九仞の功を一簣に虧く
この言葉は、「(その昔、中国にて)周の武王が、殷の紂王を討ち周王朝の創業を危うくしてはならない、と諄々として武王を諫めた、と伝えられる言葉で、ちょっとした油断で大事を誤るのを諫める場合とか、いま一息というところで失敗した事例をたとえる場合とかによく使われる」
(下記サイト参照:上記は本ブログ運営者が当該サイトから引用、編集しています*)
*「中国故事物語」内の「九仞の功を一簣に虧く」より。
製品の開発、設計に携われば、または、製品・サービスを顧客に届ける責任を負う従業員、組織では、この言葉をしみじみ理解する。
その製品・サービスが顧客の安全を損なう可能性があれば尚更である。
顧客は、製品・サービスをどのように使用するかは本当に分からない。長年、品質保証部にいるベテランに聞けば、驚くようなクレーム処理の話をしてくれる。
それは、営々と長年積重ねてきた財産である。時にピンチもあったかもしれないが、少しの設計ミス、製造ミスが莫大なコストを生んでしまう製品などでは、現時点の製品価値は、先輩達の作り出した価値である。
企業運営の面でもそうである。困難な局面において意思決定をしなければならない場面は幾多もあっただろう。
一つの製品・サービスを生み出し、マーケットへ展開していくことは、大変な作業である。顧客の安全性を損なう可能性がある場合、『とりあえずこれでいく』ということを選択できない。
選択肢には、証拠に基づいた根拠があり、企業のコストを鑑みながら、顧客への価値提供を選択していく。
そのような流れの中では―
設計者が、次なる製品・サービスを設計し終えたとき、周囲は現製品の何かに注力している。
周囲が新製品・サービスの出荷で沸き返っている時、設計者は、すでに、新たな製品・サービスを研究しはじめており、その輪には入りづらい。
新製品がスムーズに操業され始めたとき、設計者は、さらに次なる新製品・サービスの開発における膨大な仮説を検証する作業を孤独に行っている。
この孤独な作業に油断が入り易いことは言うまでもない。幾多の方向からのチェック機能は有効に働いているだろうか。
法令、規制、業界内の規則、周辺製品への影響…
キリがないが、年数を重ねれば、チェック項目は逓増する。それらが他企業の参入障壁を高めることだと教育を交えていけば、製品と共に従業員も成長する。
・・・顧客の手に渡るまでに、事故の原因を見いだせる仕組みを設計することも大切なタスクです。
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