結局、プロジェクトは泥臭いものである。

2011年2月13日

つれづれ

t f B! P L
あるシステム、仕組み、もしくはプロセスには何らかのアウトプットがある。典型的には、工場において、歩留まり、稼働率、不良率などの定量情報である。

そのアウトプットにおいては、結果に影響を及ぼす要因は管理されていることが普通である。

“管理”出来ていれば、有意差がない場合の範囲内で、少々のマイナスの結果であっても、そのアウトプットを、すぐに標準的な水準に戻すことができるであろう。

となれば、一見、操業が実に簡単に思えるかもしれないが、なかなかそうはいかない。それは、日頃の納入品の品質バラツキに加え、常に開発され、顧客にとっての価値を向上させるように、その仕様を新たに更新し続けているためである。


だから、過去にないマイナスのアウトプットが生じることがある。多くは、量産テストを行う際に、それまでと同じ現行の条件で、新仕様を試行し、その際に意図的に表出させることが多い(もちろん、操業中もそれはある)。


新たな仕様には、それまでの管理では防ぎきれないマイナスのアウトプットが発生する可能性が高いので、(ある程度推定しているとはいえ)それらを事前に発生させその程度を確認するのである。


そして、エラー発生の原因を探求し、マイナスのアウトプットを防ぐことが出来るように、管理可能な設定を見出していくのである。

続いて、ある設定で再び操業試験を実施し分析し・・・

実に泥臭いこのトライアンドエラー(試行錯誤の繰り返し)は、時に問題解決型プロジェクトでは、心が折れそうな“冬”の期間とも言える。

結局、当該システム、またはプロセスなどの問題は、経験豊かなベテラン、新たな知識を持つ若手など知の結集によって乗り越えていくものである。

だから、手技・手法を中心化しても問題は解決せず、それらは、当該組織が有する固有の知識、技術を引き出す窓として当該組織に活用していくことが大切なのである。


そのような多種多様なバックグラウンドを持つチームで大切な3Kは――共有・共感・共同である。

メンバーとチームの目的を共有し、メンバーの専門性から導き出される種々のソリューションを共感、そして、問題解決へのチームの歩みが、属する企業(や他の組織)への貢献に結びついていることを意識しながら共同でことに当たる。


・・・発表会でのスムーズなプレゼンテーション――あれは氷山の一角なのです。プロジェクト実行段階で、あんなにうまくいくことはありません。。。


<関連サイト>
問題を定義、発見する―プロジェクトの課題は何か。

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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