社会人MBA-技術者編

February 24, 2008

HD-DVD or Blu-ray ?

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

東芝がHD-DVDから事実上撤退した(『東芝、HD―DVD撤退、西田社長会見、「勝ち目なしと判断」、ワーナーの転換響く。』2008/02/20, 日本経済新聞)。

ベータ・VHS戦争の因縁

『新世代DVD東芝撤退の深層(中)因縁ソニーに初の敗北―次の競争、早くも予兆』2008/02/22, 日本経済新聞」、

「コップの中」の競争

「日本の電機業界という小さなコップの中で国内メーカーが繰り広げた開発競争の果実を得たのは映像ソフト市場を拡大した米映画業界と中国の機器メーカーという構図(『新世代DVD東芝撤退の深層(下)電機、「コップの中」の競争、米中のはざまで消耗戦』2008/02/23, 日本経済新聞)」

など、種々言われている。

これまでの規格競争において、消費者の観点から:
ベータ・VHSは当時 →「録画」機能を要求していた。
プラズマ・液晶 →「大画面薄型TV」なるもの欲しかった。
HD-DVD・Blu-ray →「大容量記憶媒体」が欲しかった。

となれば、どちらでも良いわけで、負けた規格の所有者はいい迷惑である。なぜ、ここまで電機メーカーは競争するのか?

それは、標準化された製品の利益が莫大であると見込んでいるからである。(日本の企業は製品から利益を得る事業戦略が多い)。

ひと昔前のDVDの規格競争は『国際競争とグローバル・スタンダード―事例にみる標準化ビジネスモデルとは』に詳しいが、例え標準化が首尾よく進んだとしても、利益にならないこともある(現在のDVDを見ると)。しかし、それはやらなければならない、やらないこと自体が負けなのである。

今回の問題はベータ・VHSよりやや複雑で、大容量記憶媒体とはいっても、ハードディスクで十分であるし、半導体といえども、ipod touch(http://www.apple.com/jp/ipodtouch/)のように大きく技術は進歩している。

つまり、すでに、代替品が存在するのである(もちろん代替出来ない部分はあります)。

「勝者は誰か?」といわれるが、企業の目的は利益を計上することなので、負けると分れば、さっさと撤退することも英断である。それは、次の勝利への第一歩を歩みはじめているかもしれないからである。

ただ、規格の競争という点では、上記のいずれでも負けていない企業がある。

・・・松下電器産業である。


<DVDにおける標準化競争の参考書籍>

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February 19, 2008

シックスシグマ⑱(どう分析するのか?)

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

プロジェクトは生産効率を向上させる(=例えば、100単位/分の生産を120単位/分など)ことで、約20弱ある生産工程から律速になっている工程をカイゼンすることを目的に、当該工程を事前調査していった。

ある程度、要因を把握し、問題解決型の活動へと進めてきたのがここまでの記事である。

そのなかで、最も問題となったのは、「ある仕掛品が搬送中に割れてしまう」という単純なものであった。さすがに、管理下にあるだけあり、これまでに大きな問題は解決済みであった。

さて、これまで述べてきた手法で、ここから、実際に特性要因図を用いるが、この問題に影響を及ぼすのは3要因であった。で、それぞれの要因について生産上管理されていない箇所のデータを新たに取得し、管理されているデータとあわせることで、分析の舞台を整えた。

当たり前の話だが、D(問題定義)、M(測定)のフェーズはシックスシグマ(に限らないが)では最も重要である。

前回の記事の図から、この問題で使用する統計解析はANOVAである。その前に取得したデータの等分散検定を行うが、事前にデータが正規分布か否かの検定を行わなければならない(Y.SwetakeさんのHP-エクセル用のマクロプログラムでは、エクセルで使用できるマクロをダウンロードできます。有難い!)。

そして、等分散かどうか検定し(これはエクセルの分析ツールで使用できます)、平均値を検定したり、バラツキの影響を数値化したりするのである。(ちなみに、搬送路をカイゼンし前回の記事の図の下限を下げるという方法もあったが、繁忙期がつづくため、それは却下されていた。)

そして、ようやく、バラツキを低減する原因を捕まえたが、それは、生産工程のレイアウトを変更することが必要で、通常であれば実施することができるが、研修プロジェクトの期間が繁忙期であり、実施にGOサインが出ていなかった。

そうすると、平均値をシフトすることが解決策となるが、それは、素材の設定見直しが必要で、開発チームは、すでに、実験計画法を用いて最適化を行ってはいたが、これはこれで仕様自体を変更しなければならず、時間のかかる解決策となってしまう(品質確認期間が必要のため)。

・・・若輩者のチームリーダーが率いるチームは万策尽きたのであろうか。。。


(「シックスシグマ⑱(どう分析するのか?)」了)
*ブログ中の図はクリックすれば、拡大されます。
*本ブログ記事の下「Labels」の「シックスシグマ」をクリックすると、シックスシグマに関する記事が一括掲載されます。

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February 17, 2008

シックスシグマ⑰(工程能力の算出)

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

データの取得前後で、当該工程の工程能力指数を算出しなければならないが、少なくとも現状を数字で把握できることと、シックスシグマでは、①「現状は○○シグマレベルです」としなければならないこと、②時に素人実務家(当該分野に関係しないという意味で)がリーダーに抜擢されること、からシグマレベルは認識の共有化が容易ではある。

さて、取り組んだ当該工程の問題点は以下のグラフの青線の分布のように、(データを正規分布だとすると)一見、下限に対して、分布しているようだが、これだと工程能力指数(=Cpk)は1.0程度となり、約0.3%程度の下限割れが発生していることになる。簡易的にはCpk×3≒3.0(Cpkと"3"の積)なので、「レベルは3シグマレベル」といえる。

特に、この工程では仕様を定めていなかったが、問題が発生する現象と生産技術的な課題をシミュレーションし、下限を定めた結果であったので、信頼性が高かった。



*   *   *   *   *

●工程能力指数(=Cpk)に関して:
①上限規格のみの場合:Cpu = (上限規格値 - 平均値)/3σ
②下限規格のみの場合:Cpl = (下限規格値 - 平均値)/3σ
両側規格の場合:Cpu と Cpl の小さい方の値をCpkとする。
シックスシグマの活動では、統計ソフトが抱き合わせのためエクセルで求めることはなかったが、エクセルで求めたい方はY.SwetakeさんのHPでエクセルでも算出できるマクロがUPされていますのでご参照ください。
*工程能力に関する詳しい式はこちら。

●正規分布の特徴に関して:
形状は釣り鐘型で左右対称(平均値=中央値)。
±1σの区間には、68.28%、±2σの区間には、95.46%、±3σの区間には、99.73%のデータが存在する。

*   *   *   *   *

このような時、カイゼンの方向性としては:
①橙色の分布のようにバラツキを低減する。
②赤色の分布のように平均値をシフトする。
③両方を同時に行なう。

が考えられる(当たり前!)。ここからチームは、その効果と取得したデータを分析し、出来れば「安価で最も効果の高い」改善策を見出すことが目的となる。

安価でない場合は、今回の取り組みの効果は、それなりのリソースを投入したが、効果の大きなプロジェクトであるため、費用対効果の問題となる。

実務の実感としては、シックスシグマは「トップダウン」を尊重するため、大型のカイゼンには好適で、ボトルネックを対象とする。残りの要因を小集団で地道に活動すれば、うまくカイゼンサイクルが回ると思う。

・・・ただし、発表ネタがないからと言って、小集団活動を無理無理に発表ネタにしてしまうと、現場実務のメンバーのモチベーションを下げてしまうのでご注意を。

(「シックスシグマ⑰(工程能力の算出)」了)
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February 15, 2008

シックスシグマ⑯(データを測定する)

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

取り組んだプロジェクトの特徴は、「製品の生産性を向上する」もので、トップから目標が明示されている。年間数千万の効果が予想され、それなりに資源を投入する。

このような大型のカイゼンプロジェクトでは、パレートチャートを用い、効果の大きな因子から取り組むことが成果を享受しやすい。残りの因子は小集団活動などを用いて継続していけば問題ない。

ここまで、生産ラインのボトルネックを抽出し、そのプロセスを視覚化、FMEAや特性要因図を用い、要因を抽出、評価してきた。

次に行なうのは「データの測定」なのだが、ここがしっかりしないと、後の「分析」が全く活きてこなくなる。

例えば、製品の寸法Aを測定する時:
●ノギスと投影機(測定システムの違い)で測っている
●何回か測定すると(鈴木さんは疲れてしまって!?)値が違ってくる
●鈴木さんと田中さんでは違う、サプライヤーと当該企業で違う

などなど、「正確性」「反復性」「再現性」「安定性」に留意しなければならない(参考:ゲージR&R)。

簡易的には、第一に測定器は統一する。
第二に、何人かの測定者がいるのであれば、10個(~30個)のあらかじめ(例えば寸法)が分っている(or 基準となる測定者が測定した)ものを測定し、等分散検定でバラつき、t-検定で平均値に有意性がないか(測定者に対し)確認する。
第三に、上の項目を何回か行い、同一測定者で異なっていないか同様に検定する。
有意性が認められなければ、測定に入る。

と、面倒くさい!(確かに)、統計ソフトも持ってない!という方は、技術・工学でダウンロードでき(”ゲージR&R”フリー)、利用できます。

*統計ソフトは最終的には使用できることが望ましいです。
(「シックスシグマ⑮(データを測定する)」了)
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February 12, 2008

史上最悪!

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

最近、サブプライムに波及した経済動向が語られることが多くなっている。日本は乗り遅れた分、損失も個人保有資産の総計である約1,500兆円から見れば小さいといえる。

ただ、これにより日本の株価が下落していることは残念なことである。さらに、このような状況で有効な金利を下げる行為も日本には下げシロがない。

同じようなことは米国でも行なわれているが、(米国での)サブプライムの問題と景気回復のための金利低下の誘導は、どうも、私にはしっくりこない。また、ことさらに、日本の株価低迷をサブプライムへ結びつけることもしっくりきていない。

前者は、景気に関する影響はインフレの方が問題では?サブプライムは金融問題?
後者は、外国人が日本市場から手仕舞いした影響の方が寄与率が高いのでは?

などなど、しっくりこないことも経済なのなだなぁ、とも考える。

以下の記事は、George Sorosが発表したもので「今回の問題は、過去にあったバブルの経験ではなく、(国際的準備通貨である)ドルの信用拡大の"super boom"が収縮へ向かう経験したことのない金融危機」であるらしい。

米国の保護主義を含めると世界的には緊張が生じるが、世界的に余っている余剰資金が、この最中にどこに向かい、どう影響するかはわからない。

ひとつ分っていることは、この余剰資金はとても臆病である、ということである。

http://www.ft.com/cms/s/0/1a7af090-c956-11dc-9807-000077b07658.html

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February 10, 2008

電機大手3社が過去最高益

2007年10-12月期の業績が発表された。

「電機メーカー大手のソニー松下電器産業の純利益がそろって過去最高を更新した」(2008/02/01,日本経済新聞)
さらに、シャープは「営業利益の五割近くを液晶パネルが稼ぎ、四半期業績として過去最高を更新した」(2008/02/02,日本経済新聞)

大手量販店の影響力が強くなり、価格の下落が加速化される状況において、”ブランド”が付加価値となったともいえる。

このことと、松下電器産業の社名変更について合わせて考える。

近年は、時価総額が重要視され、「株価」は上場企業にとって非常に重要である。価格の急落は時価総額の下落を意味する。かといって、短期的な戦略ばかり実施していたのでは、次代を担う研究開発力が削がれてしまい、この短期、長期の両輪をマネージすることは現代経営において極めて重要な視点となりつつある。

株式市場でいうと、外国人比率が高いため(日本市場)、出来ればブランド=企業名であることが望ましい。Panasonic製品を贔屓にする株主候補生でも「松下電器産業」を検索し購入するより、ソニーのほうが購入しやすい。

従って、ようやくという感じはあるが、Panasonicへの社名変更は、その代償は大きいがウェルカムなのである。

このことから考えると、「鋭い」はグローバル展開に置いて・・・ではなく「シャープ」はグローバル展開に置いて、世界の共通語が英語であることを考えると、このように何のことだか分らなくなるため(名詞ではないため)、ロゴを作成するなど、ブランドの戦略を迫られている。

これは、上場したのであるから仕方がないことである。”ファーストリテイリング”とは理念を持ち経営しているのであるが、ユニクロであることは意外に知られていない。

しかしながら、ブランド名=企業名であることは絶対ではなく、当該企業の経営者が何年先を見据えてブランド戦略を打ち出しているのかによるもので、市場へ買い物に来たものは「現在」付近を気にするものであるであるから、このような議論も持ち上がる訳である。

・・・要は企業は成長しなければ負けなのである。

photo(C)Maco

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February 9, 2008

シックスシグマ⑮(特性要因図)

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

さて、チームでは更に、「特性要因図」を作成しなければならなかった。「特性要因図」とは下に示すように、品質特性に対して、要因を挙げていくもので詳細は以下になります。

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特性要因図は、「品質管理で工程(要因の集まり)を管理して、達成すべき品質特性(結果)を得るべきである」(石川馨,『日本的品質管理―TQCとは何か』日科技連より)との考えのもと開発されたもので、以下のようにも呼ばれています。

•特性要因図(cause and effect diagram)
•石川ダイアグラム(Ishikawa diagram)
•魚の骨(fishbone diagram)

下図が石川が示した特性要因図です。



「結果」とは達成すべき品質特性のことで、それらを達成するために、「人」「設備」「原料」「測定方法」や「方法」(当該工程での方法;例:混合方法、圧縮方法など)など、「要因」の集まりから構成されています。
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プロセスを視覚化し、FMEA、特性要因図を作成する・・・ここまですると、問題が解決の方向に向かっていると錯覚してしまいます。シックスシグマのブラックベルトに関わらず、チームのリーダーに必要な視点は、この段階では、「問題解決に邁進する」より「問題を発見する」という姿勢を強めることです。

コンサルタントと呼ばれる人達の優れた能力は種々のツールの知識もありますが、取り組む課題の概要を把握し、問題を発見する能力です。

そうであれば、ツールはそのように使用すべきですが(紹介したFMEA、特性要因図でも?と思われる方もいらっしゃると思います)、本ブログで紹介した内容も、実際にはそうでない場合があります(例えば、ISOの為、デザイン・レビューの為のような体裁を整えるためなど)。

私の実務経験では、おかしいんじゃないの?と考えられることは正しいと思います。やりやすい方法と体裁を整えなければならない方法とは異なります(”体裁”が顧客要求であることが多いからです)。

今回は研修ということを考えれば、杓子定規な方法は仕方ない面もありますが、やはり、2,3度経験し、「習うより慣れろ」で漸進的に進めていく方がチーム育成、メンバー育成という観点から適していると思います。

例えば:
<FMEA>
•FMEAでのコラムの内容は?
•10段階評価は多すぎないか?
•故障と故障モードの違いを把握しているか?

<特性要因図>
•それは原因を究明するものか?
•予防的管理を促すものなのか?

<プロジェクト自体>
•それは大きな投資が必要で、失敗できないものなのか?
•メンバーの教育目的が大きく、小集団的(ボトムアップ的)なものなのか?

など、チームの編成も目的も異なれば、問題を解決するアプローチも異なります。

経営者は最終的には人材を育成しなければ、持続可能な成長を実現するメンバーが育ちませんし、従業者は、言われたことをソツなくこなすだけでは、40代や50代になった時、余程の専門性を持つか、企業が潤っていなければ、若い従業者(それは正社員ではないかもしれません)に代わってしまいます。

そういった意味で、シックスシグマやその他の手法を使用する時は、常に組織に目を配りながら自社化していく姿勢が最も重要になります。

(「シックスシグマ⑮(特性要因図)」了)
*ブログ中の図はクリックすれば、拡大されます。
*本ブログ記事の下「Labels」の「シックスシグマ」をクリックすると、シックスシグマに関する記事が一括掲載されます。
*実務でFMEA、FTA、特性要因図を使用していくには客観的TQMのサイトが非常に参考になります。

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February 6, 2008

シックスシグマ⑭補足(開発(設計)FMEA②)

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

今回は、前回の開発(設計)FMEAの続きです。

前回のように、システム(例では電池)を”機能”を意識してサブシステム(例の場合、電池の構成部材)にまで展開しました。今回はそれらを用いてFMEA解析します。



まず、故障モードを前回行なった機能の分類に従い「機能品」として記載します。続いて、その故障の「推定原因」、その故障モードが影響する機能品(例では”安全機構部”:どこで防ぐのかを考える)、システムへの影響(例ではその故障モードにより電池がどうなるのか)、故障モードの検知法、及び防止のための方策を、それぞれ記載します。(図はクリックすると拡大できます)



続いて、上図の基準に従い、故障評点、故障等級計算、致命度評点を行ないます。図での故障等級は”安全→危険”の順に”青→黄→赤”と色付けしています。設計上は、第一に”赤”の領域、次に”黄”で致命度評点が高い順に改良や再設計が必要になります(が、これは製品により異なってくると思います)。

これらは、エクセルなどの表計算ソフトを用いると間便に行なうことができ、「習うより慣れろ」で使用していくうちに理解が進みますし、製品開発のどのようなシーンで使用すれば適切なのかの理解も進み、経験を蓄積することで、当該企業の大きな知的財産にもなります。

組織的には、これらの評点を行なう際に、開発チームで行なうことで様々な議論が進み、チームの製品への理解が進みます。

このような手法やツールは、この組織への好影響が成果のほとんどと言っても過言ではありません。

*最初の善意の作成者の方は学習に苦労されますが、「チームの専門知識(この場合は設計技術)の習得は、何より組織に大きな好影響を与える」ということを考えると、その自己犠牲は何よりも当該企業に貢献している姿であるといえます。

(「シックスシグマ⑭補足(開発(設計)FMEA②)」了)
*ブログ中の図はクリックすれば、拡大されます。
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February 4, 2008

シックスシグマ⑭補足(開発(設計)FMEA①)

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

開発(設計)FMEAは、これまで記載してきた工程FMEAとは大きく異なり、開発チームや設計部門が中心になり分析されます。使用するシーンは、製品ライフサイクルで言えば、主に成熟期以降が多く、成長期にはQFD(品質機能展開)と併用すると効果的で、新設計や設計変更の要否を「故障」「致命度」の観点から分析することが可能です。

本ブログは「習うより慣れろ」であるから、実際に例を挙げ分析してみます。FMEA・FTA実施法―信頼性・安全性解析と評価 (1982年)は私にとって非常に良書であるため、今回はそれを参考に記載していきます。

まず、以下が実施手順です。
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1.システムの機能、構成をブロック図で示す。
2.FMEAを実施しようとするシステム、サブシステムの任務(構成品の機能など)を確認する。
3.FMEAを実施しようとするシステム、サブシステムの分解レベルを決める。(通常は構成品のレベルまで)
4.機能図、システム明細書などを調べて、それぞれ機能別ブロックを決める。
5.機能別ブロックからサブシステムの信頼性ブロック図を作成する。
6.ブロックごとに故障モードを列挙する。
7.列挙した故障モードを整理して、FMEAの実施に効果的な故障モードを選定する。
8.選定した故障モードごとに推定原因を列挙する。
9.FMEAに要約を書き入れる。
10.設計条件、致命度分類基準を参考にFMEAをまとめる。
11.故障等級の高いものについて、設計変更の要否などの検討を行う。

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途中で読むのが嫌になる手順であるので、具体的な例を、先日ブログで取り上げた「電池」について以下に記載します。

以下は大まか、上の1~5になります。

電池は正極、負極、電解質から構成されており、それぞれ「機能」があります。この「機能」に訳していくところが開発FMEAのミソです。

この考えはQFD(品質機能展開)の際にも大いに使用します。「電池」というシステムで考えれば、それが化学電池である場合、顧客に提供するその機能は「化学エネルギーを電気的エネルギーに変換する」といえます。また、それを構成する部材=サブシステム(システムを構成するもの)では負極は電子を放出、正極は電子を授受するので、それぞれ以下の図のように展開されます。(専門家の方がいれば、補足ください!!)



この図により「電池」というシステムを機能に展開し、サブシステム(構成部材)に落とし込めています。次に、これらについて、手順6~10を行い、設計要否について検討していくものとなります。(つづく)


(「シックスシグマ⑭補足(開発(設計)FMEA①)」了)
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February 3, 2008

乾電池に関するニュース

Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。


先週、乾電池の生産体制に関するニュースが相次ぎ報道された。

「松下電器産業が、国内外の乾電池の生産工場を現在の15カ所から約半分に集約する」(2008/01/27, 産経新聞)
「FDKは東芝グループのアルカリ乾電池全製品の受託生産を始める」(2008/01/29, 日経産業新聞)

電池を生産しているFDKエナジーの株主は、FDKを含め、すでにソニー、三菱電機も株主であり、ソニーや三菱電機は既にFDKに全量を委託していることから、日本で乾電池を生産する企業は、松下電池工業、FDKエナジー、日立マクセルとなる。

今年に入り、松下電池工業からは新乾電池「EVOLTA(エボルタ)」、日立マクセルからはダイナミック ボルテージが新製品として発表されているが、コモディティ化した商品の差別化が困難であることは、松下電池工業が、つい数年前に「オキシライド乾電池」を発売したことを思い出せば伺えるビジネス環境である。

今回の流れは、「どこの企業が生産しても構わないので、ラインナップは揃えましょう」との意図であり、それは、(日本においてはという観点から)ひとつの製品の時代が終わったことを意味している。

事実、乾電池は松下電池工業、FDKエナジーの2強体制になるが、トップ企業である松下が意図するところは「今後はより安価に製品を供給できる生産体制に移行(2008/01/27, 産経新聞)」することなので、製品のライフサイクルから考えると、価格競争の段階になってしまっている。

この潮流は事実上、乾電池で世界一のマーケットシェアを誇る「デュラセル」(P&Gの傘下)でもそうであり、デュラセルはP&Gが全体の増収率の目標としている4-6%を下回るとの懸念から売却の対象になっているのではないか?(2008/01/17, ダウ・ジョーンズ米国企業ニュース:日経テレコンより)と報道されている。

従って、日本、米国での乾電池事業に残されたイノベーションは、生産プロセスで如何に効率を高めるかに収斂していく。

日本の場合、P&Gまでとはいかないが、利益が出ずとも、赤字でなければ、雇用と組合の関係から事業は存続させる方向に動きやすいが、以下のことは各社に余計なコストがかかるため上記の状況と近年の原材料高騰の背景とも考え合わせると、経営者にとっては頭が痛いことである。

<松下電池工業にとっては>
●FDKエナジー、日立マクセルが新乾電池「EVOLTA(エボルタ)」の記録を破る(エボルタは世界No1長持ちとリリースしているので)電池を発売すると、開発資源を追加しなければならない。
●財務基盤の安定している日立マクセルがデュラセルと資本提携した場合、”世界No1長持ち”の謳い文句は”世界No1シェア”の前に陳腐化してしまう。

<FDKエナジーにとっては>
●多くの企業のOEMを担うだけに、今後、原材料が高騰しても撤退の理由になりづらい。
●中国などの企業が成長してきた場合、OEMの使命が終わってしまう。

<日立マクセルにとっては>
●技術色の濃いイメージである当該企業は、新乾電池「EVOLTA(エボルタ)」の強みを前面に押し出されると、開発資源が増加してしまう。

・・・いずれにせよレッドオーシャンであることには違いない。

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