シックスシグマ⑭補足(開発(設計)FMEA①)

2008年2月4日

シックスシグマ

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開発(設計)FMEAは、これまで記載してきた工程FMEAとは大きく異なり、開発チームや設計部門が中心になり分析されます。使用するシーンは、製品ライフサイクルで言えば、主に成熟期以降が多く、成長期にはQFD(品質機能展開)と併用すると効果的で、新設計や設計変更の要否を「故障」「致命度」の観点から分析することが可能です。

本ブログは「習うより慣れろ」であるから、実際に例を挙げ分析してみます。FMEA・FTA実施法―信頼性・安全性解析と評価 (1982年)は私にとって非常に良書であるため、今回はそれを参考に記載していきます。

まず、以下が実施手順です。
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1.システムの機能、構成をブロック図で示す。
2.FMEAを実施しようとするシステム、サブシステムの任務(構成品の機能など)を確認する。
3.FMEAを実施しようとするシステム、サブシステムの分解レベルを決める。(通常は構成品のレベルまで)
4.機能図、システム明細書などを調べて、それぞれ機能別ブロックを決める。
5.機能別ブロックからサブシステムの信頼性ブロック図を作成する。
6.ブロックごとに故障モードを列挙する。
7.列挙した故障モードを整理して、FMEAの実施に効果的な故障モードを選定する。
8.選定した故障モードごとに推定原因を列挙する。
9.FMEAに要約を書き入れる。
10.設計条件、致命度分類基準を参考にFMEAをまとめる。
11.故障等級の高いものについて、設計変更の要否などの検討を行う。

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途中で読むのが嫌になる手順であるので、具体的な例を、先日ブログで取り上げた「電池」について以下に記載します。

以下は大まか、上の1~5になります。

電池は正極、負極、電解質から構成されており、それぞれ「機能」があります。この「機能」に訳していくところが開発FMEAのミソです。

この考えはQFD(品質機能展開)の際にも大いに使用します。「電池」というシステムで考えれば、それが化学電池である場合、顧客に提供するその機能は「化学エネルギーを電気的エネルギーに変換する」といえます。また、それを構成する部材=サブシステム(システムを構成するもの)では負極は電子を放出、正極は電子を授受するので、それぞれ以下の図のように展開されます。(専門家の方がいれば、補足ください!!)



この図により「電池」というシステムを機能に展開し、サブシステム(構成部材)に落とし込めています。次に、これらについて、手順6~10を行い、設計要否について検討していくものとなります。(つづく)


(「シックスシグマ⑭補足(開発(設計)FMEA①)」了)
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