おそらく、小集団活動やシックスシグマなどのプロジェクトを体系的にまとめている企業の担当者は、ため息をつきながら、こう言っただろう。
“最初”――― それは、問題を定義したり、何かしらのデータを測定したり・・・というより、その測定そのものに問題があるのである。
なので、問題を定義しようにも、根拠、論拠になっている数字が怪しい・・・
測定に関して、重要なことがらは2つ―方法と精度―である。記事は、その確からしさを確かめる“GageR&R”の考え方を、方法と精度にわけて述べていきたい。
*統計解析ソフトMinitabによるGageR&Rの様子。
<方法について>
まず“方法”であるが、ある部品の寸法に関して、測定すると10.0mmであるという。
これを聞いたあなたの正しい質問は、「誰が、何で(どの測定器?)測定した?」である。
大切なことは、反復性と再現性だからである。
○反復性
10.0mmという数字は、Aさんがもう一度測定しても10.0mmなのだろうか?
○再現性
Aさん、Bさん及びCさんが測定しても、(同じ測定対象のサンプルが)10.0mmだろうか?Aさんだけが測定しても、このノギスとあのノギスで同じだろうか?
また、どの種類の測定器を使用した?
定規?ノギス?投影機*?
いや、もっと細かく言えば、数あるノギスでも、ノギス間では同じか?
このようなことを、統計的に調べていくことをGageR&Rという。
ゲージR&Rとは、製造分野において測定法の有効性をテストする最も一般的な方法です。一つの測定法をさまざまな環境で繰り返し実施し、「正確性」「反復性」「再現性」「安定性」の4つの基準に照らして判定します。連続データの測定に使われるのが一般的ですが、応用すれば不連続データの測定方法のチェックにも使用できます。
(ミツエーリンクス)
(ミツエーリンクス)
*フリーソフトで実施するには・・・
こんなことで、そんなことで本当に?と思われるかもしれないが、意外に多いのは、企業間での話である。要は、受注した業者と発注した業者の検査では、測定方法が異なるので、微妙な違いを生むのである。
あの企業と、この企業の10.0mmは違うものと考えたほうがいい。
・・・寸法は、結構あいまいなものである。
→「データのズレ―それは、測定器の違いです。2/2」 へつづく。
*2024年でも、測定システムの大切さは変わっていません。
「続・シックスシグマ(データを測定する;ゲージR&Rの大切さ)」にてその内容を再確認してます。
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