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東芝がHD-DVDから事実上撤退した(『東芝、HD―DVD撤退、西田社長会見、「勝ち目なしと判断」、ワーナーの転換響く。』2008/02/20, 日本経済新聞)。
ベータ・VHS戦争の因縁
『新世代DVD東芝撤退の深層(中)因縁ソニーに初の敗北―次の競争、早くも予兆』2008/02/22, 日本経済新聞」、
「コップの中」の競争
「日本の電機業界という小さなコップの中で国内メーカーが繰り広げた開発競争の果実を得たのは映像ソフト市場を拡大した米映画業界と中国の機器メーカーという構図(『新世代DVD東芝撤退の深層(下)電機、「コップの中」の競争、米中のはざまで消耗戦』2008/02/23, 日本経済新聞)」
など、種々言われている。
これまでの規格競争において、消費者の観点から:
ベータ・VHSは当時 →「録画」機能を要求していた。
プラズマ・液晶 →「大画面薄型TV」なるもの欲しかった。
HD-DVD・Blu-ray →「大容量記憶媒体」が欲しかった。
となれば、どちらでも良いわけで、負けた規格の所有者はいい迷惑である。なぜ、ここまで電機メーカーは競争するのか?
それは、標準化された製品の利益が莫大であると見込んでいるからである。(日本の企業は製品から利益を得る事業戦略が多い)。
ひと昔前のDVDの規格競争は『国際競争とグローバル・スタンダード―事例にみる標準化ビジネスモデルとは』に詳しいが、例え標準化が首尾よく進んだとしても、利益にならないこともある(現在のDVDを見ると)。しかし、それはやらなければならない、やらないこと自体が負けなのである。
今回の問題はベータ・VHSよりやや複雑で、大容量記憶媒体とはいっても、ハードディスクで十分であるし、半導体といえども、ipod touch(http://www.apple.com/jp/ipodtouch/)のように大きく技術は進歩している。
つまり、すでに、代替品が存在するのである(もちろん代替出来ない部分はあります)。
「勝者は誰か?」といわれるが、企業の目的は利益を計上することなので、負けると分れば、さっさと撤退することも英断である。それは、次の勝利への第一歩を歩みはじめているかもしれないからである。
ただ、規格の競争という点では、上記のいずれでも負けていない企業がある。
・・・松下電器産業である。
<DVDにおける標準化競争の参考書籍>
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