燃料電池搭載車が走り出す②-破壊的イノベーションから考える

2013年12月1日

エコカー

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今回は、イノベーションから燃料電池搭載車を考える。

クリステンセンによれば、

  1. (ある技術や変化に対しての対応可能性として)既存企業が対応できないことを「破壊的」、有力な既存企業が対応し、成功する「持続的」、
  2. 技術的性質として、不連続な技術発展であることを「抜本的」、従来の技術力をもとに築かれたものであることを「漸進的」とに分類している (下表参照、参考より)。


自動車産業において、動力源がガソリンから電気に変わる様は、技術的には「抜本的」であり、既存企業においては、「破壊的」である。

従って、既存企業にとって、電気自動車は、例えば、電機メーカーがホイルインモーターなどを使用して自動車製造に参入することも可能であることは将来の脅威である。

恐らくは、このイノベーションの性質に従えば、従来の市場ではない市場(これから自動車を普及させようとする地域など)で細々と市場を開拓し、その市場が大きくなるにつれて、技術的なことが発展し、やがては・・・


結論的には、既存企業は、これまでの高品質化の延長上として、燃料電池搭載車を高級車に仕立て上げ、上記の脅威を潰していくことが妥当な方向性でもある。


・・・市場は?
「EV(電気自動車)は主流市場の外、FCEV(燃料電池搭載車)は主流市場の最上階」
なのかもしれません。


<本記事の参考>
イノベーションのジレンマ
イノベーションについて

<目 次>
本記事「燃料電池搭載車が走り出す」目次

<過去の記事>
発展する携帯型エネルギー、電池:電気製品化する自動車
モジュール化する自動車産業の今後 1/2
モジュール化する自動車産業の今後 2/2

(参考)
*第10章では電気自動車が取り上げられています。


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