社会人MBA-技術者編

June 22, 2011

「設計思想」(*ブログを再開します。)

3月11日に発生した東日本大地震において、被害にあわれた皆様には謹んでお見舞いを申し上げるとともに、亡くなった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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記事アップを再開するにあたり、本ブログで考察する最初の記事は原発での事故に際し“設計思想”にしたいと思う(原発自体のそれではありません)。

設計思想とは、製品・サービスにおける基本概念やコンセプト、また、ある製品においても、それを構成する各技術毎の考え方(ねらいなど)のことである。


原発にせよ、何にせよ、(設計されるものは)設計当時に、顧客へ提供する価値とともに、いくつもの安全の仕掛け、何かあったときのフェイルセーフ*などを設け、万全を期しているものである。

*なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全側に制御すること(フェイルセーフ;Wikipedia)。

その安全性は、製品やサービスなど、顧客に価値として提供する当該システムの機能を鑑みつつ、当該チーム、組織独特の設定を行うもので、設計者の思想といえば、おさまりはいい。

一般的に、技術者は市場へ展開する技術に際しては、当該組織内でレビューを行う。デザイン・レビューとも呼ばれるものである。その中で、設計思想は必ず公表するものである。

それは、製品の細部に至り、機能の発現ばかりでなく、寿命までの耐久性、また使用の際の安全性の設計などを実現する技術についてもそうである(多くは、各技術毎に纏められる)。

“思想”なので、明確な答えはない。反映されるとすれば、当該企業の文化であろう。


例えば―

(原発のような)何かの製品、システムがあり、(地震のような)アクシデントが起こり、電源の供給が遮断し、システムの停止を引き起こし、これによりシステムの制御が困難になり事故につながる、ということを仮定したとする。

仮に、電源の遮断から復旧までの過去のデータは―
7,5,5,8,10 時間であるとすれば、(平均、標準偏差)=(7.0、2.1)である。
ここで、何時間分の電源(=蓄電池や代替電源)を確保するだろうか。

・平均7時間なので7時間。
・過去最大の10時間。
・13.4時間(平均値7.0+標準偏差×3)
・19.7時間(平均値7.0+標準偏差×6)

これには、正解はなく、当該組織の考え方や当該システム自体の性質に左右される。

また―

この仮定によるアクシデントは、複数のアクシデントが同時に起こることを考慮していない。

アクシデントが重なるのであれば、復旧時間云々というより、代替電源の性質を原理の異なる別システムを準備しなくてはならない。

などなど―

デザイン・レビューを重ねていくうちに、製品・サービスにその組織の思想が反映されていくのである。それは“○○(企業名)らしい製品”などと市場では言われる。


“○○(企業名)らしい製品”である以上、当該組織のレベル以上のものは誕生しない。もしそうであれば、諸先輩の遺産である。


製品・サービスの特徴を決定付ける設計思想は、出来るだけ多くの構成員の各職務に繁栄させてこそ、組織外(=市場)へその価値を反映していくことができる。広い意味では、設計者の専有物ではない。

それが、当該企業の理念や文化を反映しているのであれば、操業における最大の敵は“怠惰”であろう。


設計であれ、現場であれ、毎日同じ手順を繰り返すという“退屈”、また、それに問題がないようであると必ず出現する“手抜きの誘惑”――

平凡なことを忠実に行い続けることは、才能ある人材がその才能を発揮するより困難なことである。


長期的には、『もし、この設計に関する設定、操業、もしくは意思決定に誤りがあれば、当該事業は危機的になるのではないか?』と自らの責任で考えてくれる、従業員、管理者を多く育てることである。


短期的には---すぐに確認すべきは、「ある製品・サービスの設計思想(基本概念・コンセプト)は、顧客に価値を提供することに結びついているか」ということである。


・・・設計解の品質は設計思想に依存しています。

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