(何か変わってきたな、いや前とは違うかもしれない・・・)
そのうすうす感じているあなたの予感は的中している。
最近の潮流は変わり始めている。それに伴い、企業経営も影響を受けている。
そこに着目し、新たな潮流に関して述べたものが本書である(下の参考書籍)。
株式・・・「いやぁ、投資は経験がないなぁ」と思われるかも知れないし、実際に、特定企業の株式を所有していないかもしれない。
しかしながら、年金・・・日本に限らず、世界中の年金やその他の資金は、基金、ファンドを通じて投資に運用され、利益を創出することが潮流となっている。そのように薄く広く株式が広まれば、前時代的な支配者的株主とともに、市民株主が登場する。
希薄になった株主には企業は説明責任を意図的に避ける傾向がある。
それは以下のように波及しているかもしれない。
「波乱のない安定経営を損なうことを恐れるあまり、ライバル企業の台頭をよそに起業家的発想を抑制しかねない。会社は避けられたはずの陳腐化への道に追い込み、その過程で雇用も企業価値も評判もズタズタになるかもしれない。要するに、責任者不在の状態に陥る恐れがある。資本主義ではこうなったら一巻の終わりだ。」(p30-31)聞こえのいい『安定経営』は企業価値を著しく下げることになるのである。
さて、企業の動きを知るには、お金の動きを知ることが最善の測定法であるが、経営環境が変化している現在において、伝統的な会計基準で、次のことを予測できるだろうか?(以下のセンテンスはpp222-227)
- そのビジネスモデル自体の基本的持続性
- 特許、商標、労働者のナレッジなどの無形資産価値
冒頭に述べた希薄な株主(=市民株主)が増加すれば、企業に求めることは:
「持続可能な長期的成長を重視するようになる(p229)」になっていく。
このようなときに、着目すべき価値とは:
「(価値創出活動の概念に含まれるものは)イノベーション、ブランド価値(最近の宣伝・販売促進・マーケティング費用)、顧客価値(新規顧客向け売上高など)、人的資本価値、サプライチェーン、環境的、社会的価値(p253)」であり、「会社は創出する利益でなく、価値の最大化を図るべし(pp87-88趣意)」なのである。
結局、過去の方法を踏襲していくことは、今後:
「生産の目的は利益の最大化である前提から最も適正な利益の上げ方といった重要な問いは無視(p59)」され、(利益などの)結果より、そのプロセスを如何に株主に、顧客に、従業員に伝えるかなのである。
・・・市民経済の台頭により、旧来の秩序を覆す、パラダイムシフトが起こりつつある。本書はその全体像にアプローチするのもである(by amazon 本書の内容紹介より趣意)。
<参考書籍>
*文中のページ表記は以下の書籍によるものです。
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