中年層の人などが理想と現実のギャップが見えることで、人生の目的やアイデンティティを見失うことで起きる症状。だからといって何もしないと、ますます不安になる。
この症状を企業について考えてみる。企業の”中年”とは何かは定義しにくいが、まず寿命については:
1970年代、フォーチュン500に載った世界的に「優良」な企業の平均寿命は、50~60年でだった。それが今や10.5年まで急降下している[1]。
●いわゆる製品やサービスのライフサイクルが短くなる(ある優秀なサービス、製品の利益創出期間が短い)影響は従来から言われるように大きく、その対応にも、これまでのやり方を少しカイゼンした程度では追いつけなくなっていることも一因である。
●さらには、80年代から始まったコンピューターの一般化により、現在は、従来とは異なった経済の空間でビジネスが行き来していることも考えられる。
誰でも中年になれば、これまでの経験や学習により、何か新たなことの間口と到達点が広く高いことを認識しはじめる。
企業で言えば、これまで利益を創出してきた製品・サービスが衰退期をむかえるなか、新たな事業に向けた取り組みを始めるにあたり、成功するまでの(利益を創出できるまでの)その苦難の道のりを憂慮している段階がそれに相当するといえる(持続可能な場合は何度か中年をむかえることになりますが・・・)。
このような時に対処すべきは、「不確実性」なのである(または「リスク」)。企業が進化していく(=持続可能な成長をしていく)には、進化するフィールドに降り立ち、最適地になるよう開拓する。次に行くためには、その最適地は離れなければならない。以前の最適地には利益は残存していないからである。
次のフィールドが最適地になり得るかはわからない。それは不確実なことである。そして、そういう機会での対処は、新たな対処が必要なことはわかる。このような機会が数多くなればなるほど、寿命が短くなる可能性は高くなる。
この時に、新たな取り組みを始めないと起こる事象は、モラルダウンであると相場が決まっている。
さて、ビジネスパーソン自身を考えた時に、「何かやらねば!」と考え、実際に行動を起こす人(=結構な額の自己投資と継続性)はどれくらいだろうか?
これは、そのようなビジネス教育の事業を展開する際のマーケットサイズを測定系とすれば、「何かしなくてはなぁ」と約10%弱の人が考え何らかの行動を起こし、約1%にも満たない人が実際に自己投資し、その行動に継続性を持たせるそうである[2]。
大よそ、企業はそのようなビジネスパーソンで構成されているのであるから、やはり、新たな対応で難局を打開していくことは難しい案件なのかもしれない。
・・・企業の場合は、何かやっているのに、それが好適でないと、「何もやっていない」のと同じ状況になるので発見が困難になることもありますよね。。。
<参考資料>
[1] ジャグディシュ・N・シース,『自滅する企業 エクセレント・カンパニーを蝕む7つの習慣病 [ウォートン経営戦略シリーズ] (ウォートン経営戦略シリーズ)
』, 英冶出版, 2008, まえがきより。
[2] BBT開局10周年記念感謝祭での記念講演より。
photo by Maco
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