効率的な分業の副作用は、部分最適化もしくは、カイゼン放棄(考えない)であり、肥大化の影響は、いうまでもなく、経営資源の肥大化=費用効果の逓減である。
このようなことに対して、一般的には、大企業病や官僚化などの表現がよく使われると思う。
対処は、「ゼロベース」から創っていくことであり*、要は文化を変えるほどの行為をしなければならない、ということである。例えば、大幅な人員削減、新たな人員採用により、人の入れ替えで文化を変えるなど(創業理念との関わりを鑑みながら)、大手術である。
そもそも、そのような状態になったのだから仕方がない。
また、組織内部に目をやると、おそらく、以下の法則が現実的に、働いているであろう。
* * * *
▽パーキンソンの法則
Wikipedia、IT情報マネジメント用語辞典
第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。 第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。 第三法則:拡大は複雑化を意味し、組織を腐敗させる。
また、「間接業務は目的とは関係なく、人の数に比例して増える」と組織が肥大化する法則性についても指摘している**。
▽ピーターの法則
Wikipedia―法則の「概論」より、
ピーターの法則は、「全ての有効な手段は、順次さらに困難な応用に適用され、やがては失敗する。」という、ありふれた現象の特別な事例である。
(中略)ある人材はその組織内で昇進できる限界点に達する。人は昇進を続けてやがて無能になるが、必ずしも高い地位がより難しい仕事であるという意味ではない。単純に、以前優秀であった仕事と仕事内容が異なるだけである。要求される技術をその人材が持ちあわせていないだけである。
例えば、工場勤務の優秀な職工が昇進して管理職になると、これまで得た技術が新しい仕事に役立たず無能になる。このようにして「仕事は、まだ不適当な地位にまで達していない人材によって成される。」こととなる。
* * * *
ピーターの法則では、要は、昇進するほどバカになるのは、昇進により新たな業務を行なう時、そのスキルは新入社員程度なのだから、事前に教育しておくことが最善の準備である。
パーキンソンの法則の場合は、ゼロベースで考えられる幹部、従業員の教育が好適な対策である(これは結構難事かもしれないが・・・)。
結局は、一番忘れやすく、簡単に省いてしまう“教育”に行き着いてしまう(このブログはそういう論旨なので、御勘弁を…)。
企業に期待してもはじまらないので、種々の情報が容易く手に入る現代では、自らを訓練する=学習することを、自律して進めていくことが大切でなのである。
・・・簡単な話、今後、ますます直面する答えのないビジネスにおいては、訓練された、また自前な行動を取れる(経営陣を含めた)従業員しか役に立ちません。
*及び**「大前研一の日本のカラクリ」,PRESIDENT 2010.2.1号,pp82-83.
<関連書籍>
C.N.パーキンソン著, 森永晴彦訳, 『パーキンソンの法則』至誠堂, 1996.
*記事の内容と写真は関係ありません。
photo by Sothei
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