過去の歴史からは様々なことが学べるが、重要なことは、これまでの競合であったと意識してきた企業から、思わぬ相手がそうなった場合に、うまく企業内で切り替えられるかどうかである。
例えば、”追い越せGM”を実現したトヨタは、現在、いや~な相手にVWがいる。いわゆるカイゼンが有効に通じにくい相手である(高品質低価格の電気自動車の出現でもあまり適時打にならない…)。
法改正が実現すると、銀行No1は6,000万人のユーザーを持つドコモがなれる可能性が高い。ならば、世界No1銀行は中国の携帯産業メーカーとなろう*。
さて、自動車産業は国を代表する産業であるが、その見えない敵は、石油産業かもしれないし、燃料電池を手がける企業が次世代には勝利を収めるかもしれない(燃料電池が出来たとしての話です…夢ですからね)**。
その電気自動車は電気製品とは異なり、あらたな製品に関して「製品を市場に聞く」ことはとても危険な行為である。電池は”発明”ということに関しては、ほとんどはそうではないが、”製品技術”は「日本一が世界一」のイノベーションシステムである。
いくら急成長をとげている新興企業であれ、旧来の巨大企業であれ、自動車の世界では、命に関わる欠陥事故が起きた時点で退場である。リコールどころでは済まないからである。
従って、GMやBYDなど、結局は電池技術を高めなくては、とんでもないことになることを、あまりにも軽視し過ぎの嫌いがある(とはいっても日系企業との提携や日本人技術者採用などはしているようですが…)***。
しかも、上記の例でも、トヨタの見えない敵(いやもう十分見えているが)がVWであるように(電気でなくともディーゼルでも小型車でもいいのです)、電気自動車が、省エネ車の主流にならない可能性も十分にある。はっきりいってトヨタ(やホンダ)の戦略もかなり寄与していて、これはカイゼンでは実現できない。この5年ほどの経営手腕は見ものである。
・・・競争力より対応力。。。ですかね。
*トヨタ、ドコモのくだりは、大前研一ライブ#491(2009/4/19配信)より。VWの実質的オーナーはポルシェ(スポーツカー)であり、傘下にはベントレーがあるなど、ラインナップがトヨタより充実しているため(トヨタは購買層の階層で言うと真ん中ねらいでVWに比べてその層が狭い)。
ドコモの例は、もちろんお財布携帯での課金システムによるものです。
**は以下の書籍を参考に記載。
***本サイト運営者は、電気自動車に否定的ではなく、現在のニッケル・水素電池との併用には肯定的です。リチウムイオン電池との併用、プラグインには懐疑的です。
photo by Maco
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