対応すべきはEUである。協調すべきは中国、韓国、台湾である。

2008年8月16日

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20XX年のGDPランキングが発表される。
  • 1位:EU
  • 2位:中国
  • 3位:米国
  • 4位:日本 or インド

どの地域にも抱えるリスクはあるが、それを差し引いて考えると、将来的な展望は、こうなるであろう。

サブプライムをトリガーとした金融収縮は根深く、日本のバブル崩壊と重ね合わせると、長銀破綻の手前といったところではないだろうか。今後、中堅企業にジワジワと影響が出始め、米国は深刻な経済状況となる。

米国へ最も輸出する中国、米国の産業を裏(米国からみて地球の裏側という意味で)から支えるインドは、しばらく、連動し、その余波は日本へもやってくる。幸い、日本はサブプライムの影響は(世界に比べて)小さく、原動力である、素材や機械分野は寡占状態であるため、ショックは少ない。

ここへきて、戦後、米国一辺倒であった日本は、その視野を世界へ向けなければならない。「規律ある通貨」としてのユーロ、EUは強大である。

すでに、多くの企業が、中東欧へ拠点を設置しているが、これからは、その次のステップである。

それは、これまで築いてきた国別の組織から、欧州統括拠点を設置し、製造、販売機能の分離や管理機能を集約していかなければならない。EUはドイツでもフランスでもなくEUなのである。そのような意識のジェネレーションが十分すぎる人口で台頭してきている。おそらくは、マーケティング戦略の変更も必要である。

近い将来、日本はGDPで第4位か5位の国、しかも労働人口は減少、など影響力は微力である。多くの政治機会で、そのほとんどが市場にポジティブに捉えられることのない日本では(官製不況などという言葉もあるように)、企業の役割は大きい。

そういった意味では、EU、米国、中国、インドと大きな枠組みに収斂しつつある世界で、日本の企業は独特の閉鎖性を解消することが課題である。大手企業のグローバリズムが進むとは言え、企業内が多国籍の人で溢れているという企業は少ない。

米国が恐れること:それは、日本や韓国がiPodのような製品を創造するコンセプチュアルな能力の獲得であり、EUが恐れること:それは、100年の戦争、東西のイディオロギーを越えた経済圏を形成してきた経験から、東アジアの意図的な経済圏の形成、である。

確かに、現在の日本企業は、経営の合理性からアジア各国に生産拠点を求めるなどはしているが、今後5年、10年を考えれば、中国、台湾、韓国との協調は欠かせない。

残念ながら、日本は決定的な弱点を持っている。それは:

Lack of Management capability

である。未だに、今後のビジョンを描けず、迷走する企業は多い。ならば、他国にマネジメントしてもらえばいい。何せ、現在まで生き残った企業は、プラザ合意、バブル崩壊、超円高、アジア通貨危機、株価8,000円割れを経験しても生き残った企業群である。本社の機能がしっかりしていれば問題ない。

made in Asia が made in Japanに裏打ちされればよいのである。

・・・今、世界は地殻変動のように静かではあるが、大きく変わろうとしている。

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