別段、このことを批判するつもりはなく、それなりにお金を出しているのであるから、顧客に対しては配慮も必要である面もある。要はその程度の問題である。
さて、その議論はさておき、以前のブログでも述べたが、今後の日本企業は、企業の規模や知名度に関わらず、その経営力が利益創出に大きく作用する期間へ入っていく。上記の企業も例に漏れずそうである。
幾つか、最近これらの企業に関する記事があるので集めてみた。
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いわゆる金利なしで新車をローン販売するキャンペーンを米国に続き欧州へも展開することに関する記事である。ゼロ金利戦略は、確かに素晴らしいが、時期が悪い。時期が悪ければ、結局は戦略として良くはないことになる。ビッグ3の顛末を見てからでいい。何に切羽詰まっているのかがわからない。このままでは、ビッグ3の状況如何では、素晴らしい反撃を米国発で食らう可能性がある。
ちなみに、他の自動車会社も打ちだした(主には)非正社員の契約解除や事実上のリストラは、生産方式自体が在庫を持たない方式なのであるから、生産台数が増加すれば増員、減少すれば減少と人員に関しても、ジャストインタイムであり、動きとしては(彼らにとっては)自然な経営行為である。
記事によると奥田氏は以下のように発言したことが伝えられた。
「スポンサーをやめようかなとも思う」
「テレビが朝から晩まで年金や厚労省の問題をあれだけ毎日やるのはちょっと異常な話。正直言ってマスコミに報復してやろうかな」
やってしまったかもしれない・・・。今後自動車会社の業績は下がるであろう中、当然、スポンサー料は低下する。そうなれば、中には遠慮がいらなくなるマス媒体も登場するであろう・・・当然・・・。
こんなことを言わずとも、あなたの部下はしっかりしていますよ。
パナソニックのTOBに関しての記事である。どうもゴールドマンは一株200円後半を視野に入れているみたいであるが、パナソニックは120円を提示した。妥当ではないか、この価格。三洋電機の時価総額を考えれば、わざわざ金融会社に莫大な利益を持たせる必要はない。なぜなら・・・パナソニックから見て、重複している分野は単に格安製品のOEM先が出来ればいいし、エネルギー部門(電池など)では、確かに三洋の技術はあるが、パートナーは三洋でなければならない理由はない。パナソニックから見て、お買い得感がなくなれば・・・
出資先は業6位で出資比率は経営判断に拒否権を発動できるギリギリの26%である。これまでもドコモは海外通信会社へはよく出資している。成果はITバブル崩壊の余波もあるため判断しにくいが、iモードの普及具合をみれば・・・またか・・といった感じかもしれない。背景には国内市場の頭打ちがあるが、そのインフラを活かした新事業に出資、育てていくのもいいかもしれない(実際にそのような研究もあります、ないわけではありません)。
なにより、料金を引き下げてほしいのは、ユーザーの意見ではないでしょうか。
・・・今回の米国発の金融危機は、日本のバブル崩壊後の10年を圧縮した振動が伝わりそうである。今後数年の取り組みは、いい意味でも悪い意味でも、後々に語られるであろう大切な期間である。その取り組みの品質の高さを決定付けるのは従業員の行為より経営陣の行為である。そのことに、企業の大小は関係ないことは言うまでもない。
<参考記事>
[1]「トヨタ、ゼロ金利、欧州でも、米国に続き販売テコ入れ」2008/11/17, 日本経済新聞 朝刊, 9ページ.
[2]「厚労省たたき、奥田氏「異常」、ワイドショー報道を批判」2008/11/13, 日本経済新聞 朝刊, 5ページ.
[3]「パナソニック、三洋買収額、大株主側と開き、一株120円提示――交渉難航も。」2008/11/25, 日本経済新聞夕刊, 3ページ.
[4]「印タタ系に2640億円出資、ドコモ“財閥”、英断か過信か――欧米で過去に大損」2008/11/13, 日経産業新聞, 22ページ.
*検索はいずれも日経テレコンを使用。
photo by Maco
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