『できてしまう』ことと『できたことの方向性』1/2

2009年9月28日

書籍 有意差あり!

t f B! P L
「『できない』よりも『どうすればできるか』が大切である。」

とは、ビジネスでの基本でポジティブシンキングで…、とよく言われる。例えば:

「君、空を飛べるか?」
「飛行機の予算とその訓練費用、期間をくださればできます。」[1]

「売上高を3倍にできるか?」
「販売員(販売地域など)を3倍に増員すればできます。」

屁理屈のようだが、実は、経営者やマネジャーは、『できる』条件を提示されたほうが、後々の仕事を進めやすいものである。

例えば、ある製品やサービスの開発において、開発責任者(もしくはリーダー)が単に、『できない』と答えると、マネジャーは「出来るまで待つ」しかオプションがない。

「この部分のコストは2倍になりますが、それを採用すればできます。」
「進捗は70%程度です。」
「問題は把握し、○○効果の抑制がネックです。」

などを言われれば、マネジャーはその課題の解決に動きやすいものである。

特に製品開発の分野では、課題解決の為に、研究、開発チームは一旦、思考をビジネスベースから開放する。構成部材のコストや生産コストなどは考えずに、その機能を満たすとびきりの“プロトタイプ”を製作する。

その機能が要求を満たすのであれば、とびきりのプロトタイプにおける機能向上の原因となった効果をビジネスベースでも採算の合うような技術に代替していく。

そうして、ビジネスの現場では、『できてしまう』のである。


それらは、どういった方向へ向かうのだろうか?(次回へつづく


<この記事のシリーズでの参考書籍>
[1] 神奈川新聞社編集委員室 (編集) ,『ベンチャー・ドキュメント外食革命 青年社長・渡辺美樹の挑戦』, 神奈川新聞社, 2000, pp164-165を参照した.
[2] エリック・フォン・ヒッペル, 『民主化するイノベーションの時代』,ファーストプレス, 2006, p14,p96.




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