社会人MBA-技術者編

January 20, 2009

多角化戦略

米国ではいよいよ歴史的瞬間を迎えようとしている(記事執筆は就任式の数時間前です)。ご存知のように、金融危機のお膝元である米国は、デフォルトか戦争と言われるほど、厳しい状況であることには間違いなく、おそらく歴史的に意義ある大統領だとしても、この舵取りは困難である。

米議会予算局によれば、財政赤字は過去最大を更新し、GDP比で8%にも及び[1]、1兆ドル規模の赤字は数年続く見込みなのである[2]。

また、シティバンク次第では、国家予算規模では支えきれない額の負債が待っている。まだまだ予断は許される状態ではない。

さて、企業に目を向けると、企業は、このような不況(これほどまでの状況は特別ですが)に備えて、多角化の戦略*を選択することが多い。種々の動機はあるが、概ね、ある事業に利益を依存せず、好況時、不況時でも収益を安定させるためである。

分散の目的は安定であるから、リスクとは、キャッシュフローや収益の標準偏差(いわゆるバラツキ)を意味している(経済や経営、特に投資ではリスクとは標準偏差などバラツキの因子で表現する、決して”危険度”ではない)。

そのレベルは一般的に以下に分類される。

  • 限定多角化
  • 関連多角化
  • 非関連多角化
順に同一業界からの関連度が低くなっているものである。調査によれば、非関連多角化のパフォーマンスは関連多角化に比して低い調査結果となっている(下記参考書pp101-104)。

例えば、創業時には、各事業間の背後には、共通のコア・コンピタンスが存在していたが、時間が経過し、それぞれの事業における製品が進化し、いつの間にか関連度が低下している場合もある。これは、多角化に技術の軸を据えて考えると、この場合、シナジーを生みにくく、組織運営も困難な面もある。

が、キリンや富士フィルムが医薬分野に乗り出したように、企業は顧客を考えて(技術以外にも)多角化を勧めなくてはならないこともある。

・・・このようなとき、M&Aはよく行なわれる。何をどうすればいいという方程式はないが、それは、経営陣の考えを知ることのできる経営行為である。特に競合が海外企業であれば、今の円高下では、日本企業は千載一遇の大きなチャンスである。


<参考資料>
[1]「米はGDP比8%、議会予算局09年度予測、110兆円の財政赤字。」2009/01/08, 日本経済新聞朝刊, 1面。
[2]「米財政赤字、オバマ次期大統領、『数年間は1兆ドル規模』―監視組織を新設。」2009/01/07, 日本経済新聞夕刊, 1面。
*多角化戦略については以下を参照。
ジェイ・B・バーニー, 岡田 正大 訳,『企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続』ダイヤモンド社, 2005, 第12章多角化戦略を参考。

photo by Maco

Labels:


0 Comments:

Post a Comment

<< Home