そもそも内部統制とは:
「内部統制(ないぶとうせい 英:internal control)とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステム」を指し、業務を遂行する上で、不正の防止や違法行為の抑制など以下の目的を有している(Wikipedia)。
- 業務の有効性・効率性
- 財務報告の信頼性
- 法令遵守
- 資産の保全
結論から言えば、管理が増えれば、経営効率は落ちる。上がる理屈がない。特に、米国の内容をそのまま踏襲している面が強く、(これは米国だからという訳ではないが)労働風土が異なるなか生まれた管理をそのまま導入することには無理があり、必ず自社化のプロセスが必要である。
これは、ひと昔前QCやTQC、ひいてはシックスシグマなどで散々議論したにも関わらず、そのまま適用して、組織に無駄にコンフリクトを起こし、当該部署を肥大化させ、経営資源を食いつぶしてしまいそうなケースが多い。
「○○をしてはならない」の羅列に見られる過度の管理は、創造性を奪う。かといって、過保護にすれば、出口のない業務を延々と続けてしまう。このバランスは各企業独自であろう。
要は、フェイルセーフで、起きないことの確率を高めるより、起きた時にどうするかの対策を立てる―どうやってその現象の発生確率を測定するか、検知はどうするか―
「誰が悪い」より「何が悪い」の議論で進めることである。犯人捜しに意味はない(よほどの悪意のある場合は別ですが)。
とは言っても、これは実施しなくてはならないので、特に上場企業は何が何でも自社化することに注力している。やはり、実際に適用してみて、コツコツとカイゼンしてく姿はさすがである。
無形資産の保全と言えば、“情報”の管理である。技術情報などは、外に出るとその価値は陳腐化するからである。特に、企業の業績概況の情報などは、良かろうが悪かろうが、決まった発表の場以外ではリリースしてはならない(誤解を生んでしまう)。
概況は内部では、第一に経営陣(経営会議があるから当たり前か)、そこから部長クラスなどを経て、末端まで、部や課の連絡会を通じて従業員に伝えられる。
金融危機下では、少しの風評でもそれがネガティブであれば、【あぁ次はあそこが危ない】など全く根拠がなくとも、ウルフパック(群狼)―不意打ちで襲い掛かる狼の群れ―がごとく、投資家から株を売りに売られ、株価がタッチダウンする。
情報の統制は非常に大切である。
「えぇ、おはようございます。いつもご苦労様です。先月の業績の集計が終わりましたところでございまして、非常に状況は悪化しています。予算に対し○○%、この四半期の見通しは○○億円の赤字・・・企業全体といたしましても△△億円の赤字の見通し・・・皆様と一致団結して・・・つきましはこの後、課長以上の方は・・・」
と普通の朝の挨拶を、工場の表通りで(屋外で)、数百人が集まる中(拡声器の音量は最大!)、事業部トップ、ないしは企業トップが定期的にしていたら・・・
・・・あ、それはリスクに入っていませんでしたか。。。
○NHK「クローズアップ現代」
→http://www.nhk.or.jp/gendai/
photo by Maco