珍しく、今週の気になるニュースが5月2回目の登場となりました。さてさて、今回はシャープの亀山工場が海外へ移設されるニュースです。
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亀山工場―”亀山モデル”という言葉や工場の誘致に関して、三重県、亀山市の補助金など誘致に特徴があったこと(wikipedia )で記憶している方も多いと思う。その工場は、第一、第二工場とも海外へ移設される。
メーカーに勤めている方はうすうすわかっているとは思うが、○○産だから、品質が高いとは、おそらく made in JapanのJapanだけであろう。その他はない。あの当時の種々の記事で国内回帰を絶賛していたのは何だったのか・・・。
とはいえ、企業の海外移転は悪ではない。現在の日本の労働市場であれば、そう考えることが普通である。そうこうしているうちに、米国のようになり、いつしか貿易赤字が常態化する方向へいく、という流れは仕方がないのかもしれない。
このことは経営者だけの責任ではない。何でも安いものが最良の選択であるとする消費者層が多くなれば、企業も当然、その対応をしてしまう・・・。
製品には、模倣しやすい製品とそうでないものがある。CD、DVDなどは前者であり、シェア、価格の下落の速度が恐ろしく速い。いくら、規格や製品戦略を業界がきっちり行なっても、これは仕方がない。
いまや、大型液晶パネル(10型以上)での金額ベースでのシェアは、サムスン電子、LGディスプレイ、友達光電、奇美電子、シャープである*。
さて、記事によれば、片山社長は「工場は堺に一つあれば十分」で、亀山の第二工場は中国移転の方針(第一工場はすでにこの方針)と、国内は堺に集約する。
なんだ、海外(中国)でも生産できるのか。これからは、最新型でなければ、亀山モデルがもっと安く買えるんだぁ・・・
・・・ここまでくると、経営の舵取りは相当に難しくなります。賭けですね、これ。なんかGMの株価が一時1.09ドルになったりと(いよいよか・・・)**、暗いニュースがつづきますね。
<主な参照記事>
○「シャープ:亀山第2も海外移設 国内生産は堺工場に集約」毎日jp 経済面より。
*「シャープの選択―液晶大型化『光』で挑む」,日経産業新聞,2009.5.11
「シャープ『亀山方式』決別」,日経産業新聞,2009.4.9
**「GM株76年ぶり安値」,日本経済新聞, 2009.5.13
photo by Maco
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