(追記 2024.3.1 生成AIを利用した「実務でのChatGPT(工程能力の算出)」はこちらです)
データの取得前後で、当該工程の工程能力指数を算出しなければならないが、少なくとも現状を数字で把握できることと、シックスシグマでは、①「現状は○○シグマレベルです」としなければならないこと、②時に素人実務家(当該分野に関係しないという意味で)がリーダーに抜擢されること、からシグマレベルは認識の共有化が容易ではある。
さて、取り組んだ当該工程の問題点は以下のグラフの青線の分布のように、(データを正規分布だとすると)一見、下限に対して、分布しているようだが、これだと工程能力指数(=Cpk)は1.0程度となり、約0.3%程度の下限割れが発生していることになる。簡易的にはCpk×3≒3.0(Cpkと"3"の積)なので、「レベルは3シグマレベル」といえる。
特に、この工程では仕様を定めていなかったが、問題が発生する現象と生産技術的な課題をシミュレーションし、下限を定めた結果であったので、信頼性が高かった。
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●工程能力指数(=Cpk)に関して:
①上限規格のみの場合:Cpu = (上限規格値 - 平均値)/3σ
②下限規格のみの場合:Cpl = (下限規格値 - 平均値)/3σ
→両側規格の場合:Cpu と Cpl の小さい方の値をCpkとする。
シックスシグマの活動では、統計ソフトが抱き合わせのためエクセルで求めることはなかったが、エクセルで求めたい方はY.SwetakeさんのHPでエクセルでも算出できるマクロがUPされていますのでご参照ください。
*工程能力に関する詳しい式はこちら。
●正規分布の特徴に関して:
形状は釣り鐘型で左右対称(平均値=中央値)。
±1σの区間には、68.28%、±2σの区間には、95.46%、±3σの区間には、99.73%のデータが存在する。
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このような時、カイゼンの方向性としては:
①橙色の分布のようにバラツキを低減する。
②赤色の分布のように平均値をシフトする。
③両方を同時に行なう。
が考えられる(当たり前!)。ここからチームは、その効果と取得したデータを分析し、出来れば「安価で最も効果の高い」改善策を見出すことが目的となる。
安価でない場合は、今回の取り組みの効果は、それなりのリソースを投入したが、効果の大きなプロジェクトであるため、費用対効果の問題となる。
実務の実感としては、シックスシグマは「トップダウン」を尊重するため、大型のカイゼンには好適で、ボトルネックを対象とする。残りの要因を小集団で地道に活動すれば、うまくカイゼンサイクルが回ると思う。
・・・ただし、発表ネタがないからと言って、小集団活動を無理無理に発表ネタにしてしまうと、現場実務のメンバーのモチベーションを下げてしまうのでご注意を。
(「シックスシグマ⑰(工程能力の算出)」了)
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