続・シックスシグマ(データを測定する;ゲージR&Rの大切さ)

2024年2月25日

シックスシグマ

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 シックスシグマの体験をまとめた体験記の中で、データの測定に関し、シックスシグマ⑯(データを測定する)という記事を投稿しました。16年経過しましたが、その続編です。



過去記事の要約(by ChatGPT)

このブログ投稿では、シックスシグマプロジェクトにおける製品生産性向上のために、データの正確な測定がいかに重要であるかを説明しています。測定の精度、繰り返し可能性、再現性、安定性を確保する必要性、統計テストとソフトウェアの使用を含む測定品質を確保するためのステップが概説されています。適切なデータ測定の複雑さが強調されつつ、プロジェクトにおける成功分析と改善のための必要性が強調されています。


今でもお馴染みの「測定システム」の確立。特に、自動車関連で受注している企業では、監査の項目でお馴染みとなっていると思います(IATFコアツール)。


ただ、意外に測定問題は根が深く、未だに問題となっているシーンが散見されます。従って、ここでは、備忘録的にばらつきに関して記載します。


「ばらつき」と言っても、「実際の工程のばらつき」と「測定ばらつき」があります。シックスシグマの活動で、ブラックベルトがまず目指すのは、とにかく安定です。ある目標値が目標より高くとも低くとも、ばらつきを小さくし安定していないと、そのプロセスの改善が困難になるからです。


測定システムで気をつける点

測定値のばらつきを確認します。例えば、寸法をノギスで測定するケースでは;

 ―正確性:寸法測定だと標準片などにより確認
 ―反復性:同じ人が何回測定しても同じ値か?そのばらつきは?
 ―安定性:時間を置いて測定した場合のばらつきは?
 ―直線性:当該測定器の推奨測定範囲の中で、小さい(大きい)ほど、誤差が大きいなど(また、温度に敏感な測定対象の場合は、測定室の温度の幅でどうかも確認することがある)

そして再現性:測定者によって変わらないか?


ゲージR&R

上記のうち、よくネットでも散見されるゲージR&Rというのは、反復性、再現性を評価しています。*アウトプットとして知覚区分数など(参考 日科技連HPの解説
*有料ですが、econoshift社 HPにて、ゲージR&R分析 エクセルテンプレートが提供されています。
*統計ソフトMinitabでの解析は書籍では『IATF 16949のための統計的品質管理: SPC・MSA・抜取検査・多変量解析』(日科技連, 2023)にて解説されています。


この評価は、当然ながら、安定性や直線性など上記のことは成立しているものとして実施されます。


一度、苦い経験がありました。それは、測定対象がペースト状のもので、データを測定していたのですが、プロジェクトが進むにあたって、「測定値は本当にその条件の代表値か?」ということがありました。


当然、ゲージR&Rは実施済でしたが、残念ながら、ごく基本的なことですが、時間が経過すると、測定対象のペースト状素材は粘度が変化し、時間とともに異なる値を示していることが判明し、フェーズを戻さざるを得ない状況となりました。


また、未だに顧客から「寸法が規格より小さい(大きい)」と、顧客と自社の測定に誤差がある場合もあります(JIS等の規格に従う測定の場合はこの限りではありません)。


シックスシグマの研修の際(20年ほど前)、教育を担当していた企業の方がおっしゃっていたのは、多くの企業のプロジェクトを見ていると、意外に測定の問題がネックになっているケースが多い、とのことでしたが、それは、今でも変わりません



・・・慣れ、油断を排し、測定システムは確立しましょう。


関連記事)データのズレ―それは、測定器の違いです。1/2

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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