言葉は空気に消えるが、資料はファイルに残るからである。
理想の上では、ある一つのテーマのプレゼンテーションがあれば、それに伴う報告書も作成することがいいが、実際はそれほど余裕がなかったり、業務手順があったりなどで、結局、報告書的な資料とプレゼンの中間の資料をパワーポイントで作成する。
業務・業態により異なるので何とも言えないことの方が多いが、聞くに堪えない、見るに混乱する共通の特徴は、リファレンスが曖昧なのと同様に、プレゼンや資料に一貫したロジックがない場合である。
典型的な例は、オーディエンスとの不一致で、技術者が、専門職以外のオーディエンスを相手にする場合に、専門職の間で使用するチャートや資料を用いてプレゼンする場合などがある。
こういったことは、入社して何年か経過し、周囲を見る余裕が出てきた頃に慣れてくるように思うかもしれないが、必ずしも、あなたの周囲がそのお手本となる実力を備えているかどうかはわからない。
規模の大きな企業でも、ケイレツやグループが共有する教育の中に入っているかもしれないが、やはり、上司は、直近の業務に関連するスキルアップカリキュラムを進めるかもしれない。
ただ、この分野は、習ったからと言って頭が論理的になることはなく、独学が有効な分野であり、目を向ければ、書籍も充実している。
このブログでも何度も登場したが、(学術的という意味合いではなく)仕事上での“論理”を学ぶ良書は―
バーバラ ミント、『考える技術・書く技術』、
山崎康司、『入門 考える技術・書く技術』
また、照屋華子、『ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル』も読み易い。
とかく、このような話題の場合は、プレゼン資料のデザインやチャートの作成などテクニカルな部分をフィーチャーした書籍が散見されるが、基本は、学習者の習得に時間がかかり、明日の会議に間に合わない「論理的な思考」の習得である。
ただ、テクニカルな書籍は、その例などを眺めていているだけでも参考になることが多く、ジーン ゼラズニー、『マッキンゼー流図解の技術』
ドナ・ウォン、『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』は、目にいい。こういうものは、周囲にお手本になる人がいなければ、「どのようなチャートが伝えたいメッセージに効果的か」など、どこかでそれを見る機会をつくることが有効である。
最近顕著なペーパーレスにしていく傾向と文書をファイリングして保存していかなければならない業務手順は、作成する資料が報告書とプレゼンテーション資料を足して2で割ったような構成となり、また、カラーインクの節約、また白黒にも耐えうるためのシンプルな色使いなど、プレゼンテーター泣かせで、(注)や(添付参考資料参考)などの項目がやたらに増加している場合もあるのではないだろうか。
が、顧客向けなどの場合は上記の制約は緩和され、
ガー・レイノルズ、『プレゼンテーションzen』は、興味深い一冊となる。
・・・分かる人にはバレるものです。あなたの資料が積重ねられて作成されたものか、昨日一晩で作成したものなのか・・・。
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