社会人MBA-技術者編

November 29, 2009

やってみなはれ。-鳥井信治郎

企業には、その独特な精神性が備わっていなければ、持続可能な成長は望めない。

現在のような、四半期重視の米国のモノマネのような経営では、サントリーの青いバラ東レの炭素繊維、また、シャープの液晶(液晶電卓開発物語)などの技術者達の長期にわたる粘り強い挑戦を必要とする研究成果は望めないだろう。

消費者は、『その企業だからこそ』の製品、サービスに対価を払うものである。


サントリーの創業者である鳥井信治郎がウイスキーの国産化、そして販売にいたる過程は、多くの創業者がそうであったように苦難を極めた。スコットランド以外での醸造を可能にした山崎工場でのウイスキーの国産化、それまでに採用したことのない販売戦略など、十中八九は失敗すると言われたほどである。

この成功は、それまでにブドウ酒(赤玉ポートワイン)やウイスキーを知らなかった大衆に、その飲酒の習慣を創り出したのである。いわゆる大衆相手の事業において、都市型産業の企業経営の原型を築いたといっても過言ではない

*(以上の2段落は、下の書籍『ケースブック 日本の企業家活動』,Case4 都市型産業のクリエーターの章を参考及び趣旨を掲載。)


さらに、二代目 佐治敬三は、高度成長期の洋酒における:
「洋酒と名がつけばなんぼでも売れた」
という販売実績に危惧し、努力のない企業はやがては傾くと考え、昭和9年に一度撤退したビール事業へ再進出する決断をするのである。

1963年に再進出以来、苦節45年―ついに、2008年12月期に黒字化するのである。

*(以上の2段落は、下の書籍『心に響く名経営者の言葉』,p20-21.を参考)

企業は総合力である。サントリーのウイスキー、ビールが“うまい”からといって上記のような、あまりにもリスクの高い決断が成功するとは限らない。

従業員の生活のことを考えれば、決断しない経営者もいるだろうし、それも正しい選択である。

もちろん、経営的には、サントリーが上場企業でないため、そのような経営行為が行なわれたことが背景にあることは否めない。

ただ、米国にはない“一気通貫型摺りあわせ”(研究開発から販売、アフターサービスまで)の形態を続けるのであれば、鳥井の精神は企業の包容力となり、佐治の決断は、従業員の質を高めるだろう。

ただ言える事は、企業は、リスクを背負い攻めなければ、現状維持は後退なのである。


・・・いつかは誰かがやらねばならないことがある。だからうちがやる。(佐治敬三)


<関連記事>
モルツ、BOSS、伊右衛門のゆくえは?
“経営者の言葉”シリーズのリンク集掲載記事はこちら。


○記事中のビールの写真について:
-> photo by S-Hoshino.com (フリー素材屋Hoshino)


<参考文献&サイト>
*本日の記事は以下のサイト、書籍を参考に記載しています。

「日本の銘酒の父、鳥井信治郎」(サントリーホームページ内)
「やってみなはれ精神が生み出したフロンティア製品」(サントリーホームページ内)


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November 25, 2009

カンバン方式はやめなさい。2/2

*本記事は、カンバン方式自体の是非を問うものではありません。カンバン方式は種々の生産方式のひとつです。

1からのつづき)その優れたカンバン方式に関して、採用する企業のアプローチを誤ってしまえば、良薬も毒薬に変じてしまう。

そもそも、以前の記事でも触れたが(「永遠の法則はないでしょう。。。」)、こういうことの万能薬は存在しない。当該組織の構成員が脳に汗するしかないものである。

また、「成功するカイゼン、失敗するカイゼン2/2 」でも述べたが、例として、シックスシグマが製造分野だけでなく、ほかの分野に幅広く活用するに耐えうる理由は、あれは、従来の問題解決論を利用しているからである。


さて、自動車産業に限らず、メーカーなどの製造業において、日本企業の多くは、研究開発から販売まで自前である。その企業形態においては、基礎研究、応用研究に始まり、製造、出荷、販売、アフターサービスまで、業務のプロセスは様々である。

研究開発、総務、製造など、その業務は定常作業の量も違えば、「業務プロセスの合理化」の意味も異なる。

そのすべてのプロセスにカンバン方式を採用しようとなると、変な話、「化学、物理分析センターの所有するビーカーは現在使用していないので在庫となっている」という恐ろしい運動まで展開されていく・・・。


当該企業の経営を良質なものに変えていく手段が、本当に“カンバン方式”なのだろうか?また、その方式を理解しているのか?

  • “ジャスト・イン・タイム”が顧客にとってのものであると誤認していたり、自社工場周辺に下請けが集積していない、“デルモデル”と勘違いしているなど―。
  • 様々な製品種×顧客要求に応えるため、システム化を放棄し、カンバンで対応しているのに、その膨大な組合せに対応するシステム化を行なおうとしたり―。
  • 動きながら考えることを日常化することがトヨタ生産方式なのに[1]、(ただ機械のように)考えないでいい方法と履き違えていたり―。
  • 本当に、固定費用の削減で経営状況は改善されるのか?
  • 中間管理職には工程の重箱の隅をつつくことまで把握をせまるのに、赤字の理由は“外部環境悪化の為”と大学生でも言えることしか経営状況を把握できていない幹部がいたり―。
  • 80年代の日本企業を研究した米国企業が一部勘違いした“マニュアル化”と履き違えていたり―。

そもそも、本家のトヨタの幹部が工場を見学して、確認したのだろうか?

  • もしかして、推進しているのはニセモノではないか?
  • こういうことは、当該事業をはじめた時点で決まっているのに、変更する妥当性はあるのか?
  • 固定費用削減する程度、いや、その背景にある従業員のマインドを変革する手段が、本当にカンバン方式なのだろうか?
  • その方式は当該企業の理念に沿うものなのだろうか?



90年代からの15年-超円高、通貨危機、株安-を経験し、生き残ってきた企業において、本当にそれは必要だったのか、十分に吟味されなくてはいけない。

確かに、「カンバン方式」という言葉は、トヨタをはじめとする日本の自動車産業のおかげで、“それを行なっている、導入している”というのは、ステークホルダーに聞こえはいい。

はじめるならば、まず検討チームが必要である。現状を分析し、経営課題に落とし込むチームが先導すべきである。そして、解決のひとつに自前より安い(低コスト)、戦略的に外部が好適(経営戦略室の育成や幹部育成などに外部を利用する)などの場合、外の力を借りればいい。

ただし、当該企業の理念(や考え方)は外れてはならない。これは組織の鉄則である(理念に集まる従業員は多い)。


・・・ものづくりの基本には思想や哲学がなければならない(本田宗一郎)**


<参考>
[1] 「米自動車危機教訓と展望(上)一橋大学名誉教授野中郁次郎氏(経済教室)」, 2009/05/20, 日本経済新聞, 朝刊, 23面.
**本田宗一郎の言は[1]より引用しています。

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November 23, 2009

カンバン方式はやめなさい。1/2

“カイゼン”とは世界の共通語である。made in Japanが高品質の代名詞になったことを象徴している用語であり、今あるもの(コト)をよりよくする意味合いで使用される。

その母なる“トヨタ生産方式”について野中はトヨタトップの話を引用し:

トヨタ生産方式の本質はマニュアルではなく、「暗黙知と形式知のスパイラルアップの実践的プロセスの中にある」

と評している[1]。

また、米国自動車産業の衰退に関して、野中は「実践知の作法の退化[1]」、また、藤本は「統合型製品開発力不足」を挙げ、奇策のない地道な組織能力の向上を述べている[2]。

とはいうものの、代表的に自動車産業が取り組むカンバン方式も、その効果を享受できるのは、デンソー社長加藤宣明氏が回顧しているように:
ラインの長である班長は、こちらが指定した数などお構いなしに、部品がある分だけ作ってしまうのです。工場のあちこちに仕掛かり品ができてムダが増える。

のような状態であり[3]、現代では、このような野放図な工場を探すほうが難しい。


この生産方式の大きな利点は、トヨタの自動車でいうならば、工場において、レクサスの後にカローラが流れてきても、製造できることである。

これは、同じ車種であっても顧客の要望は様々であり、車種が増えれば、ねずみ算式に最終形態の数が増えていく。

そのようなことをデータベース化するよりは(ここではシステム化っぽい意味でのデータベース化です)、カンバンで対応し、部材を下で請けてもらい、自動車工場中心に集積化し、ジャスト・イン・タイムで製造する、といった部品点数が多い(在庫を持ち始めたらきりがない)自動車ならではの秀逸な製造方法である。


ただ、ジャスト・イン・タイムとは言っても、自動車が顧客に届くことを意味しているのではなく、安売りレクサス(HS)の納車待ちも約7カ月であるように[4]、工場で製造することにおいて、ジャスト・イン・タイムである意味合いは強い*。
*今年(2009年)5月のプリウス狂想曲の際の納車待ち(最大8ヶ月)[5]も含め、エコカー補助の影響は確かに否めない背景である。


さて、ここまでを纏めると:

この生産方法は、自動車を製造する点において、よく考えられ、地道な努力により築かれた方法である、ということである。

つづく


<参考>
[1] 「米自動車危機教訓と展望(上)一橋大学名誉教授野中郁次郎氏(経済教室)」, 2009/05/20, 日本経済新聞, 朝刊, 23面.
[2] 「米自動車危機教訓と展望(下)東京大学教授藤本隆宏氏(経済教室)」, 2009/05/22, 日本経済新聞, 朝刊, 29面.
[3] 「デンソー社長加藤宣明氏(上)トヨタ方式、浸透に奔走(私の課長時代)」, 2009/05/11, 日本経済新聞 朝刊, 11面.
[4] 「「レクサス」5年目の好調、ブランド・拡販どう両立――新HV車、低価格でヒット。」, 2009/08/25, 日経産業新聞, 13面.
[5] 「プリウス人気、業界地殻変動、発売1ヵ月で受注18万台突破。」, 2009/06/29, 日経産業新聞, 12面.



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November 18, 2009

プレゼンテーターのジレンマ

プレゼンテーション―――ビジネスパーソンであれば、誰もがプレゼンを経験しているであろう。今日の記事は“プレゼン”についてである。

例えば、下の資料に基づいて、自社の製品のパフォーマンスをプレゼンしなくてはならない場合がある。



研究者、技術者においては、このチャートは、明らかに頼りない気がする。販売員、マーケッターなどは、インパクトに欠ける資料だなぁ、と感じているに違いない。

多くの企業でそうあるように、技術者はデザインレビューを求められ、時間がかかるとはわかっていても(発表資料が見難くなるとしても、フォームが定められていても)、技術をレビューしなければならないことが社内規格で定められている。

その資料は事前の配布が求められ、後に各部門の承認後、決まったファイルへ保管することも決まっている。

多くの企業でそうあるように、マーケット部門、販売部門の担当者は、インパクトのある事柄、それに付随するプレゼンも、その資料もインパクト(=忘れにくさ)を求められ、プレゼンの数値の根拠などは、いちいち資料には記載しない。

お互い、そこで、いつも考えるのである・・・

「スピーカーはジレンマに追い込まれる。(中略)『スピーチをわかりやすく演出するビジュアルを生み出すべきか?それとも、会議後に読む資料のようなスライドを作成すべきか?』」と。
Garr Reynolds (著), 熊谷 小百合 (訳)『プレゼンテーション Zen』,ピアソン・エデュケーション,2009,p81.

いずれにせよ、プレゼンテーションはシンプルでなければならないし、報告書は、詳細をきっちり詰めていなくてはならない。結局、このジレンマは、プレゼン資料と配布資料(報告書など)をそれぞれ作成することで解消する。

その意味からも、実験報告書、調査報告書などの存在は大切なのである。


・・・学生の頃経験しましたよね。論文を完成させて、プレゼン資料を作成し始めると、かなり、シンプルに、いい流れで、自身の研究のポイントを主張できましたよね。。。とは言ってみたいものです。



パワーポイントのアクセントに写真はどうでしょうか?
--> http://www.sothei.net/howto/4_hwt_b.htm
*利用はルールを遵守してください。



*下の書籍も参考までに。


<参考書籍>
Garr Reynolds (著), 熊谷 小百合 (訳)『プレゼンテーション Zen』,ピアソン・エデュケーション,2009.




<関連書籍>

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November 15, 2009

中堅社員は何が求められているのか。

○連覇を果たしたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でのチーム運営
○名門復活を遂げた早大ラグビー部の意識変革
○昨年の西武ライオンズの権限委譲による自発性の育成など[1]、

近年、スポーツ界に限らず多くの組織において、ビジョン、ファクト(データ)分析、意識変革、権限委譲など、組織にとって重要な要素である人的資源管理、及び開発に関する議論が高まっている。

そういったなかで、中堅社員*の求められる役割と言えば何だろうか?
*中堅社員:参考の産業能率大学中央研究所の調査では、入社5~10年、20代後半~30代前半。

産業能率大学中央研究所の調査によれば[2]:

中堅社員の役割として、特に重要だと思うものを聞いたところ、「職場の後輩を計画的に指導・育成する(後輩の育成)」が72.5%でトップ。

と、「後輩の育成」が「自業務の改善」、「(目標達成に向けた)シナリオ構築」を押さえてトップであった。

該当の中堅社員と言えば、就職の状況も芳しくなく、入社すれば、失われた15年に見舞われた企業業績の悪化の影響で、人数が少ない中、多忙な世代である。

最も近い先輩は、団塊ジュニアで、これまた似た境遇である。その上はバブル世代で、話が合わない。

とはいうものの、この調査の回答者(調査対象)は、「中堅社員育成をテーマにしたフォーラム参加者(人事・教育担当)」なので、企業にとっては切実な声である。


ところが、次世代のリーダーの育成を最も重要に考えながら、「職場の後輩を計画的に指導・育成する(後輩の育成)」の遂行状況において、「遂行している」と答えたのはわずか3%である(5段階評価において)。


教育は眼に見えない投資ではあるが、以前の記事(ビジネスは結果か②)でも述べたが、着眼点は、すでにハードからソフトへ移行している。

厚生労働省の調査では:
人材育成投資額を増加した企業のうち、売上高が増加している企業の割合のほうがそうでない企業の割合よりも高くなっている(平成17年度能力開発基本調査 結果概要3より)。


確かに、現在の中堅社員の状況は厳しい。自らも学習しなければならない中、後輩の育成まで手がまわらないのが現状である。

だが、草野らがキーワードに挙げたキャリア開発(下の文献参考)を基に考えれば、企業組織の発展を念頭に、それぞれの役割において、後輩と共にスキルを磨くことは可能ではないだろうか。

共に学習することは、信頼性を育む。信頼性が相互尊敬を生み、当該組織の必要条件は満たされるであろう。

そのようなニーズと少子化により、大学の社会人教育も過去にないほど、充実し始めている。*参考までにリンク集です。

なにせ、日本の「10歳以上の日本人の学習時間は12分」なのである。


・・・今の日本では、少しの努力を継続すれば、周囲とは相当な差となるのです。


<参考>
[1] 「監督たちに学ぶマネジメント」日経産業新聞、2009年7月7日~17日の連載記事の内容を参考にしました。
[2] 産業能率大学中央研究所, 「企業における中堅社員の現状に関する調査
PDFはこちら
[3] 厚生労働省:「平成17年度 能力開発基本調査結果概要

*人的資源開発(HRD)に関する理論的系譜などは以下。
草野千秋, 久本憲夫, 「人的資源開発の理論的系譜と概念の整理―個人開発と組織をつなぐキャリア開発―」京都大学経済学研究科 Working Paper J-64, 2007年5月


<関連記事>
ビジネスは結果か②
10歳以上の日本人の学習時間は12分である。
リーダーの得意技は【測定系】の決定にある。
リーダーは、あっさり【譲る】ことも必要である。
リーダーは【他人の頭】をうまく使う。
リーダーは【平凡な人】を良く知っている。
リーダーは【先見性】を持っている。

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November 11, 2009

リーダーは【先見性】を持っている。

“先見性”-少し抽象的な言葉ではあるが、企業や問題解決チームのリーダーには、必要性が非常に高い資質の一つである。

“先見性”とは(恐らくは)-現状を正確に認識し、それをもとに将来を洞察する-ことであろう。また、それは“ビジョンを示すこと”や“不確実性に備える”行為かもしれない。

MBAなんていらない-
このセンセーショナルなタイトル(『MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方』)でミンツバーグはダメリーダーの資質を著した。

顧客や従業員、製品や工程に関する知識をろくにもっていない・・・

この議論は米国の教育が世界的にレベルが高い(とされている)故に、単なる経営学の修士課程卒業者に過大な期待と報酬を与えてしまった故であると思う(というより上記のリーダーはMBAに関係なくダメだろう)。

日本の場合、技術立国とされていた時代においても、理学、工学修士が米国のMBAのような厚遇を受けない反面、マネジメント能力が低い故に他国や地域の企業に出し抜かれることも多い(関連記事)。


技術者でいえば、“先見性”とは、行為で示せば“備える”ことであると思う。

たとえば、将来においての商品から、現時点で確立すべき技術を研究し、マネジメント的にはその価値を算出するなど*、である。これは上のダメリーダーにはできない行為である。


問題解決型のプロジェクトにおいても、リーダーは、(たとえそれが try and errorであっても)“次にすることを示すことができる人”が、本記事の主題に適合する人である。


備えるにせよ、次を示すことが出来るにせよ、これらは、従来型とは異なり、いわば、不確実性に対応していくのであるから、チームのタスクが多くなる傾向が強い。

ならば、結局は、「ヒーロー型のマネジメントを行なう傾向(参考書籍~はじめにより)」の強いリーダーよりは、内はチームに、幹部に、外には種々の機関に調和の取れる「調和型」のリーダーの方が適しているといえる。



・・・「調和型」のリーダーは不確実性に備えます。「ヒーロー型」のリーダーは自身の思う施策を実行します。ダメリーダーは責任回避のための言い訳を考えています。



<関連記事>
対応すべきはEUである。協調すべきは中国、韓国、台湾である。
リーダーの得意技は【測定系】の決定にある。
リーダーは、あっさり【譲る】ことも必要である。
リーダーは【他人の頭】をうまく使う。
リーダーは【平凡な人】を良く知っている。


<参考書籍>



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November 8, 2009

ネットでの決済システムは売上を左右する。

ネットでの買い物が多くなった。原則、クレジットカードを利用するが、これがまたうまくポイントが加算されていく仕組みになっている。

中にはポイントに関する達人もいてそのブログなどは面白い。最近では、携帯から買い物をする方も増加しているだろう。

私は、だいたい購入するサイトが決まっている。

そのなかの一つであるAmazonでは、原則、3クリック方式である(勝手にこう言ってます)。それは、購入したい商品を選択した後:

    ①購入の意志を表示する(“カートに入れる”)
    ②清算する(“レジにすすむ”)
    ③清算の確認を行なう(“注文を確定する”)
    *③は電子商取引では「訂正」を含む確認画面の表示は必須な項目で、省略できません(詳しくは千葉県産業振興センターのサイトを参照)。
    *Amazonでは“1-Clickで今すぐ買う”、というのもあります。

また、別の便利なサイトに価格.comがあるが、その両サイトについては以前に述べたことがある(関連記事)。

原則的にサイトの構築目的が異なるので、単純な比較はできないが、価格.comは、それ自体が決済システムを持ち運営している、というよりは、販売サイトへ行き、それぞれの決済なので、手続きが多い。


結局は、どのような顧客をターゲットにしているかによる。


+++++++++->

話は変わり、中年になると、ウェストは出てくるものである(法則か!?)。これまた、以前の洋服、スラックスなどのウェスト直しもネットを通じて行なうことができる。

少しの修正であれば、ユニクロ、ジーユー、H&Mなどで購入するほうも確かに安いが、わざわざ購入するより、以前の形の気に入っている服が着られるのであれば、安い買い物である(と思っている、太って以前の洋服がほぼ全滅し、取り返えそうとする気持ちからなのかぁ!?)。


何度か、利用したことがあるが、ネットで購入や見積もりを行い、いよいよ衣服を送付する段において、
①こちらから荷物を送る
②ショップ指定の運送業者が集荷する

のパターンがある。結論的には、送料の料金にもよるが、両方あったほうがいいのになぁと思う(結構1ショップ1パターンです。もちろん、ひとつのパターンの方が経営的には合理的ではある)。

一見、便利そうな②は少し時間がかかることがある。

例えば、日曜日の夜にウェストを直すサイトをサーフして、ウェスト直しを注文したとする(見積もりなどの諸々の準備はとりあえずこの場合は考えないとして)。

①の場合:日曜日の晩、もしくは月曜日に少し早く起きて、コンビニ等から直接送付すると、火曜日にはショップに届き、直しの是非を確認できる。
②の場合:この時点で、月曜受付なので集荷は火曜日となる。集荷の時間帯によれば(いや、こちらを利用するということはそうだろう)、ショップへの到着は木曜日だろう。

あとは、ショップの手直し期間にもよるが、たった数日のことではあるが、①の場合はもしかしたら週末には完成してるかも・・・という淡い期待を抱かせる。

決済に関しても、クレジットが原則的であるが、銀行振り込みというのもある。いや、銀行振り込みのみもある。ネットの銀行に口座があれば簡単だが…これは経営スタイルによる。洋裁、和裁で対面式の商売がメインで、ネットの注文が副業的なものであれば、それでいい。


ただ、ネットでの顧客は無言である。


なぜ、ショップが選ばれたのか、選ばれないのか、直接顧客を見ることが出来ないので、属性が把握しにくい。やはり、どのような顧客に選ばれているのかは重要な情報であり、年々の蓄積によりその情報の価値は高くなる。


・・・便利なはずのネット商売で、利便性が損なわれては、売れるものも売れません。経営資源と相談しながら…ですけどね。。。


*楽天が、「Edy」運営企業を子会社化しましたね[1]。楽天はポイントが充実しており、利用することもあるので(ビジネスパーソンの出張!)、うまくいくといいですね。来年はペイパル*も参入してくるので、ますます便利になりますよね。
*クレジットカード番号など個人情報を第三者に知られることなく、ネット通販の支払いや送金をできるのが特徴[2]。PayPal(wikipedia)


<関連記事>
Amazonと価格.com


<参考>
[1] 「楽天、電子マネー参入、「Edy」運営企業を子会社化へ――ネット通販、利用可能に。」,2009/11/06, 日本経済新聞, 11面.
[2] 「米イーベイ子会社、ネット決済日本参入、来年にも――通販向け、安全に。」,2009/11/06, 日本経済新聞夕刊, 1面.

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November 4, 2009

モジュール化する自動車産業の今後 2/2

自動車業界、周辺に生じ始めているイノベーションのジレンマはどのような帰結となるのであろうか。

既存企業が最も恐れるのは、ローエンド市場から破壊的にハイエンド市場へ侵食してくる場合であるが、その議論の焦点は、ターゲットになる顧客が変わるかどうかである。

それは、(既存企業が)対応可能かどうか、だからである。

もちろん、現在実施されているように、利益をもたらす顧客層を海外へ求めることは良質な経営判断である。

が、自動車業界に限らず、日本の伝統的製造業は、研究開発から生産まで一社で行なわれる、いわゆる“高コスト”な体質であるため、研究開発費用まで捻出するには、相当な利益を計上しなければならない。

また、ローエンド市場が形成されれば、対応できる術を持っていない(持たなくてもいいかもしれないが)。顧客の嗜好が、「50万でも3年乗れればいい」と“乗り捨て自動車感覚”なった場合は、日本に限れば、政治的な参入障壁(車検、税制などの法的な障壁)しか競争力を削ぐ術がない。

武石らは、2001年時において:

(環境対応などの)新しい技術が本格的に実用化されることになれば、自動車そのものの製品アーキテクチャも大幅に変化し、生産システム、企業間システムにも影響を与えずにはおかないだろう。次世代技術の行方と現行のモジュール化の動きが相互に作用しながら、自動車業界の新しいアーキテクチャ(製品、生産、企業間システム)が形成されていくだろう(下の文献より)。
とその調査論文を結んでいるが、今はその時となったのである。

このような流れのなかでは、“顧客”がイノベーションの源泉となる比重が高いものである。

そうなれば、顧客要求は変幻自在である。企業は、いろいろ、対応したくなるのが常ではあるが、これまでの議論内容に対応した施策は、日本の主要な自動車メーカーのブランドではない。

対応するなら、別企業が好適だろう(本体からの影響力は極力削いだ形態)。
他国企業のモノマネをしてみても、米国や中国のマネジメント力には劣ってしまう。

ならば、日本はCO2を25%削減する宣言をしたのだから(してしまった?)、古くは、厳しい排ガス規制を乗り切った歴史を、新たな競争軸として再考することも必要ではないだろうか。。。


・・・そうなれば、電池メーカーが自動車製造のイニシアティブを発揮するかもしれませんね。。。あ、トヨタは自動車でなくてもトヨタホームで住宅の高品質低価格化ができますね(トヨタなら住宅業界の規制を…)。



<関連記事>
モジュール化する自動車産業の今後 1/2


<参考文献、書籍>
武石彰, 藤本隆宏, 具承桓, 「自動車産業におけるモジュール化 自動車産業におけるモジュール化:製品・生産・調達システムの複合ヒエラルキー」ITMEディスカッションペーパー No.63 (2001年2月)





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November 1, 2009

モジュール化する自動車産業の今後 1/2

「電池のスペックは、中程度」
「定員4人」
「座席は黒」
「(安全)保障期間は3年」
「車体の色は…あ、これは選べないのか」
「で…価格は50万」
「納車は1週間後」

とPC上で自動車を注文することができる日は近いかもしれない(もちろん、法的な手続きは必要です!)。

あまりにも、電子化が進んだり、これまでの自動車メーカーを中心としたネットワークが変わったり、モジュール化*(記事下の注参照)が進むと、デルのPCのような自動車が誕生してしまう。

路面が発達していない国や地域であると、それに対応した自動車が必要であるが、特に、日本の大都市圏に住んでいれば、自動車をもたなくても十分に生活が可能であるし(子供が小さい時や年寄りを抱えている家族などの場合は必要です)、自動車も所有自体にステータスはなくなりつつある。

----->>>>
モジュール化-特に自動車産業におけるモジュール化は下に示す文献、書籍で研究されてきた。企業においてモジュール化により享受できることは、これまで実施してきた高品質低価格化をさらに進めることができることである**(記事下の注参照)。

また、燃料系のイノベーションにより、石油由来の燃料から電池由来の燃料への準備が進み、近年、その議論が高まりつつある地球温暖化の対策として燃料移行の大義名分が出来つつある。

いわゆる『自動車産業の終焉』で著されている従来の石油企業へ気を使わなくてもよくなりつつあるのである。

下に示すペーパーや書籍の発表時(大よそ2001年前後)に比して、加速的に制御は電子化が進み、いわゆる技術の担い手は、油まみれの職人から、机上のプログラマーへ変遷している。

また、基幹部分である電池でさえ、日本のナショナル・イノベーションシステムと言われた時代が懐かしいほど、海外での技術が発達している。

これらの発達は、クリステンセンが『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)』指摘するように、(いわゆる巨大企業は)種々の技術などが変遷していくと、その部材を供給するサプライヤー、そしてそれを求める顧客が変わってしまうため、従来の顧客をターゲットにしていては、対応できなくなるのである。


今、ゆっくりではあるが、イノベーションにジレンマが生じはじめているのである(つづく)。


<記事注>
*青木によれば:
「「モジュール」とは、半自律的なサブシステムであって、他の同様なサブシステムと一定のルールに基づいて互いに連結することにより、より複雑なシステムまたはプロセスを構成するものである。そして、一つの複雑なシステムまたはプロセスを一定の連結ルールに基づいて、独立に設計されうる半自律的なサブシステムに分割することを「モジュール化」、ある(連結)ルールの下で独立に設計されうるサブシステム(モジュール)を統合して、複雑なシステムまたはプロセスを構成することを「モジュラリティ」という。」
(『モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー)』, 東洋経済新報社, 2002, pp5-6, )

**武石らの文献(下の文献)では「はじめに」に3つの特徴を記載し、議論の混乱の原因を指摘している。
1.製品開発におけるモジュール化
2.生産のモジュール化
3.企業間システムのモジュール化
のなかで、本記事では主に“2”の場合の色合いが濃い。


<参考文献、書籍>
武石彰, 藤本隆宏, 具承桓, 「自動車産業におけるモジュール化 自動車産業におけるモジュール化:製品・生産・調達システムの複合ヒエラルキー」ITMEディスカッションペーパー No.63 (2001年2月)





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