社会人MBA-技術者編

July 31, 2008

マーケティング⑬(後継者は誰だ)

テン・アローズ(HPはこちら) いや、”シャルレ”と言ったほうがわかりやすい。以前ヤクルトのチャネルについて掲載したが、下着販売のシャルレも在宅の婦人販売員により、成長してきた。通販やネット、携帯の登場により、その成長は鈍化したが・・・とは、チャネルの変遷に対応できなかった云々の論である。ここでは、少し論点を変えてみたい。

シャルレといえば、オリンピックのメダリストである三屋裕子氏が社長に就任したことが記憶に新しい(私は女子バレーファンなので、この時点で、記事に客観性を失うかもしれないが・・・)。

彼女は、社長就任後、販売員をよく把握することに努め、当初、新たなチャネルが必要であると考えていたが、その強力さを認め、この人的ネットワークを変える必要がないと判断した。実際に、下降していた業績(利益面において)の底打ちを感じさせる結果となっていたが、皆さんのご存知の、あの会見となってしまうのである(司会進行の社員の感謝の言葉に涙する会見で有名)。

創業家との間に何があったかは知る由はないが、企業は後継者を選択するのには、苦労する。時に失敗してしまう。現在のところ、テン・アローズは世襲である。やはり、彼女は、新たな販路を構築することが求められていた…。そこに、現社長とのマーケティング戦略の方針の相違が発生した。

とはいえ、通常の成功ケースは、このように危機を脱し、その文化(これまでの販路)を尊重しながら、新たな文化(新たな販路)を取り入れていく協調が見られるが、(性急な改革はマネージが難しい)本ケースでは今後どうなるのであろうか。

あの会見が昨年の6月なので、そこから経営陣が入れ替わるとしたら、「サブプライム」、「消費低迷」は何度もいうが、来年度(21年3月)の決算における言い訳にはならない。これは社員がしっかり見ていくことであろう。

社長とは厳しいものである…。


さて、もうひとつ。

セブン&アイHD(Wikipedia)のCEO鈴木敏文氏(Wikipedia)である。

コンビニ事業で利益を計上するこの企業は、その戦略が…と彼の功績は述べるまでもない素晴らしいものである。その彼が、日経MJ(流通新聞)(2008/02/25,3ページ:日経テレコンによる)で語ったところによると:


「体力面でも、業績面からみても退任は考えていません」
「このままの業績では引き継げません。もっと良くして道筋をつけないといけません」
(企業統治に関して)「なるべく分担することです。方針を決めて各部門が分担して処理する。持ち株会社にしたのもそのため。人より組織というイメージですね」

だそうである。彼のようなカリスマ経営者の後は、数年、彼が後ろで指導しながら、いくつかの間違いを体験させてあげることが必要である。その彼も1932年生まれ、70代の半ばである。今必要なのは、その道筋を一緒に行なってあげることである。少なくとも、現役の仕事を期待されているわけではない。

彼が企業を去った後の成長を期待されているのである。特に、今後、大きな案件がないのであれば、単なる居座りと捉えられてしまう。そろそろ、引退について考えたほうがいいのかの知れない。

・・・どのような組織であれ、それが大学のサークルであっても、後継者選びは困難を極めるものである。

-マーケティング 了-

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July 28, 2008

パウシュ教授死去

「パウシュ教授は余命が3カ月─半年と知った昨年9月、米カーネギー・メロン大学で「子どもの頃の夢を真に実現すること」と題して最後の講義を行った」 (CNN.co.jp)。

その模様はYouTubeで公開され、以前このブログでも紹介した(動画はこちら)。

多くの人が待ち望む知らせではなかった。
この知らせを見たくなかったし、聞きたくなかった。

ランディ・パウシュ教授が25日、すい臓がんで死去した(CNN.co.jp)。

心よりご冥福をお祈りいたします。

<関連書籍>

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July 26, 2008

7月の暑い日のちょっといい話・・・。

7月の暑い日の夕方に起こった、ちょっといい話・・・。
*本記事に掲載している、人名、犬名は仮名です。


*   *   *   *

「今日も暑いですねぇ」
「ほんとに」

外は35℃を超える猛暑日、夕方になってもまだ暑さは続いていた。
セミの声が耳につく。
そんな暑い日が暮れた頃、原田さんの様子が少しおかしい。

「うちのぺスがいない。」

ペスは原田さん家の愛犬である。老犬であり、長く家族に可愛がられてきた愛犬である。原田さんの異変に気づいたお隣の木山さんは、その時、木山さん家の愛犬を散歩しようとしていた。

「散歩しながら、見て来ます。」
と、いつもの散歩コースに加え、見回ったが、見当たらない。

近辺に大きな国道があるので、心配がつのる。

もう、2時間近くが経っただろうか、未だに見つからない。こうなれば、近所の人々も探し出す。この辺はペットを飼っている人が多い。
ペット仲間とは、犬の名前は知っているが、本人の名前を知らないなんてこともあるそうだが、その仲間も見かけてないそうである。

ペスは、老犬で最近体力が落ちてきている。だんだん、不安が大きくなる。

「ペスー!ペスー!」
「ウワン、ウワン!」

「ペス!?」

どこで鳴いているかがわからない。
声がする方へ近づいていくと、いやな予感がする。

「ペス!」
「ウワン」

(やはり・・・)

「いた、いた!」原田さんが叫んだ。
「えー!」木山さんはその状況に驚いた。いやな予感は的中していた。

排水溝である。



夕立のような雨が降れば、ペスは死んでしまう。
そこへ、たまたま木山さんの知合いの本田さんが通りかかった。

「本田さん!電話貸して」
「どうしたの?」
「ペスちゃんが・・」

木山さんは、古くからのご近所である山川さんへ電話した。山川さんは、内装などの仕事をしている人である。木山さんは、この排水溝を砕くつもりである。原田さんもペスを動かそうと努力したが、砕くしかないと決めている。

そこへ、消防が駆けつけてきた。その場所は、市の所有であるため、無断で手が出せないらしい。

もう、こちらが砕くしかない!
一同はこう思う。
(事後処理は何とかする)

そこへ山川さんが到着した。もう午後8時である。仕事の機材を持ち込んでいる。
その時、消防は素早く、市へ許可を取り付けた。

「電気、電気!」

排水溝向かいの家の方は、喜んで電線を自宅へ引き込んだ。電気は確保した。
ライトアップされ、作業が始まる。



「水!水!」
埃が舞う。排水溝の前の家の方が、ホースを用意して、埃を静める。

「ペスー、大丈夫か!」
どこかの知らないおじさんが、排水溝を覗き込み叫んでいる。

「これ飲ませたら?」
近所のおばさんが、ペス用に水を運んできてくれている。

「すみません、皆様、御迷惑をおかけして」
原田さんは、周囲の人に飲み物を用意してくださっている。

いやに暑い。
いつの間にか、多くの人が集まってきている。

「大丈夫か?」
「あ、見える、見える!」

近くの子供が喜んだ。
が、ペスは動こうとしない。人の手が届かない距離で立ち往生している。

「ウワン」
「おぉ、まだ元気だ」

作業は進む。

もう午後9時をまわっている。
思ったより、コンクリートが頑丈である。
が、ペスが少し動けるようになってきた。あと少しである。

犬は人間と違い、肩が引っかからない分、少し動けるようになると、後ろへ行くことができる。しかしながら、最近は歩くのもやっとの老犬である。もう何時間も閉じ込められている。

このままでは、ペスが閉じ込められている箇所を砕くには真夜中になってしまう。
体力勝負はペスには分が悪い。

ペスが動くしかない。

「ペスー!」

原田さんが、ペスの後ろ10m付近から、こっちへ来いとペスを呼ぶ。
ペスの頭の上では、コンクリートを砕く大きな音がしている。

(怖がって、後ろ向きで歩いてくれ)

みんな、そう思いはじめていた。排水溝を覗くとペスの顔が見える。
まだ、動けない。

その時、「ペスー!こっち、こっち!」

「あ!」

排水溝からペスの顔が消えた。後ろ向きで移動したのである。

「ペス、ペス!」
「ウワン!」

ドロドロに汚れたペスが、原田さんに抱きかかえられた。



「おぉ、よかった、ホントによかった」
「ありがとうございます。ありがとうございます。」

集まった人々は拍手していた。

翌朝、関係した人にフルーツの盛り合わせが届けられていた。


July 24, 2008

債券と欧米と大きなチャンス

日本経済新聞(2008.7.18朝刊5面)によれば、海外投資家の日本国債の保有残高が50兆円を突破し、日本国債全体の7.2%(3月末時点)に達していると報道された。

50兆円規模で約7%なのだから、その債券の規模は巨額であるが、これまで、国内で消費されてきたため、利率も低く、価格が安定していた(債券は利率が高い→価格は低下:債券の性質上、利率が高いこと=債券のリスクが高い)。ちなみに、日本株式は半分以上が海外投資家である。

好んで、投資のポートフォリオに組み入れるわけではないが、「残ったのはこれ」である。原油価格が下落し始め、米国の経済状況も暗雲が立ち込める状況で、しかも、シーメンスやルノーのように、欧州経済が将来的に暗くなるであろうとの推測のもと、増収増益であっても人員削減が行なわれる状況である。

最近では世界のお金がほとんど集まらず世界経済から、孤立していた日本に、ここに来てお金が流れてきているというのは・・・(「大前研一「ニュースの視点」KON221 さまよえる世界の投資資金6000兆円、その受け皿が日本にある」が参考になります。


振り返ってみれば、日本はある意味、恐ろしい。

バブル崩壊、アジア通貨危機、80円を切る円高、株価最安値…、そういった状況を切り抜けてきたのは、その昔から存在する企業が多い。ものづくりに代表される企業は、経営者は従業員の懐から財産を奪う行為を繰り返してきたが、製品の信頼性を落とすことはなかった。

例えば、ハイブリッド車は「21世紀に間に合った」し、液晶、プラズマテレビが競い合った。また、幸運にも、環境の側面からか、原発の受注が増加している、iPodが誕生したが、ウォークマンが市場から退出したわけではない(ジレンマに陥ってはいない)、また、グローバルに展開する企業は、その実効税率を下げることで利益を捻出してきた。

欧米の経済が曇る今後5年ほどは、経営者の腕の見せ所である。こんなチャンスはめったにない。何せ、上のリンクした記事に記載されているように、今、お金の行き場がないのである。ポートフォリオの中に、日本国債が組み入れられる(ごく僅かだが)ほどなのである。

上場企業であれば、株式を通じて、多くのお金を集めることができるのである。時価総額によっては、欧米の名門企業を傘下に置くこともできる。これらは、今までのやり方やどこかの企業のモノマネでは実現が困難であることは言うまでもない。

・・・このチャンスをモノにできる経営者が続々と出てきて欲しいですね。。。
はいはい、ラムちゃんは何より、「散歩」ですね。


July 22, 2008

iPodと音楽と情報と

携帯電話といえば・・・

○さほど、メール依存症ではない。
○持ち歩かないこともしばしば
○お財布は、携帯ではなくお財布から
○写真は、デジカメで・・・
○着信音は音楽でなくても問題ない
○やっぱり、財布を落としたときの方がヘコみます

などなど、携帯に関しては上記のような使用状態の人もいるようだが(私がそうです)…

  • 「iPhone」再び店頭に、きょう家電量販など一部で』(2008/07/19, 日本経済新聞 朝刊, 11ページ)
7/11に日本にて販売された「iPhone」が品切れ後、再び販売される見通しである。

*写真はiPod touchです。

なんだかんだで、私のiPodも結構な台数になっているが、iPhoneの販売もあり、iPod touch のソフトウェアもiTunesで充実してきている。

例えば、New York Timesが読め、Bloombergでファイナンスを確認できる(共に無料)ことなど、PCの役割を果たすことである(上記はtouchのソフトウェアのアップデートが必要:有料)。

電子手帳といえば、日本ではあまり持つ人を見かけないが、その機能を享受しているのは意外に欧米の人達である。USB経由でウィルスに感染することがあるらしいが、(出張先などで)G-Mailからメールできることを考えれば、USBを持ち歩かなくてもいい(G-Mailがビジネス向けに使用許可が下りている企業の場合です)。

結局、iPhoneは法人向けには最適かもしれない。

音楽を楽しみ、情報を収集、おまけに電話も出来るiPhoneの心配な点は、電池である。多機能化すれば、消費電力は劇的に増加する。電池容量の劇的な増加は、充填量の増加ぐらいである。
多機能が、ひとつの機器に統一化されることは、これまでもあったが、別々のほうが、それぞれに専用の電源を持つことになるので、安心かなぁとも考える。

・・・なくさないように気をつけてくださいね。

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July 19, 2008

訪問感謝!!アクセスランキング

いつも訪問ありがとうございます。本ブログは、北海道から沖縄の方まで多くの方にアクセスを頂いております。本日の記事は、2008年4-6月にて、アクセスの多かった上位クエリをもとに下のキーワードに分類し、ランキングにしました。




下のランキングのアクセス先は、ブログ運営者がMOTに関してHPにて纏めている”MOT用語集”へリンクしています。

それではランキングをどうぞ。


それでは、今後ともよろしくお願いいたします。


○上記に関するお役立ちサイト

  • FMEA、FTA、特性要因図の実務的利用法に関して

  • 客観説品質管理

  • 工程能力分析のフリーソフトウェア(エクセル利用)

  • エクセル用のマクロプログラム:swetake.com

  • ゲージR&Rに関して

  • ゲージR&Rのフリーソフトウェア:saekit @ Vecto
    *インデックスページ下の”ソフトウェア/ソフトウェア一覧”

  • ビジネス統計に関するサイト

  • Statistia β


    July 17, 2008

    マーケティング⑫(チャネル-なぜ生産者は仲介業者を利用するのか)

    マーケティングチャネルは、財を生産者から消費者へ運ぶ役割がある。多くの場合、生産者はダイレクトにマーケティングを行う資源、能力が不足しているので、仲介業者の利用によって利点を得ることを目的に利用する。そして、それは利害が一致しなければ、コンフリクトが生じることになる。

    そろそろ秋の新作がショップに並ぶ頃である。女性であれば、春の新作のバーゲンで思わぬ逸品を見つけたり、お気に入りの新作をクローゼットに加えたり、また、男性にとっても、最近の百貨店のメンズ館の充実ぶりに、一品加えることもできる。

    さて、いま、イメージした高級衣料の購入経緯はどのような想像であったろうか?まさか、ヤクルト販売員からの購入を想像した人は・・・あるケースを学びましたね。

    そう、この話は80年代にヤクルト本社と三菱商事が発表した通信販売の新形態、リプソンである。チャネルがヤクルト販売員なのである。確かに、ヤクルト販売員は通信販売から見れば強力なチャネルである。

    が、自社のイメージ、販路にふさわしくない商品はまず売れない。

    大きな括りでは、電機にとって、ヤマダ電機が君臨しているうちは、付加価値品に意味がない。安く売り叩かれるからである。ソニーやアップルの携帯型音楽プレーヤーはそれぞれの専門店で見るのと、ヤマダ電機で見るのでは、何か違うような気がしてしまう。安ければいいのであれば、ヤマダ電機で購入するが、顧客のすべてがそういうわけではない。

    こういった観点から見ると、生産者側の中にもコンフリクトは起きている。

    *   *   *   *

    ある開発陣は、それまでの顧客が求めている機能を2倍にできる研究成果を発表した。開発陣が危惧したのはコストであったが、今、Goの決定がなされれば、従来品と同価格におさまる設計を見通していた。この時、マーケッターは「従来品より安くないと売れない」とし、その企画はお蔵入りとなった。
    その数ヶ月後のある会議で、マーケッターは、機能を2倍にした製品が必要である、と開発陣に要求したが、開発陣は、コストが維持できないとして一蹴した。

    *   *   *   *

    一昔前によくあったやり取りである。問題は、マーケッターがチャネルを変えて動いていることを、開発陣がわからないことであるし、逆に、機能拡張に対してマーケッターは同じチャネルを想像していたことでもある(従来品より安くて機能が2倍なら、会議はいらないのでは?→あくまで例えです)。

    レクサスについては賛否両論だが、レクサスの販売店でレクサスシリーズの横にカローラが並べてあったら、ゲンナリしてしまうし、レクサスがカンバン方式で製造されているのも想像したくない。

    ・・・良識ある上級管理職が「経営者の目線で」と言う理由が良くわかります。マーケティングの中枢が本社にあるのはこういった理由なのです。

    <参考書籍>
    *記事冒頭の部分は以下の書籍のpp586-587を参照しています。

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    July 15, 2008

    時代の分かれ目-リストラ、分離独立

    企業の相次ぐリストラ、分離が報道された週であった。

    • シーメンス17,000人削減
    • GE、家電事業を分離

    記事はそれぞれ、2008.7.10 日経産業新聞4面、2008.7.11 日本経済新聞9面(朝刊)を参照。

    記事によれば、シーメンスは
    複雑な企業組織を簡素化するとともに透明性を高め、事業プロセスを早めるのが狙い。これによって景気が減速してもコストを下げて成長できる」とレッシャーは言っている。リストラ人員は全世界の従業員の約4%で、技術系社員も例外ではない。

    問題は、企業の業績である。シーメンスは、彼(レッシャー)の前任者達の不正支出など負の遺産が発覚し退任に追い込まれている状況であったが、業績は決して悪くはない

    景気の減速具合もはっきりしない中、それに備えてリストラとは、考えられないことである。業績を支えてきた従業員は何だったのだろう?改革の仕方を知らないトップを迎えた企業は悲惨である。

    現実に、景気が減速してきた頃、彼らにはコストを下げる余力はない。結局、再びリストラするであろう。そうしているうちに、企業の力は削がれていく。技術系の企業であるから尚更である。

    大胆なリストラによるコストカットは、内部昇進者でなければ、誰にでもできる。問題は、その資源をどうするかで、ここから、レッシャーの経営力が診断される。

    今後は、おそらく、組合との泥仕合が続くであろう。

    *  *  *  *

    GEはこれまで、創業事業は温存してきたが、今回、他の事業に比べて利益率が低い、との理由から家電事業を分離する方針を発表した。どれだけ低いのかは、日本の企業は驚くほど高い

    何しろ比較されている他の事業のそれが20%前後であるから、仕方がないのかもしれないが、記事では7.5%だそうである。なら、GEから見たら、日本の電機企業の経営者は失格ではないか。

    そもそも業態が違うから、営業利益率が異なるのは当たり前なのだが、(売り時を考えると確かにタイミングとしてはそうかもしれないが)やっぱり、家電でこの利益率を支えてきた従業員はやってられない。

    もう、上場化は○○ドリームではなくなっている。過剰なまでの圧力、内部統制、種々の規制…、上場するのであれば、そのような行為に慣れている上場企業に買収されたほうがいい。起業家はそれを原資に再び、何かを創造する。最近の流れである。

    ・・・日本の企業にこういう流れが見られないことが救いであるが、そのうちどこがが真似せざるを得ないだろう。日本株式市場の参加者の半分は外国人投資家なのだから…。こんなことをしていては、上場企業自体が衰退してしまうのでないか。。。

    <写真 ゼラニウム:花言葉は、「君ありて幸福」だそうです。>

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    July 9, 2008

    日本企業は戦略を持たないのか?

    1996年、Harvard Busuness Reviewにおいて、ポーターが、それまでの日本の成長を支えてきた「オペレーションの効率化」が、近年(発表当時の96年が基準)は利益率に寄与しにくくなっていることを、その中で指摘している部分がある。

    残念ながら、その当時はインターネットの普及もこれからという時代で、議論を呼んだトピックでもあった。議論は当然、日本企業は戦略を持っているのか否かであるが、現在の日本企業ではどうだろうか?

    日本企業を支えてきた、オペレーション効率を高める管理技術、新技術などは、情報化の共有が簡単になり、知識の劣化が早い現在では、「最も汎用的なソリューション-数多くの状況で用いられる-は、最も早く普及する*」ため、模倣が簡単になってしまった。同時に、ベンチマークはかえって、似たもの同士を生み出してしまっている状況である。

    他企業で成果のある手法だから、我が企業でも導入しよう、という-皮肉にも現在では最も効率が低い-選択は、よほど当該部分で遅れていない限り、90年代までの話である。

    オペレーションの効率化により、「低価格高品質」を実現してきた日本企業の多くは、ポーターが指摘するように、オペレーションの効率化を”戦略”と勘違いし始めている。例えば、「トレードオフ」の考え方で、これまで、それを解決してきたので、「解決する」ものだと思い込んでいる。

    ..............................................................................

    この論文の主題は「戦略とはなにか」である。

    ポーターの主眼はポジショニングに向けられるが、「持続可能なポジショニングには、トレードオフが必要*なのである。例として、ニュートロジーナの石鹸を挙げており、「肌にやさしい石鹸」(どちらかといえば医薬品に近いイメージ)のポジションを確立するため:


    • 多くの消費者が石鹸に求めている消臭成分と柔肌成分の配合を切り捨てた
    • スーパーでの販売と値引きによる拡販の可能性も振り捨てた
    • 生産効率も犠牲にした
    このトレードオフにより模倣者に対する守りを固めることが出来たのである。

    こうしないと、商品は生まれた時から、どの顧客にも好まれる様にカイゼンしていく圧力を受けていく。万人へは最後には低価格でしか受けないことがわかっているのに・・・。

    ・・・「戦略の本質は、何を『しないか』を選択することにある*

    <参考書籍>本文中の*部分は以下の書籍を引用しています(本文で記載のポーターの論文はこの書籍に掲載されています)。

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    July 8, 2008

    お知らせ

    本ブログ右の"Link"にある"MOTに関するブログ運営者のHP "ですが、本日(7/9)17:00までサーバーメンテナンスになっています。ご利用の方へはご迷惑をおかけします。


    July 6, 2008

    マーケティング⑪(イノベーションの普及)

    先日、人気アイドルグループの一員で、謹慎中であった芸能人が復帰した。年末の紅白歌合戦(NHK)に登場するなど、そのグループは芸能史に残るアイドルグループである。

    さて、彼女が在籍していた頃、彼女の着ている衣服は、同年代の少女に絶大な人気を人気を博していた。このあまり見向きをされなかったジュニア向け市場で成長したのはナルミヤ・インターナショナル(企業HP)Wikipedia)である。

    いわゆるホワイトエリアは市場成長後のマネジメントに大きな壁が存在する。成長時に上場してしまうと、市場は成長しか望んでいないので、売上、利益の成長が鈍化したとき、長期的視点に立つ戦略の実行は難しい。同社もこの課題に取り組み、現在に至っている。

    ファッション業界は、消費者の採用プロセスを考察できる絶好の題材である。規模の経済を追求する産業とは異なり、特に高級ブランドなどは、普及しすぎても価値が逓減していくので、価格で調節する。

    同時に、飽きられないように、イノベーションの採用時期に注意しながら、モデルチェンジやブランドの拡張などを実施する。



    *   *   *   *

    私は、一時期衣服は、今頃(7/~8/初)であれば、秋の新作を、いつも行っているショップに行き、購入していた。気に入るものがあれば、色違いで購入など、結構ドッサリ購入していたので会員の優待はかなり享受していた。ビジネススクールへ通い始めた頃からパッタリと購入がなくなり、今では、「この暑い時に秋物なんて想像できないよ」ぐらいである(でも、未だに着ていないモノもあるんです…)。

    さて、価格を気にせず、新作を求める”イノベーター”は、街中で同じデザインの衣服を見ると、結構ヘコむのである。
    シーズンに入ると新作時の売上から「売れセン」が多く作られ、販売されるため、しばらくすると、”初期参入者”と遭遇してしまうのである(新作以降の企業行動は、あくまで私が通っていたショップの話です)。


    子供服は子供が成長していくため、そうは言ってられないが、”前期(または後期)追随者”が通う、安価でかわいいと評判の全国チェーン店がある。

    そのような評判を得ているからには、マーケティング活動を実施しているのだが、全国に展開していることの強みを活かし、寒い時には北海道、暑い時には沖縄と日本の季節のズレを利用して、売れセンを探り、本格的に売り出すそうである。

    ”遅滞者”で代表的なのは、我が両親!テレビはアナログ波終了まで買い換えないそうである(結局、チューナーが出るそうなのですが…ますます買い換えないでしょう)。

    ・・・どんなイノベーションも万人にはウケません。。。


    <参考文献>
    *本記事の図は下左p211図9-3 イノベーションの相対的採用時期を基準にした採用者の分類、または下右p823図20-7 イノベーションの採用時期、を参考に作成。

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    July 4, 2008

    『英語ベストセラー本の研究』 晴山陽一

    ビジネスに携わる者としては、TOEIC(R)TOEFL(R)と言えば、頭の痛い人も多いと思う。私もその一人なのだが、英語の学習より、ノウハウコレクターになっている方も多いかもしれない。学習は日々の鍛錬、と言えば大げさだが、わかっているが「お手軽、簡単」には弱い。

    「みんなが英語ができるようにならないのは、「あれこれ目移りすること+継続しないこと」ことが原因(p213)」・・・その通りである。

    この書籍は、1940年代からの英語学習教材の変遷を取り扱っている。

    『試験にでる英単語』(60年代)
    『基本英文700選』(60年代)
    『英文解釈教室』(70年代)
    といえば、懐かしい方もいらっしゃると思う(ベビーブーマーである私の時代でも受験の現役参考書でした)。

    その中で驚く記載がある。1940年代の章にて、戦後間もなくの英語教育の「目標」に関する部分である(p27)


    • 英語で考える習慣を作ること。

    私は数学、理科に関しては、教免を持っているので多少の意見はあるが、英語に関してはわからないけれども、現代となっては、賛否両論が多いことはわかる。

    実際に、大学まで多くの年数の教育を受けてきたが、その教育だけで英語が話せるレベルにはなかなかいかない。が、その基本となる文法などは大切で(わからなければいつまでたってもブロークン)、多くの人のその後の英語習得目的に対応できることにもなる。

    と考えると、いやいやそれだけ長い期間を得て、英語が話せないのだから(TOEFLの世界ランクも2006年の受験生が1000名を超える国39カ国中36位となっている。(求人なるほどコラム、リクルートより抜粋))教育方法の効果が小さい、ともいえる。

    どちらでもいいのだが、今の子供達が社会で活躍する頃には、日本の第二位のGDPは歴史となり、より諸外国と連携しなければ、ビジネスとして成り立たなくなっている。諸外国が世界とコミュニケーションをとるために英語を使用するのだから日本語の言語構造もあるが、仕方がない。インターネットの情報や学術文献は英語がほとんどである。

    ・・・とはいうものの継続はムズカシイですね。夏休みにサラッと読んでみてはいかがでしょうか。

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