社会人MBA-技術者編

January 27, 2009

たいした内容ではありません。。。

MBAとはいっても学術なので、例えば成長している企業に着目し、それらの企業がどのような特性を持っているのかを調査し、特徴をまとめるとする。そして、「○○は成長の源泉」と帰納的なアプローチをまとめ・・・的なものである。

社長の予備校でも、幹部候補生の研修所でもない。

ただ、論理的な面が求められるのは、社長や幹部候補生と同じである。

競合企業が新製品を発売・・・こちらも新製品で対抗する。値引きなら値引き、広告宣伝なら広告宣伝・・・
言うまでもなく、これは「業界の収益を落とす無意味な行為で、ヘッド・オン・ファイトと呼ばれる」ものである[1]。

例えば、こういった資源の消耗戦は、ホンダ vs ヤマハの例などで知ることができ、事業戦略を整える訓練をする。

上の例は、最近では、競合企業というよりは、それらの企業に影響を及ぼす大きな外的勢力の影響が強く、やむを得ず・・・かもしれない(例えば、電機メーカーに対する大手量販店など)。

結局は、当該企業はどうあるのかのビジョンや理念が大切で、要は「うちはこうあるべき」である。トヨタはGMを救える数少ない企業であるが、救済後、支配していくのかどうかにMBA的な答えはない。その時の経営者が短期的な利益か長期的な利益かのどちらを優先するのかの決定次第である。

とは言うものの、下に示す様に、昨今の市場ではそうは言っていられないほど、市場は冷めている。

バブル後の株価、ドル円推移(週足)
ビッグ3やシティが予断を許さないので、不安定な時期ではあるが、日本が味わったバブル後では、リーマンの破綻を加味すると、現在地は97~99年ぐらい?まで一気に進んでいるようである。

・・・ここ2,3年が勝負時でしょうか。。。


<参考資料>
[1] 大前研一,「最高の経営教科書『孫子』を私はこう読む 第二回」 DIAMONDハーバードビジネスレビュー Management & History vol.2, 2009.2, pp2-8.


photo by Maco


January 20, 2009

多角化戦略

米国ではいよいよ歴史的瞬間を迎えようとしている(記事執筆は就任式の数時間前です)。ご存知のように、金融危機のお膝元である米国は、デフォルトか戦争と言われるほど、厳しい状況であることには間違いなく、おそらく歴史的に意義ある大統領だとしても、この舵取りは困難である。

米議会予算局によれば、財政赤字は過去最大を更新し、GDP比で8%にも及び[1]、1兆ドル規模の赤字は数年続く見込みなのである[2]。

また、シティバンク次第では、国家予算規模では支えきれない額の負債が待っている。まだまだ予断は許される状態ではない。

さて、企業に目を向けると、企業は、このような不況(これほどまでの状況は特別ですが)に備えて、多角化の戦略*を選択することが多い。種々の動機はあるが、概ね、ある事業に利益を依存せず、好況時、不況時でも収益を安定させるためである。

分散の目的は安定であるから、リスクとは、キャッシュフローや収益の標準偏差(いわゆるバラツキ)を意味している(経済や経営、特に投資ではリスクとは標準偏差などバラツキの因子で表現する、決して”危険度”ではない)。

そのレベルは一般的に以下に分類される。

  • 限定多角化
  • 関連多角化
  • 非関連多角化
順に同一業界からの関連度が低くなっているものである。調査によれば、非関連多角化のパフォーマンスは関連多角化に比して低い調査結果となっている(下記参考書pp101-104)。

例えば、創業時には、各事業間の背後には、共通のコア・コンピタンスが存在していたが、時間が経過し、それぞれの事業における製品が進化し、いつの間にか関連度が低下している場合もある。これは、多角化に技術の軸を据えて考えると、この場合、シナジーを生みにくく、組織運営も困難な面もある。

が、キリンや富士フィルムが医薬分野に乗り出したように、企業は顧客を考えて(技術以外にも)多角化を勧めなくてはならないこともある。

・・・このようなとき、M&Aはよく行なわれる。何をどうすればいいという方程式はないが、それは、経営陣の考えを知ることのできる経営行為である。特に競合が海外企業であれば、今の円高下では、日本企業は千載一遇の大きなチャンスである。


<参考資料>
[1]「米はGDP比8%、議会予算局09年度予測、110兆円の財政赤字。」2009/01/08, 日本経済新聞朝刊, 1面。
[2]「米財政赤字、オバマ次期大統領、『数年間は1兆ドル規模』―監視組織を新設。」2009/01/07, 日本経済新聞夕刊, 1面。
*多角化戦略については以下を参照。
ジェイ・B・バーニー, 岡田 正大 訳,『企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続』ダイヤモンド社, 2005, 第12章多角化戦略を参考。

photo by Maco

Labels:


January 13, 2009

ちょっとしたランキング。

今日は本ブログに関するランキングです。

++++++++++++++++

最初は、昨年の7~12月の下半期に本ブログで紹介した書籍で読者の皆様がチェックしたチェックランキング(amazonへのクリック数)です。

第一位:『FMEA・FTA実施法―信頼性・安全性解析と評価

第二位:『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

*本ブログ運営者が「イノベーションのジレンマ」について述べたサイト:
http://tech.d.mba.googlepages.com/innovator'sdilemma

第三位:『クラウドソーシング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法



+++++++++++++++++++

次は、本サイト運営者のHP、MOT用語集にて検索ランキングです。

第一位:工程能力分析
第二位:特性要因図
第三位:FMEA

第四位は狩野モデルであることから、品質管理に関する用語が多く検索されています。


ちなみに、本ブログでは、データマイニングに関する記事が最も多く読まれています。

・・・いずれにせよ、今後ともよろしくお願いいたします。


photo by Maco


January 4, 2009

静かに2009年が始まった・・・

2008年度の企業の見通しは、ほとんどの業種で減益であり、全産業では通年で32%の経常利益減(前年同期比)と予想されている[1]。

さて、日本は長い将来的には、超高齢化社会となり、世界でも稀に見る人口構成となってしまう。あと4,50年すれば、人口比率が最も高いのは現在の第二次ベビーブーマーの世代であり、彼らは80歳を超えているのである*。

*国立社会保険・人口問題研究所HP右の”人口ピラミッド”が参考になります。

この世代(第二次ベビーブーマー)は親の世代(=団塊の世代)を支える程度の人口を有しているが、その先はそうではない(すでに支えきれないとも言われますが、経済が人口動態と関わりが深いと仮定しての場合です)。

まだまだ先かもしれない・・・などと思ってしまうが、実質あと10~15年で第二次ベビーブーマーは50~55歳を超えていくのである。

リスクを背負うことには消極的になる。

さらに、今後は世間でも言われるように経済状態は非常に暗い。とはいえ、このような中で、各国の通貨に目を向けると、ご存知のように円がひとり高い。

自国の通貨が高くなったのはほぼ日本だけといっても過言ではない(輸出企業がとりあげられ、まるで円高は悪者のようにいわれますが、そのようなことはありません)。

このような経済の中、唯一「円」が信認を得たと言ってよいのかもしれない(逃げ場が円だけだったのかもしれませんが)。

考えようによっては、今回の100年に一度と言われる金融危機は、日本が影響力を高められる機会でもある。企業にせよ、政治にせよ、この5~10年は本当に将来を決定づける期間である。

円だけが高いので(に加えて、世界的には先進国、新興国に関係なく深刻なダメージを受けているので)、すでに企業では外国企業のM&Aが盛んであるが、この際に長年苦労してきた資源(資源を扱う企業)を購入してもいい(どのような形で買うかは仕組みが必要であるが**)。

**例えば、石油、天然ガスなど資源・食料に関する各国との投資協定の交渉など。投資協定―外国企業による投資の保護や自由化のルールを定める協定のこと[2]。

・・・日本にとって、最も暗いのは、このまま何もしないことかもしれません。。。企業にとって暗いことは、従来と変わらぬ「以前より少し良くする」踊りを踊り続けることかもしれませんね。。。

<参考資料>
[1] 「上場企業の業績悪化、固定費膨張で不況抵抗力弱る、海外拠点拡大など負担」, 2008.12.27, 日本経済新聞朝刊, 9面.
[2] 「投資協定、交渉を加速―政府、資源・食料確保狙う、アフリカなど十数ヵ国を検討」, 2009.1.1, 日本経済新聞朝刊, 3面.

photo by Maco