失敗の積み重ね―よく言われる台詞である。
特に、研究開発分野などトライアンドエラーと言われる。学術研究でも、これを体感している方が多いと思う。
これが企業では、若干変わってくる。
ひとつは、大学時代にそのような研究を経験せず(理系ではない)、また、企業でもそうでない業務の経験の方の場合(すべてではありません)、『まずこの実験、そして次にこの実験・・・』と予定通りに事が進むと思っている人は、あきれるぐらいに多い。
(それなら、苦労せんて)
予定は、次ぐらいである。次の実験の結果次第では・・・である。ならば、納期は、どうやって守るのか?という疑問があるが・・・
それは、所詮、博打なのである。
明日、終わるかもしれないし、10年かかるかもしれない。この目利きが担当者の能力の証明である。さらには、その技術の成功確率の目利きは価値評価者の能力の証明でもあろう。
だが、反面、目的の機能発現の方法は一つではない。複数の技術を組み合わせることも出来るし、今、進めている方向とは異なる方向の研究成果かもしれない。
だから、担当者は、少しでも機能発現が納期に間に合うように、失敗を積み重ねるのである。
失敗は、ゼロにはならない。実験などには、検証する仮説がある(だから実験するのだが)。少なくとも、「○○ではない」ということは言える。
○○ではない、■■ではない。△△ではない。▲▲ではない・・・
これらの結果を積み重ねながら、目的を達するに、さらに、進めるのか、別の方向性にするのか、かなり先のことまで考えた実験をするのか、チームは決めるのである。
・・・博打だからこそ、研究開発の価値評価に関する研究が存在できるのです。
っと、終わらない、終われない。ここまでは、正論であり、研究、開発などでの基本姿勢である。
では、この記事のタイトルでいう「3秒ゲーム」とは?それは、単なるストップウォッチで、"3.00"ちょうどでタイマーを止めるゲームである(別に3秒でなくてもいいのだが・・・)。
どんなゲームにもルールはある。ここでは、ストップウォッチを目視することをOKとし、10回以内に"3.00"ちょうどで止めることが出来たら「勝ち」としよう。
さて、どうする?いきなり、やりはじめてしまう?
恐らく、そのアプローチは三種類あると思う。
1.宝くじ的
-> とにかく、やる!"3.00"になるのは運であり、再現性、反復性は高くないので、当たる確率が低いので宝くじ的。暇つぶし的。学習による確率の向上は、試行回数が最大で10回では望みも薄い。
2.創発的
-> まさに、この記事での冒頭からの記載のやり方。1回1回のゲームを振り返りながら行なう。基礎研究的な要素があるのであれば、好適なアプローチ。
3.戦略的
-> このゲームの仕組みをある意味、無機質に捉える。
▽詳細な屁理屈―3.戦略的▽
このゲームでは、見た瞬間に止められるのであれば、宝くじ的な方法で十分である。
(いやいや、結構どうでもいい話になりつつあるが)ストップウォッチを止めるいわゆる行為の元である指と、検知する目には、タイムラグがある。これは、ゲームを始める前に把握できることである。
実務では、ゲームの押さえどころをある程度予測、推測して、始めることが鉄則である(ある意味これが、解析型の特性要因図の使用法のひとつといえる)。
タイムラグが分かれば、再現性、反復性が高くなり(やみくもにスタート、ストップするよりも)、成功確率が向上する。
で、最初の3-4回程度は、そのタイムラグを計測する(3.00でのストップは捨てる)。例えば、3秒の表示を見た時にストップボタンを押せば、大抵は、3.20~3.35付近になる。
そうであれば、4,5-10回目の試行では、2.7、2.8の表示が見えた時点でボタンを押せばいい。
(確かに、そのタイムラグには個人差があるが)10回を通して、1度3.00秒が表示されるかのゲームの成功確率では、ロバストな方法がモノをいう(10回の内何回が成功するかではない)。
『なんだ、ほかにもあるよ』
『最初の数回の説に見込みがなければ・・・』
と思われるかもしれないが――実務では、納期がある。実験や検証の時間が限られる中、顧客の要求に応えていくには、成功確率を高めることが要求される――という中では、納期までに繰り出すことの出来る実験、検証回数を把握し、時には創発的に、時には戦略的に、進めていくことが大切である。
・・・とはいうものの所詮は博打。マネジャーの視点が、いちいちの「成果」よりも、その成功確率を高めることができるかの「仕組み」にあるほうが、知的資源の価値を高めます。
*本記事冒頭及び最下部のイラストは、以下のサイトです。
-> dezinerfolio.com
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