イノベーションは、「技術革新」というよりは、本来は「何かを新しくする」といった意味であることは幾度か述べたことがある(下の参考書籍ではp49参照)。
従って、“変化”に着目されることが多い。
製品でも、サービスでも何かの“開発”に携わった方であれば、一度は聞いたことのある、いや聞かされた、また言われたことのある無責任発言は:
「変化に意味があるから、変えないよりは変えたほうがいい。」
である。これを何もかもに当てはめるので話がややこしい。何もかもに変化が必要かというと…
例えば:
●変えないことに意味がある(変える事に意味のない)場合もある。
●変えてはいけないことがある。
●「新製品、新サービスを実施せず、待機する」ということも立派なオプションである。
●種々の結果(実験や実地試験など)、変えなくて良い結果を受け入れられない。
変化しないことに有意性があれば、それはそれで(以前の状態に比べれば)“変化”なのだが、新製品(新サービス)症候群にかかった患者は、「変化」自体に価値を見出すので、幹部であればあるほど危険である。
何かしら、新しくなれば…例えば、それが製品やサービスといった場合、売上や利益の増減をそれで説明できる。ということは、少なくともトップは各担当部署の責任者の誰かを怒鳴れば済むことなのである。
逆に、何も変化しない年、または期である場合、外部環境程度しか理由が挙げられず、よりマネジメント手腕が問われてしまう。
そんなことを繰り返しているうちに、当該企業はシュリンクしていくのがいつものパターンである。
・・・当たり前の話ですが、変えなくてはならない急所から変えていくことが大切なのです。
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