QFD、TRIZ、タグチメソッドがどうして簡単に使えないのか。①

2010年3月7日

書籍

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QFD(品質機能展開)TRIZ(発明技法)、及びタグチメソッドは何故簡単に使えないのだろうか?


簡単に言えば、習得自体に時間がかかることと、習得には、“統計学”が要求されるからである。


確かに、統計解析のソフトウェアの発達は著しいが、その基本である統計学の素養があるのとないのでは・・・やはり、何でも土台はしっかりしているほうが理解も深いし、応用の幅も大きい。


これらの技法を解説する書籍は、入門編が多く、読めば、それぞれの技法を使用すれば、開発・設計で効率的に作業が進むであろう事は把握できる。

大きな企業であれば、階級別教育の中に含まれていることもあり、教育の機会はあることはある。が、卑近な経験からは、これらを習得しているのは、かなり少ない。


どれぐらいの期間が必要か?


シックスシグマのブラックベルトは4~6ヶ月で、実際にプロジェクトを担当しながら研修が進む。上記の手法も同様で、なにかしらのモデルケースは必要である。

さらに、ブラックベルトは、いわゆるDMAICを終了した後、DFSS(design for six sigma)*まで習得していれば、少しの自身の研究で、QFD、タグチメソッドはほぼ使用できるようになる。

*シックスシグマ活動における品質向上アプローチの1つ。製品やサービスを開発・生産・提供するに当たって要求品質が得られるようにするため、製造時ないし使用時の不確定要素に対するロバスト性(頑健性)が高くなるよう、設計を行うことをいう。一般にシックスシグマ(DMAIC)をマスターした組織が実施する。(@IT情報マネジメント用語事典より)


次に、連続して、TRIZのなかの何か(TRIZは手法が多いので)をマスターし始めるとなると・・・ここまでくれば、それは、何ヶ月単位ではないことがわかる。



・・・実践者よりほかに、管理者が“待つ”我慢が出来ません。


*記事も画像は投稿当時から追加したものです。
今後、若干ですが、それぞれについて述べていきたいと思います。


*これらの手法の習得は、自習もさることながら、セミナーを活用することもいいと思います。大手企業の方はこれらの手法は伝統的に教育講座がありますし、そうでない場合でも、多くの企業がセミナーを実施しています。

<関連記事>

<つづき>
QFD、TRIZ、タグチメソッドがどうして簡単に使えないのか。②


<関連書籍>
○TRIZに関して
超発明術TRIZシリーズ (1)』日経BP社
*この書籍はシリーズ(6)まであります。
*産業能率大学 総合研究所からも案内がありましたが、現在は絶版です。
*Amazonでも在庫がないようです(2010/2末の時点)。

Darrell Mann著、中川徹監訳『TRIZ 実践と効用 体系的技術革新』創造開発イニシアチブ,2004.
*大阪学院大学の中川徹先生が監訳されています(紹介ページはこちら
*「TRIZホームページ」―TRIZは、こういうWeb上で情報交換することの方が一般的で、日本では、中川先生が運営されているページのことです。まずは、このサイトを参考にしてください。
*大手書店で販売されている書籍の多くは、管理者向けで実践できるものではありません(TRIZはとても一冊では説明できない)。
*TRIZ実践者が納得できる数少ない書籍です。


○QFDに関して
QFD3部作はこちらです。
・赤尾, 『品質展開入門 (品質機能展開活用マニュアル)』,日科技連出版社, 1990.
・赤尾ら,『品質展開法(1) 品質機能展開活用マニュアル第2巻』, 日科技連出版社, 1990.
・赤尾ら,『品質展開法(2) 品質機能展開活用マニュアル第3巻』, 日科技連出版社, 1994.


○タグチメソッド(≒実験計画法)について
これについては、日本規格協会からの書籍が自習に適しています。
横山,『品質設計のための実験計画法 (品質工学講座)』, 日本規格協会, 1988.


あとは、統計解析ソフトを用いての練習も必要です。

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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