オープンCAEによる有限要素解析を試みる(圧延編) はじめに

2015年8月12日

CAE 圧延

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【圧延編の背景】
・孔型圧延にて、ロールの設計;設計→ロール製作or研削→圧延→形状確認→再びロール形状の再考・・・の流れで、ロール製作には思った以上に時間がかかってしまう。
*狙いの形状が量産性を確保できるようになるには、結構やり直す。
・知識、経験の蓄積で対応は可能だが、最終顧客では、シミュレーションが当たり前になってきており、対応が求められる(していないと信用されない)。かといって、高額なソフトウェアを導入する訳にもいかない(!!)。
・幸いオープン系が発達しており、何とかならないものだろうか?というのが動機です。


【商用系のイメージ】
下のような被圧延材のひずみ分布の情報は非常に有用。

左)DEFORM-3D、右)ABAQUSの例
*各ホームページより

【これまでにこれは!?と思うソフト】
・Salome meca
フランス大手電力会社が開発した高機能高品質なオープンソースCAEAソフトウェア。
*各種サイトや、柴田先生の書籍(『オープンCAE「Salome‐Meca」ではじめる構造解析』)など支援も充実。
・calculix
商用ソフトABAQUSと同様の入力書式をもつオープンソース。
・FrontISTR
FrontISTRは東大奥田先生の研究室が開発しているオープンソースソフトウェア。

*それぞれ特徴があるが、オープンを利用する場合は、使えるようになるソフトを増やしていくと、種々カバーでき、業務で利用できるレベルに近づくのでは・・・と感じる。


【取り組み】
・上図のように商用系では、三次元シミュレーションは実用化されているが、シミュレーション専任者でない本ブログ運営者は、オープン系での三次元シミュレーションは困難。
・モデルの単純化が有効ではないかなぁ・・・と(下図参照)。
近似三次元シミュレーションは、「シミュレーションの短時間化により孔型設計等の途中段階で有効」*と考えられる(論文は1990年)。


日本加工学会編, 『静的解法FEM バルク加工』, コロナ社, 第2章 5.特殊な解析法 図2.11を引用

*岡田ら, 「孔形圧延における三次元塑性変形の有限要素シミュレーション : 第2報,ー般化平面ひずみによる近似三次元シミュレーション」, 日本機械学会論文集(A編)56巻528号,1990



・・・まずは、ロールの三次元モデルの製作です。


記事のインデックスはこちら。


【関連サイト】
FrontISTR研究会
「本ユーザー会は、東京大学奥田研究室(新領域創成科学研究科人間環境学専攻)および日本計算工学会グリーンCAE研究分科会の主催により、研究会開催とWEB運営を実施します」(ホームページより引用。

オープンCAE学会
「CAE(Computer Aided Engineering: 計算機援用工学)における知識を共有し,普及させ,コミュニティを通じて育てられていくような環境」の普及を目指している団体で、基本的に「プログラムがオープンソースで提供されていることや,フリーソフトウェア」であることをポリシーにしている(HPより趣意)
DEXCS Official Wiki


【本ブログ運営者の記事】
Impactを起動する
 →有限要素法の衝突解析

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