「AI-企業分析」を起動するー自動車メーカーの企業分析

2024年11月16日

03 解析技術の視点 AI備忘録

t f B! P L

企業分析―少し大げさな表現かも知れませんが、以前の企業分析は、財務情報や5F分析、PEST分析などを駆使し、関係者へのヒアリングも行う複雑なプロセスでした。しかし、生成AIの登場により大きく変わりました。


例えば、ChatGPTなどのAIツールは、膨大なデータを瞬時に分析し、専門知識がなくても業界や企業の洞察を得ることを可能にします。これにより、自身が属さない業界の企業分析も簡単に行えるようになり、個人でも高度な分析が可能となっています。


本記事では、こうしたAIを活用した企業分析として雨と東京と株式会社の「AI-企業分析」を利用して自動車メーカーをいくつか分析してみました。


目次

1. AI-企業分析で自動車メーカーを分析してみた

2. AI-企業分析の使用シーン

3. まとめ


1. AI-企業分析で自動車メーカーを分析してみた

分析開始画面

同社は、AI-SEOというライティングツールもローンチしています(関連記事:記事では5,000万文字執筆となっていますが、最近のYouTubeでは1億文字突破した動画がアップされています。)。筆者はこちらは利用していませんが、お試しで1回記事が生成できますので、そちらで試したことがあります。その際に生成された記事を加筆・修正し「シックスシグマの現場から」としてアップしました。


さて、上記の画面は「AI-企業分析」のスタート画面です。早速、マツダについて分析を実施しました。
*はじめは日産自動車を分析したのですが、分析が進まなかったためマツダを選択しています。-> 検索窓からの入力ではなく「決算短信を分析」をクリックし日産自動車が発行する決算短信を添付し分析することで無事分析できました。


分析が終了した様子*レポートが発行される

レポートが発行されている画面の様子、画面左にはサマリーや財務的な分析等のスライドが用意されている。

レポートの内容は、決算短信をベースとして、財務的、地域別など種々の観点からまとめられています。レポートには「AIからの分析コメント」があり、例えば、事業分析として以下のコメントが確認されました。

独自技術である「スカイアクティブテクノロジー」を進化させ、電動化やコネクテッドカーの開発を進めていく必要がある。

さらに、現状の課題に対しては、以下にコメントされていました。

原材料費や物流費の高騰、販売奨励金の増加など、コスト増加が大きな課題となっています。

最近、ネガティブなニュースが流れた日産自動車を同様に分析したところ、「全体的に厳しい状況」とのコメントがサマリーで見受けられました。

上記に示した分析結果は、決算短信ということもあり、表層的な文面かと思われますが、トヨタ、ホンダ、日産、およびマツダのそれぞれの分析での課題を並べ、生成AIにて、これらを踏まえたうえで自社の経営戦略はどのようなものか、会話を進めていくことは非常に有益かと思います。

Q. 自動車業界全体で発生している課題を簡単にまとめてください。
Q. 〇〇分野のサプライヤーの経営課題は?
Q. 注力すべき技術は?

また、この業界内の企業では、マークラインズ、フォーインと契約しているケースも多いため、詳細情報はここで確認していくことができます。

ここまで来ると、一般的な回答が並んでも、業界内の方は行間を読んで方向性を考察できますね。そこに自社独自の一次情報を加えていけば、より説得力のあるものになり、声が大きいだけの方の意見が通ることを防ぐことができます。

2. AI-企業分析の使用シーン

使用シーンを想定する前に認識すべきことは、このツールの「価格」です。特筆すべきことに、このツールの使用料金は年契約、月契約ともに月額2,000円未満の価格ということです。契約するとすぐに使用可能です。

使用シーンを想定します。使用者の属性は、このような分析を本業とする方/そうでない方、また、企業規模は中小/大企業に分類できるかと考えられます。価格とツールの特性を考えると、本業の方にとっては、(最近の生成AIも含めて)分析を本業としない方の利用は破壊的な様相を示しています。

また、所属企業に関わらず、何かしら新たなことをトライするには、善意のボランティアの協力が欠かせません。トライする製品の機能を確認するために、彼らのポケットマネーの範囲で済む価格、また、経費でも日用品を購入する程度の価格でトライできることは非常に大切です。

時に、何らかのツールが有効なことは十分わかるものの、高額のためにトライできない点は、善意のボランティアの方が実際にモノに触れられないため、稟議する際の理由の説得力に欠けてしまいます。

最後に使用する時期ですが、分析作業を本業としていない限り、使用は非定常になると推定しています。
・予算立案の前
・新サービス/新製品の適用に関する事前調査の一環
・マーケティング活動の一環

筆者は技術の動向を調査する際に特許分析をするのですが、やはり、年間のある2カ月間だけ特許分析ツールを使用できる企業と契約し分析を実施しています。やはり、使用を継続するとすれば特許分析と同じようになると思います(あくまで筆者の場合です)。

3. まとめ

「AI-企業分析」を活用して、自動車メーカーの企業分析を実施しました。本ツールを用いて、マツダや日産自動車の財務状況や事業課題を分析し、電動化対応やコスト増加といった自動車業界全体の共通課題を浮き彫りにしました。さらに、このツールの利用料金や活用シーンについても検討を行い、中小企業や個人でも簡単に高度な企業分析を実現できる利便性が確認されました。

「AI-企業分析」を他の分析ツールや所属企業独自の一次情報と組み合わせることで、不確実性の高い市場環境でも、効果的な経営戦略や成長施策を見つけるための強力なサポートとなることが期待されます。

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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