経済が不調な昨今、企業の会議室ではよく言われている台詞:
「前年に比して、売上が5%減少しています。」
「製品の・・・が顧客に受け入れられず・・・市場の反応が悪く・・・ゴニョゴニョ。。。」
と続き、いつのまにか、この5%を回復しなくてはならない議論へ収斂していく。
パーセントの魔力は恐ろしい。
この魔法の使い手は、責任回避が得意技であることが多い。
そうそう、“パーセントは実数で!”これが事実ベースで話ができる鉄則である。分子と分母を把握することが肝要である。
例えば、以下のようなケースを見てみる。
売上高と利益率の推移
1999-2009年、単位:億円、%
確かに、前年に比べて、2009年度は売上高が5%落ちている(そのように作ってるやん!はさておき・・・あくまで例です)
利益率が5%程度―――一般的には、(業種は異なれ)製造業では、この程度がやっていける数字であろう(自動車はもう少し高めですが)。
いや、2009年度に着目すると、利益率はむしろ伸びている。そう、ピンと来た人は多い。これは、ものづくり企業であれば、工場が頑張ったケースが多い(10年成長していない事はさておき)。
売上高が減少し、利益率を高めるのは、固定費用を削減したのであろう、と推定されるからである。
いや、待て。。。売上高が減少したのは、はたして有意性があるのだろうか?確かに、10年前からのデータを並べて、統計的な検定を行なったところで、経済環境が異なるなど、たとえ、有意性があろうとも、なかろうとも、判定は困難ではあるが・・・
そうなのである。対外的には、リーマンショックなどの大きな理由を述べることはできるが、企業内部では、この場合、5%≒2.5億円もの金額が減少した内訳を、推定ベースで分析しなければならないのである。
経済環境が悪いのであれば、具体的に、家計のどの部分の支出がどの程度減少している、○○国、地域の個人消費がどの程度減少しているので輸出が減っている、また、事業的には、どの地域が減少、どの年代が減少、どの販売形態が減少、百貨店?コンビニ?大型スーパー?
企業には、独自の分析がある。それは、表にはなかなか出てこない。出す訳がない。
会議を効率的にすることは、会議自体の開催、進め方に問題があるというより、事前の準備に問題があることが多い。実は、“会議”という行為自体は、結構な人数を拘束するので、お金がかかっている。
準備不足、分析不足で、あさっての方向に議論が行けば・・・
・・・それが原因で、会議は資源の無駄遣いになります。
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