これらの手法に共通することは、手技ではなく、プロセスである。
当該企業が利益を生むシステム、プロセスは様々である。そのプロセスおいて、制約条件になる因子が生産現場にあるのであれば、その問題、課題に対する対策を行なう。研究開発にあるのであれば、やはりそこに対策を行なう。いわゆるそのシステムの血流を良くすることがマネジャーの責務であり、血管の仕組みを作ることが、上級管理職の責務である。
ビジネス界でのある種の常識-ハイリスクハイリターン-リスクを取れる立場にあるから、高い給料を支払っているのである。品質を高めたい→シックスシグマ、在庫など無駄が多い→リーン生産、あまりに短絡的で、ほとんどノーリスクの意思決定は、上級管理職のメインワークではない。
コンサルタントを雇ってビジネスのやり方を教えてもらえば、もっと効率的になれると思っているが、それはたわごとだ。コンサルタントではなく、マネジャーがビジネスを立て直すのだ。(ジョエル・クルツマン他『MBA全1冊』日本経済新聞社, 2005, p166)
燃えている建物の消火活動は、マネジャーに任せればいい。上級管理職のタスクは、燃えない建物のしかけをつくることである。
仕掛けをつくれない、リスクをとれない・・・それは給料泥棒という。
しかしながら、現代の厳しい経営環境で上級管理職ばかりを責めることはできない。QC、TQMなど、確かに人気もなくなり、衰退しているように見えるが、従業員にとって、その中核にある統計的管理やプロセス思考は「ものづくり」には必須のスキルである。
変化の激しいビジネス界において、業務も多忙を極め、管理職同様従業員も疲弊しているのも事実である。だからといって安易にコンサルタントに任せるのではなく、企業は彼らを利用しなければならない。
行き着くところ、種々のビジネスシステムのイネーブラーは「教育」「学習」にかかっている。
グローバル化が進んだ企業の人材像は、よく国連が求める人材像が参考にされる。チークワークを遂行できるマインドやロジカルな思考は当然だが、複数のディグリィ、英語、フランス語・・・など生涯にわたり学習することをコミットしている人材像が求められる。
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さて、話は変わり:
「MBAっぽい内容が一冊程度でわかるような書籍ってないもんですかねぇ」
と聞かれることがある。
「う~ん・・・」正直な感想である。
MBAの内容は広く浅い面があるため、回答は難しいが、会計やマーケティングなどの各分野別に関しては、以下のリンクに、MBAで使用した書籍や先生が紹介してくださった書籍を載せています。
http://www.ilibrary.jp/MOTtextBooks/MBAbasic/MBABasic.html
http://www.ilibrary.jp/MOTtextBooks/MBAbasic/MBACategory.html
入り口になる書籍と言えば・・・不足分や不明な箇所はネットで補うことができる環境にあるので、それを考慮すると、以下のMBAに関する2冊、「グローバリゼーション」に関しては、下右の書籍はマネジャーには一般的な書籍です。
*英語の学習を重ねたい方は、原著の購入をお勧めします。
●『MBA全1冊』
→『MBA in a Box: Practical Ideas from the Best Brains in Business』
●『マネージャーのための・・・』
→『A Manager's Guide to Globalization: Six Skills for Success in a Changing World』
・・・秋の夜長の読書もいいのもです。
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