重要な“学習”効果を生み出していく。

このことはある部門が突出して発展してもできることではなく、統合的な作業である。

「だれに」「どれぐらい」新製品やサービスを提供するのかのアプローチを研究開発グループや販売グループが定量的にアプローチし、広告の効果などを加味し、効果測定を行なっていく・・・地道な作業で、科学的とはいえ真値が存在しないプロセスでは苦労も多い。

どうしても、「お手軽、簡単、利益創出の○○方法、○○方式」はとても魅力的に見えるが、所詮、自社で開発した方法や方式でなければ、財務的に魅力的ではない。


・・・借り物競争では勝てない時代になりました。。。


*上記のような不確実性に対するトピック満載なので、サーベイ的な感覚ではお薦めします。

<参考資料>


photo by Maco

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