これを組織論に同質の現象を見出したのが、マーチ=サイモンで:
「日常業務が戦略を駆逐する」
というものである。
*本記事は、榊原, 『経営学入門(上)』2002(上), pp44-46を参考に記載しています。
「戦略」―に代表される非定型的な仕事と、単純、反復的な日常的業務の中で、マネジャーが組織にとって重要な非定型的仕事を後回しにし、結局、それを棚上げしてしまう、といったものである。
目先の仕事にばかり注力すると―
長期的で関連資源が大きく、
影響が広範な、
意思決定、戦略について考える姿勢が失われていく。
とはいうものの、これは、いずれの組織にも観察されるものであり、一般的である。
また、こういったことが、戦略担当の専門部署をつくる合理性を示唆している所以である。
賛否や種々の議論は、組織ごとに細論があるだろうが、いずれにせよ、組織が常にイノベーティブ(あるいは、常に前向きな息吹でつつまれている)であることを維持していくことは、難事である(=変化を好まない)。
これは、組織の構成員が、それを意識的に行なわなければ、できることではない。 また、そのような意識を単なる危機意識で煽っても醸成できるものでないので、各組織の文化に即したものにゆだねるしかないが、その仕掛け、仕組みづくりが、成長要因の寄与率を占めるようになってきている。
・・・Kaizen―カイゼンだけで大きな成果が上げられたのは、よほど幸せな状況だったのである。(榊原, 2002, p44.)
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