SEDの発売延期

2007年5月27日

MBA

t f B! P L
SEDテレビ発売は「未定」 キヤノンと東芝との報道がなされている。

液晶、プラズマ、SED、それぞれの技術進化は微妙にことなる。おそらくは、価格を度外視すればSEDがブラウン管の発展型なので、映像は最もよい。
しかしながら、液晶、プラズマは、すでにお客様のもとへ届けられているため、顧客の声から映像も著しく発展している。

製造業の基本は、「顧客の声」をモノにしていくことである。「薄型で綺麗な映像」がテレビに向けられた命題であるならば、顧客にとって技術は選択肢ではない。
顧客の声を製品に踏襲していく上で、最も利益が高いのは導入期~成長期である。その間に、企業は成熟期へ向けて、機能の付加、量産技術の確立など顧客からいただいた利益を利便性に変換しなければならない。

技術的な高度さを価格に結びつけるには、製品のマネジメントによるのである。


デジタル化までに行なわなければならないことは、薄型テレビの完成ではなく、その周辺機器(録画やPCとの連動)であることは、誰もがわかっていることではあるが、ビジネスというものは難しい。

「液晶・プラズマ陣営とも、巨額投資で基幹部品のパネルの増産を前倒しし、攻勢を強めている」とあるように、液晶、プラズマが市場に普及しているため、SEDはこれらの製造企業も壁になってしまう。
テレビの主流にしていく姿勢であれば、ロイヤリティを支払いながらも製造していくことも選択肢の一つである。が、算段にあわない事情があるのであろう。

この流れは、あまりよくない。製品・サービスの最後の競争は「価格」であり、その競争に入ると利益はなくなる。従業員に給料を支払うことが精一杯になり、常に事業再考の対象である。

ならば、無期延期であろう。
(契約違反が論点なのがややこしいが・・・)

液晶技術も当初から、こうなるとは誰も思っていなかった。ただ、シャープが育ててきたため花開いたとも言われている。

・・・中止も立派な経営判断である。

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