従業員からすれば:
「この数年何も変わらなかった奴が今更・・・」
であるし、経営陣からすれば:
「ここ数年のマネジメントは、過去に例がないほど大変であった」
と、どちらもその通りであるが、その後、それぞれ従来の動きをする、というのが現状であろう。
多くの日本の仕組みは、高度成長期のそれを引き継いでいるモノが多い。“高度成長期の○○”と表現すれば聞こえはいいが、単なる途上国モデルである(途上国モデルそのものが悪いわけではない)。
それを前提にして、大きな括りとして企業に目を向けた時、従来型からビジネスの仕組みを変えていくには3つある。
- グローバル化する
- 多角化する
- 特化する
である。
おそらく、順に利益が出やすい。
グローバル化は、これまでの仕組みをどうこうするのは、やはり多くの時間を要するので、逆に、この仕組みができた高度成長期の頃の日本に似た経済状況の国や地域に進出すれば良い、というものである。当然、それぞれの国や地域での現地化、人材教育がネックとなる。
多角化は、現在の当該企業のコアを中心に多角化する/コアと関連のない多角化をする、である。関連性が高ければ、そのコアの寿命が延びる反面、共倒れのリスクがある。関連性が低いことは、投資的には安定すると捉えられるが、従業員や組織のコンフリクトは避けられない。コアがない場合は、しばらくは、研究開発が必要で、かなりの辛抱が必要となる。
何かに特化するのは、おそらくシュリンクする。よほどの技術やサービスの仕組みでない限り(例えば、世界でも数社しかない有していない技術など)、日本の高コスト体質では、成長し続けるアジアの途上国にはかなわない(模倣は簡単である)。
「変革」「改革」というのは、“塵も積もれば・・・”の類ではない。いわゆる、カイゼンではない。“塵が積もっても「塚」程度”とするのが、「変革」「改革」である。
“山”にするには、地殻変動など大きな力が、幾年にも働いてできるものと考える。
そう、「変革」「改革」は、トップが挨拶で言うには、その後に「続けましょう」など現在進行形であって、通常は、利害関係者がトップに望むものなのである。
簡単な話、例えば、従業員は言われても、それはできないのである。予算も人事も、組織編制も出来ないなか、出来ることは、せいぜい、カイゼンだからである。
いまが当に正念場である。
・・・と、まぁ今年もこんな感じですが、よろしくお願いします。
<参考資料>
[1]「トップ年頭あいさつ、「変革」「改革」掲げる、従来型の発想見直す。」 日本経済新聞 地方経済面 (北海道), 2010.1.5号.
*「グローバル化、多角化、特化」の3つは、チャンドラー(『組織は戦略に従う』)の企業が成長するための選択肢として(=いわゆる“戦略”)挙げている「量的拡大、地理的拡大、垂直統合、製品多角化」を参考にしています。
-> photo by S-Hoshino.com (フリー素材屋Hoshino)
「フィレンツェの朝日」
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