V字回復とは、“V” が示すが如く、劇的に業績が回復する・・・いや、一旦劇的に、損失を計上することである。
落とさなければ、Vにはならないのである。
古くは、約10年前の日産に始まり、松下電器産業(当時)、富士重工などは、この方法を用いて、その業績回復ぶりを示してきた。
日本での原型は、いわゆる「日産のリバイバルプラン」である。
日産は、当時の売上の約10%の損失を計上し、どうなるものかと言われたが、同時に、その時点で、翌年の黒字化は達成されていた-いわゆるビッグバスである(NIKKEI NET BIZ+PLUSの記事へ)。
当時、会計の仕組みの変更もあり、その動きも見逃さず、演出した会計の担当の仕事は、いわゆるクレバーである(実際、コストカットの決断も英断であった)。
「ものづくり」にたずさわる方なら、すぐにわかると思うが、少々の生産コストの合理化や販売コストの削減などで、業績が劇的に良くなるわけはない(それなら、すでに実行している)。まず、従業員の懐に手を突っ込むところから始まる。
しかしながら、企業が存続しなければ意味がないわけで、さらに、市場は現状維持には興味がない。
そういった意味では、「リバイバルプラン」のような演出は必要なのである。
いわゆる企業の「管理会計」は、企業により様々であり、従業員はそれに精通しているが、一般の財務会計に関しては、そうはいかない。
ただ、今後、数年で財務基準がIFRS*に収斂していくことを考えれば、経営者はもとより、一般従業員も、財務会計は、経理部の専業ではなくなってきている。
*国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、IFRSs、IFRS)とは、国際会計基準審議会(IASB)によって設定される会計基準である(Wikipediaはこちら)。
財務会計-お金のことなので、金融機関、例えば銀行の業務のごとく、一円たりとも!!という感じが強いが、意外に、きっちりしていない(変な意味ではなく)。モノは言い様的なところがある。
ある意味、それが正しい姿で、お金の儲け方(=利益を抽出するビジネスシステム)が様々あるなか、その管理方法や財務諸表のような開示方法において、唯一無二はないのである。
だから、経営陣の考えや方向性が、にじみ出ることがある。
財務基準がIFRSに収斂されれば、(珍しいことだが)世界的に同じ基準になり、IFRSの特徴からは、経営陣の考えや方向性が今以上によく分かるようになる(IFRSは投資家目線な基準なので)。
ということは、ステークホルダーの一員である従業員にも同様である。
・・・やはり、ビジネスたるもの-儲ける仕組み(=お金の流れ)はつかみたいものです。
*IFRSに関しては、後日投稿します。
<追記>IFRSに関しての記事はこちらです。
<関連書籍>
<参考書>
*これはビジネススクール時代に管理会計の講義で使用したテキストです。
0 件のコメント:
コメントを投稿