最近、リアルオプションにより、研究開発プロジェクトの評価価値が算出されるなどよく目にする。自身の論文でも取り上げているテーマでもある。
ただし、リアルオプションは万能ではない。
手法などでは、一般に(企業実務という観点で)知られる前の段階では、銀の弾丸扱いをしてしまう。
単に、研究開発で言えば、それを開始するための投資が有益かどうか計算する程度で、当然、その投資の前提にはシナリオがある。同じ「液晶テレビ」でも松下が開発するのとシャープが開発するのでは、シナリオが異なる。従って、価値も異なるのである。
特許の価値評価も同様で、特殊なケースを除いて、ある特許や技術の価値が一般的に算出できることはない。
やはり「液晶」に関する特許を松下が有するのと、シャープが有するのでは価値は異なってくる。
結局、効果を算出している段階での他部署との連携や技術や市場の予測・・・、そういったことを行なうことで、組織のレベルが向上することの効果のほうが大きい。
確かにロバストな面もある。
A企業が新技術を搭載した製品を発売するため開発の段階に入っている。初期投資も大きなものとなる。不確実性が競合企業のみだと仮定すると・・・いわゆるゲーム理論との融合である。競合企業であるB企業がこの情報をキャッチすれば、かつ、ほぼ同じ機能を運良く現行製品の改良で行なうことができれば、同時発売することがNash均衡を生み、A企業にとっては最悪である(B企業にとってはA企業を阻止することが目的なので)。
こんなことは、企業実務では暗黙に認知しているのだが・・・
・・・いずれにせよ、定量的なことは議論しやすいものである。
<参考>
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