2008年度の企業の見通しは、ほとんどの業種で減益であり、全産業では通年で32%の経常利益減(前年同期比)と予想されている[1]。
さて、日本は長い将来的には、超高齢化社会となり、世界でも稀に見る人口構成となってしまう。あと4,50年すれば、人口比率が最も高いのは現在の第二次ベビーブーマーの世代であり、彼らは80歳を超えているのである*。
*国立社会保険・人口問題研究所HP右の”人口ピラミッド”が参考になります。
この世代(第二次ベビーブーマー)は親の世代(=団塊の世代)を支える程度の人口を有しているが、その先はそうではない(すでに支えきれないとも言われますが、経済が人口動態と関わりが深いと仮定しての場合です)。
まだまだ先かもしれない・・・などと思ってしまうが、実質あと10~15年で第二次ベビーブーマーは50~55歳を超えていくのである。
リスクを背負うことには消極的になる。
さらに、今後は世間でも言われるように経済状態は非常に暗い。とはいえ、このような中で、各国の通貨に目を向けると、ご存知のように円がひとり高い。
自国の通貨が高くなったのはほぼ日本だけといっても過言ではない(輸出企業がとりあげられ、まるで円高は悪者のようにいわれますが、そのようなことはありません)。
このような経済の中、唯一「円」が信認を得たと言ってよいのかもしれない(逃げ場が円だけだったのかもしれませんが)。
考えようによっては、今回の100年に一度と言われる金融危機は、日本が影響力を高められる機会でもある。企業にせよ、政治にせよ、この5~10年は本当に将来を決定づける期間である。
円だけが高いので(に加えて、世界的には先進国、新興国に関係なく深刻なダメージを受けているので)、すでに企業では外国企業のM&Aが盛んであるが、この際に長年苦労してきた資源(資源を扱う企業)を購入してもいい(どのような形で買うかは仕組みが必要であるが**)。
**例えば、石油、天然ガスなど資源・食料に関する各国との投資協定の交渉など。投資協定―外国企業による投資の保護や自由化のルールを定める協定のこと[2]。
・・・日本にとって、最も暗いのは、このまま何もしないことかもしれません。。。企業にとって暗いことは、従来と変わらぬ「以前より少し良くする」踊りを踊り続けることかもしれませんね。。。
<参考資料>
[1] 「上場企業の業績悪化、固定費膨張で不況抵抗力弱る、海外拠点拡大など負担」, 2008.12.27, 日本経済新聞朝刊, 9面.
[2] 「投資協定、交渉を加速―政府、資源・食料確保狙う、アフリカなど十数ヵ国を検討」, 2009.1.1, 日本経済新聞朝刊, 3面.
photo by Maco
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