メーカーは、製品の故障発生データから、様々な情報を分析している。その際にワイブル分布(wikipedia)はよく用いられ、パラメーターの値から故障の型を解釈することが多い。
その故障の型とは―
①初期故障
②偶発故障
③磨耗故障
であり、①「設計上、製造上の欠陥による故障が大多数*」、②偶発的な原因による、③「摩耗、疲労などにより寿命がつきる**」ことによる、と分類される。
製品の故障までの時間や、設計、開発段階でのデータなどがあれば、現在では、ソフトウェアが充実しているため、簡単にパラメーターを推測することができる。
解析により、③磨耗故障がわかれば、それはほぼその製品(部品)の寿命なので、この解析を工程に活かしている企業は、この故障時間が訪れる前に構成部品などを交換する。
伝統的製造業では、当たり前のような作業なのだが、系統的に説明されると、「なるほどぉ」と感心してしまう。
反面、故障する前の構成部品などの交換に関して、品質管理の概念が織り込まれていなければ、オペレータの資質と管理者のレベルを疑う。
組立業者が陥る矛盾に、「構成部品高品質化イコール製品の高品質化」がある。
多くの構成部品からなる製品において、各構成部品の品質保証も様々である。それらを統括していれば問題ないのだが、よくあるのは、部品によって担当部署が異なったり、担当者が異なってくると、細分化された高品質化は、担当員それぞれがその担当品の高品質化(例えば部品の耐久性の向上)を行いはじめる。
製品の高品質化といっても、全構成部材を変更することはほとんどないので、現行のままの部品も存在する。
仮に、各部品に機能保障期間が設定されていて、変更しない現行部品のそれが3.0±0.2年だとする。この場合、他の部品の耐久性がいくら高くなろうとも、製品としての耐久性は向上していないことになる(機能面は別にして)。
さらに、外側の悲劇としては、各担当が安全係数を取りすぎてしまう場合、それらを組み合わせると、今まで検討したことのない領域(外側の領域)で製品が機能するため、意外に、どのような作用をするか把握できないものである。
工場に目を向ければ、工場の生産能力というものは、構成される全工程の能力の平均値でも最大値でもない。最低値が基準となる。
1分間に100単位生産できる工程A、Bの能力をいくら高くしても最後の工程Cの能力が80であれば、全体の能力は80である。(A→B→C)
もちろん、故障は発生しない方がいいが、発生してしまうものでもある。発生してもいいような設計(フェールセーフ(wikipedia))、故障発生の際、プロセスの節目で柔軟な対応が出来る仕組み、などが機能しているかは非常に大切なことである。
・・・故障をマネジメントしている組織は、製品を管理化においています。
<注>* [1]、** [2]を参照及び引用。
<参考書籍、サイト>
[1] 栗原 謙三, 『情報システム化時代の信頼性工学テキスト
[2] パナソニックホームページ, 「制御機器 信頼性について―故障」を参照。
0 件のコメント:
コメントを投稿