「企業変革の際に使用されることが多い(参考書より)」が、伝統的な製造業でも同様によく用いられる。
大きな意味合いでは、プロセス(工程や業務プロセス)を例にすると、改善は、主に生産効率を高める(工程で言えば、歩留まりを高める)などに用いられ、改革は、プロセスを再設計する意味で使用される。
現場には、多くの情報があふれている。
生産効率低下の原因、種々の制約条件、製造方法の不具合
などなど・・・
実際に、把握できていないことも多い。
これらに対し、いちいちに小集団活動のように対処していくことは改善であり、これらから抽象化を行い、本質的な問題に迫り、解決策を実行していくことは改革と言える。
さて、実際の問題解決作業に入る際に、幾多の定性的、定量的なデータを手にした時、気をつけなくてはならないのは、回帰の誤謬である。
これは、「誤謬の一種であり、存在しない原因に帰してしまうこと」であり(Wikipedia 「回帰の誤謬」)、例えば、あるデータとデータの間に相関があった場合、それらの因子の間に因果関係を見出してしまうことなどが現場では代表的で、広い意味ではそう言えるかもしれない*。
* 主には「例外的な値が平均であるかのように連続することを期待し予測することである(代表性ヒューリスティック)」
* * * * *
ある時、毎日の品質データを眺めていた事業トップが、ある特定の日の(平均値から離れた特異な)データを指して:
『どうして、この日の製品のような高品質のモノが毎日作れないのか!!』
と大騒ぎする。
そう、これは代表的な例で、むしろ、平均値から離れているデータなので、「目指す」ものではなく、「直す」ことが対象であるのだが、たまたまその製品がデータ上、高め(もしくは低め)ほど“良い”とされていることがバイアスの引き金になってしまっているのである。
* * * * *
だから、進めなくてはならないのは、まず「安定」、工程で言えばバラツキを減らすことを優先し、平均値を高める、低めるという作業は、安定した後に行うことが望ましいのである。
・・・測定システムを確立することも大切ですが、分析者のスキルも同様に大切です。
<参考>
・細谷功, 『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
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