特許権とビジネス-特許権は打ち出の小槌ではない。

2009年3月10日

t f B! P L
『これは、我が社の大発明だ!』

なーんて発明はしたことがないが、私もいくつかの技術(やその思想)を発明者として保護されているものがある。

そもそも特許は特許法第一条にて:
この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする
とされている。

近代資本制における市場は・・・

とややこしそうになる話はさておき、発明者は権利を得るために、技術を生む訳ではない。

90年後半から2000年代初めにかけて、知的財産に関する周辺環境や政府の動きなどが活発化したことがあった。あの頃、急に『自社特許の換金』論争が経営層から漏れ聞こえてきた。

特許はすべてがそのような攻めるものではない。自社の新製品に対して、そのコア技術を発展させた技術で他社が製品化しないようになど、守る特許も多い。

また、もともとそのように(金のなる木)特許化することを勧めてきてなかった特許戦略に対し(この場合は主に職務発明)、世間がそのような動きであるから自社も、とは都合のいい話である。

特許は、ある意味”情報”なので、公開や漏れることも含めた情報の広がり、時間経過による広がりに対して、劣化が進む。

製薬業界の薬剤の基本特許とは異なり、電機、自動車などは劣化が著しい(技術の発展速度が速い)。時には、リーダー企業以外の企業は、自社の技術を広めるために、あえて権利化しない場合もある。


・・・優れた発明をするのは、研究者、開発設計者の役割。それを利益に変換する仕組みを発明することが経営層の役割です。


Photo by Maco

<参考文献>

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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