各種の年始の記事では、当年の見通しが散見される。もう随分の間、良い内容を聞くことが少なくなってきていることは、ご存知のとおりである。
だが、国境の概念がグローバルである企業はしたたかであり、今後、赤丸急上昇の新興国への対応を行っている。
例えば、パナソニックのように、新卒のほとんどを海外の人員に充てる(新卒の概念は日本独特だが)、楽天やユニクロのように本格的に英語中心で操業していくなど、着実に準備、実行しつつある。
この経営的な判断は、世界の市場の大きさから鑑みると、差し迫っていた案件であった。リーマンショックがあったとはいえ、経済圏という概念では、現在、EUの合算したGDPは、米国を上回り、次いで中国、日本である*。
* World Economic Outlook Database October 2010 Edition(IMF) にて詳細なデータを閲覧できます。
だが、BRICsにはじまり、ベトナム、インドネシア、トルコ、タイ、メキシコなどの新興国では、IMFの資料によると、もう5年後の2014,5年ぐらいでは、これら新興国の国々のGDPの合計は、EU、米国の約2倍にまで成長していると推測されている。
確かに、日本の将来を明るく語ることは少ないが、ラッキーなことは、成長著しい新興国の多くは、アジアに集中していることであり、地理的に恵まれていることである。
だが、従来のやり方―――真摯に経営に取り組まず、行事などの運営の真似事みたいなことを習得していくことが、当該組織の帝王学となっていること―――では、お金の流れが変化してきた現在では、利得を得にくくなってきている。
とはいうものの、やり方次第では、生き残ることが可能なので、チャンスは大きい。新たな機会(裏返せば脅威)に対応していくことは、企業経営の常である。
・・・"Chance favours the prepared mind"
「好機は準備している者にのみ訪れる**。」(パスツール〈Pasteur〉)
** Pasteur, L. (1854) Address given on the inauguration of the Faculty of Science, University of Lille, 7 December. Reproduced in Oxford Dictionary of Quotations. Oxford University Press.
(ジョー ティッド , キース パビット, ジョン ベサント, 後藤晃 (翻訳), 鈴木潤 (翻訳) ,『イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』, NTT出版, 2004, p90より引用。)
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本記事の画像は、サイト「十五夜」の“銀時計”です。
-> http://ju-goya.com/
photo by Maco
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