利益ある成長の機会はどこにあるのか?
典型的には、顧客にとって重要な問題の解決策である「片づけるべき用事(the job-to-be-done)」おいて、「十分でない」周辺である。
(『イノベーションへの解 利益ある成長に向けて
例えば、ある顧客が「業務の電子化」を望んでいたとき、パーソナルコンピュータはその要望に応えることができるため、これを組み立てる業者は、まさに「十分でない」地点にあり、利益を享受する。
時が経てば、顧客の多くは、「業務の電子化」に関しては「十分」になり、処理能力の高低に目がいきはじめる。「十分でないこと」が「処理速度」に移っていく。
その「十分でない」ことで利益を享受したのは、過去の例からは、インテルやマイクロソフトであろう。
結論的には―
「魅力的な利益は、「顧客」が十分以上に満足している活動からは離れていく」([1]p210)のである。
次元は異なるが、組立業者では、“後工程はお客様”なる標語は必ず聞くものである。カンバン方式などのプル型においては、「生産結果は後工程が造らないかぎり、前工程は造れない」ため、そのように表現する(Lean-Mnufacturing-Japan参照)。
プッシュ型組立業者の工場においても、自工程で、次工程の満足する製品(仕掛品)を提供することを目的に、似たような標語を見ることができる。
話を戻すと―
次工程(=顧客)が「十分に」満足しているのであれば、おそらくは、当該工程には、魅力的(金銭的に)なカイゼンはない。
逆に、ある工程が不満足状態であれば(十分でない状態)、その周辺部に魅力的なカイゼン点がある(工場内では、歩留まり、不良率など生産性の向上に関するメトリックに収斂するだろうが)。
いや、組立自体はスムーズである、というのであれば、組立が十分である頃には、製品自体はコモディティ化が進み、顧客が支払う追加性能への追加価格はほとんどないだろう。
(製品化のスピード、利便性に軸足が動いていることもある。)
ならば、組立周辺部はどうか?
・研究・開発?
・販売、小売?
「十分でない」箇所はどこか、管理者のアンテナは常にここになければならない。
・・・製品の陳腐化は速まれば、利益を創出する機会、場所の移動スピードも速くなる。それでも利益を創出し続けなければならない企業のマネジャーの役割は、仕組みの構想、設計です。
<参考文献>
[1] 『イノベーションへの解 利益ある成長に向けて
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