伸びる企業、伸びない企業

2012年5月1日

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どういった企業が伸びて、どういった企業が自滅するのか。

近年の歴史に目を向けると―

生産量と比例して下落する価格―製造業は農業と同じ道をたどるのだろうか?([1]より趣意)

と、製造業のジレンマをどう克服していくかが主眼となっている。

「自滅」に目を向けると、その症状として、現実否認、傲慢、慢心、コアコンピタンス依存、競合近視眼、拡大脅迫観念、及びテリトリー欲求が述べられ、これらを予防していくことが処方箋となる([2])。


もう少し、具体的には―

よく言われることだが、成果の上がるチームのメンバーに対して―
《転職を考えているやつばかりだ。》
とされることが多いが、これは、メンバーが「」を意識している、目が内部へ向かうより(上司の評価や人の批判)、外部(業界やその周辺、顧客など)へ向いているからかもしれない。


外部に成果はあるが、内部にはコストしかない([3], p208より趣意)。


しかるに、CEOを含め、従業員でさえ、全体観を養うことが要請される。これが、伸びていく企業になる可能性が高い課題であろう。

全体を見るということは、「なされるべきことは何か」を考えることである。外を見、前提を疑わなければならない。外を見ることによって、「われわれの事業は何か」「何であるべきか」「何であってはならないか」という基本的な問いに答えることが出来る。これらの問いの答えが、自らの業容を定める。([3], 第7章 21世紀の経営における最大の問題より)

確かに、こういった雰囲気を作り出していくことは難しい。やはり、目のつくところは内部になってしまうことが多く、それで十分に業務を満たしたと勘違いしてしまうこともある。それこそ、企業にとっては、大きな課題である。



・・・従業員の関心は外部にありますか、それとも内部にありますか。




<参考書籍>
[1] P. F. ドラッカー著, 上田惇生訳, 『ネクスト・ソサエティ』, ダイヤモンド社, 2002, 第Ⅰ部4章 製造業のジレンマより。

[2] ジャグディシュ・N・シース,
自滅する企業 エクセレント・カンパニーを蝕む7つの習慣病』, 英治出版, 2008.

[3] エリザベス・ハース・イーダスハイム著, 上田惇生訳,
P.F.ドラッカー―理想企業を求めて 』, ダイヤモンド社, 2007.

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