マーケティング⑧(時間管理のマトリクス)

2008年6月15日

MBA マーケティング

t f B! P L
企業は製品やサービス、もしくはスタッフやチャネルを通じて差別化を実現する。おそらく、その差別化は他企業がしばらくは模倣のできないものである。そうしているうちに当該企業は”忙しく”なっていく。その忙しさは「重要」で「緊急」な案件ばかりなので、いつのまにか差別化要因である”ナレッジ”が陳腐化していることに気付きにくい…。

スティーブン・R・コヴィーは『7つの習慣―成功には原則があった!』で幾つかの課題に直面している時、企業が取り組む基本姿勢として、「重要さ」「緊急さ」による時間管理のマトリクスを示している。一部上場の企業では係長クラスが研修で学ぶ内容である。



実は、多くの企業が差別化を成し遂げた時、その企業の規模に関わらず、上図で「1」の領域の案件(重要で緊急)ばかり優先させてしまう嫌いがあり、その後の成長を鈍化させている場合が多い。ニッチ型企業の急成長後によく発現する現象である。

第1象限に集中してしまうため、問題対応に追われ、ストレスがたまり、燃え尽きる…。

忙しいはずなのに、いつの間にか差別化のナレッジが陳腐化してしまっている。このマトリクスでは、「2」の「重要だが、緊急でない」案件をできるだけ取り組むことを示唆している。

「2」の領域は企業の人材育成の側面が強い。そのようなことはないと考えているかもしれないが、次のことに心当たりはないだろうか?

第3象限への集中:構成員が意味がないと思う業務への集中してしまうことは、目標、計画に意味を感じなくなり、周りに振り回され、人間関係は決裂が多く、視野は短期的…。
加えて第3,4象限への集中:責任領域の矮小化、他人、組織へ依存しきり…。


これは、どのような企業でも起こる可能性がある。

・・・ナレッジとはいえ、その発生源は当該企業の構成員です。構成員の創造性が削がれれば同じことです。


<参考書籍>

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